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NO.565                Ryo Onishi              3/11/2006   

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河合さんの さくらの独り言 川柳 & コント 森田さんから ホームページ
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雑貨屋のひとり言

あちこちで金属が盗まれるニュースが報道されています。公園の滑り台や、障害者用の手すりを盗むやつがいるなんて情けないですね。
そんなに金属がほしけりゃ、不法に駐車、駐輪している自動車や自転車を持っていけよと言いたいですね。石油が無くなる・・、金属が無くなる・・、地球の資源に限りがあるのはずい分前から言われていたことです。これからはごみに注目が集まるのかもしれません。(R.O.)

あまり知られていないL.A. 観光スポット(193)

オレンジ郡農業・日系博物館
CSU(カリフォルニア州立大学) Fullerton校キャンパスの内に開設されている樹木園(The Fullerton Arboretum)についてはこのZakkya Weekly #307(2002年3月31日号)にて紹介しましたが、この樹木園の敷地の中に昨2006年3月にオレンジ郡農業・日系博物館(Orange County Agricultural And Nikkei Heritage Museum)が完成しました。

ここでは定期的にこの地域の日系人及び農業に関する各種展示会が開催されることになっています。

2007年2月10日から7月29日までの約6ヶ月間はカリフォルニア農業に大きく貢献した日系人たちの歴史に関する特別展示がされています。
 館内の案内パネルによると、19世紀末に米国本土への日本人労働者移民が正式に始まり、1900年の国勢調査ではオレンジ郡に日系人として3人(ヤマモト、マルヤマ姓)が定住していた記録が残っているとのことです。

その後1910年の同調査ではそれが611人、1920年には1491人(同郡人口の2.4%)、1930年には1613人(同1.4%)となってゆきます。

しかしこの間、日本人・日系人ともに排日移民制限、大恐慌など厳しい環境のもとに置かれ必ずしも順調な米国生活ではなかったようです。

そして1941年12月の日米開戦によって米国西海岸の日本人だけではなく、米国籍を持つ日系人までもが強制収容所へ送られ、オレンジ郡の日本人・日系人はゼロとなってしまいます。

展示品の中には、当時日系移民の人たちが実際に使った鋤や鍬などの農具をはじめ、写真、パスポート、戸籍謄本、地図、さらに実際に音声の再現された当時のラジオなどが「移民」、「家族」、「社会生活」、「コミュニティ」、日系組織」などに分類した展示がされています。
 
今回の展示は第二次大戦までの日本人移民に関する記録が中心になっていますが、次回以降はパイオニア・ファミリー、運輸、マーケッティング、地形、水の確保など、テーマを変えてカリフォルニアの農業史を振り返る内容になるそうです。

私たちの先人が多くの苦難に直面しながらも、カリフォルニア農業の発展にいかに貢献してきたかを知ることが出来ると同時に、日本人・日系人であったが故に味わった苦労について知る貴重な機会であり、この展示は必見です。

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*住 所 : 1900 Associated Road, Fullerton, CA 92831
*開館日 : 土曜日、日曜日(だだし、主要祝日は休み)
*時 間 : 12:00(正午)〜 4:00PM
*入場料 : 無 料
*電 話 : (714) 278- 3407
*Web Site: http://arboretum.fullerton.edu/

行き方は次の通り(Torrance方面よりの場合)
(1)FWY#91を東へ。
(2)オレンジ・カウンティへ入り、FWY#57を北へ入り、約3マイル進み、Yorba Linda Blvd.出口でFWYを降りる。
(3)FWY を降りたらYorba Linda Blvd.を左折(西へ)。
(4)Yorba Linda Blvd.に入りすぐ(0.2マイル)のAssociated Roadを左折(南へ)したところが CSU(California State University), Fullertonキャンバスで、樹木園駐車場及び入り口もそこにある。
(5)全行程 ;(Torrance方面からの場合)約30マイル、ドライブ約40分。                                                                                          河合 将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り言休眠打破

 例年にない暖冬のため、今年の桜は極端に早く咲くだろうと思っている人が多いかもしれないが、実は、専門家からは「地域によっては開花が遅くなる」という予想も出ている。それは、ソメイヨシノなどの桜のつぼみには、冬の一定の寒さが開花を促進する「休眠打破」と呼ばれる性質があるため、だそうだ。さて、この冬の暖かさは、桜にどう影響するのだろうか、と、いささか気がかりな、桜の昨今・・・。

物の書によると、桜は、花が散った後、夏までに翌年の春に咲く花の芽を形成し、いったん休眠に入る。その後、冬に、摂氏5度前後の低温にさらされると、眠っていた花の芽が目を覚ます「休眠打破」が起きる。さらに、2月以降に気温が上昇すると花の芽が成長し、花を開かせる、というメカニズムがあるそうだ。つまり、冬寒く、春先に気温がぐんぐん上がる気候条件が、桜の開花に最も適している、というわけだ。そういえば「平成18年豪雪」と命名されたほどの厳冬だった昨シーズンは、休眠打破が進んだうえ、春先は一転して暖かくなったために開花は全国的に早まった、という記録がある。しかし、この冬は、昨年12月からの気温が全国的に高く、休眠打破が必要な桜には厳しい条件となっていることは確か。去る日、友人が公告に釣られて、家族連れで早咲きで知られる伊豆半島の某所に“桜見物”に行ったそうだが、「まだ3分咲き。見頃は、例年より遅くなるのでは」とこぼしていた。早咲き、遅咲きの議論も峠を越えた。「自然のことは、自然に聞く」しかないが、いずれにしても“花見のシーズン”は、もうすぐだ。

ところで、「休眠」とは、生物が生活機能を一定期間、不活発にしたり停止したりする状態をいう。世の中には、不況のあおりを受けたり、内部紛争があったり、事業主のビジョン変更などでビジネスの(一時的)中止を余儀なくされる会社も少なくない。つまり、“解散”ではなく業務機能を一定期間“停止”する会社を「休眠会社」という。こうした休眠会社を格安で買収するという、いわゆるM&Aが横行している。有限会社なら10万〜20万円、株式会社でも30万円程度で買うことができる。買い取ったあと、商号や事業目的などを変更してしまえば、自分の会社になる。休眠会社専門の業者やブローカーも存在している。従来の日本的ビジネス文化論で言うと、これはまさに“はげたか戦法”である。しかし、M&Aで救われる「休眠会社」も少なくない。社名や代表者は替わっても、その会社に残された社員や、これまでに培った技術(生産力・営業力)が活かされれば、文字通り「休眠打破」となり、やがては花を咲かせることにもなろう。

人間、誰しも心身好不調の波がある。たいていの人は、不調な時、一時的に休養(リフレッシュ)期間をとれば、再び好調波に乗ることができる。有能な社員ほど、休養期間(時間)は少ない。だから個人および全体の生産(成果)効率には、さほどの影響がない。困るのは「休眠社員」である。会社を休むという意味ではなく、出社はするが、成果への情熱も技術も持たず、努力もしない人間を「休眠社員」と(私は)呼ぶ。彼らは一様にして他の社員との協調性に欠き、個や全体の成果を正当に評価する目も心もないから、時として他人の花を妬んだり、大事な「休眠打破」を邪魔したりする傾向がある。残念ながら、わが社にも、いつまでたっても“打破”できない横綱級の「休眠社員」がいる。いっそのこと、“冬眠”のままでいてくれれば、個人の成果はゼロでも、全体のマイナスにはならないのだが、季節の変わり目には、突然目を覚まして周囲を撹乱することしばしば。そのために全体の開花(成果)予想を狂わせてしまう。この辺で“害虫駆除”をしなければ、来年の花見が出来ないのでは、という心配もある。動植物と同じように人間もまた「(芽の)形成」「休眠」「打破」「生成」「開花」のメカニズムをスムーズに機能させてこそ、自他そろって花見の楽しみを味わうことが出来るというものだ。さて、我が人生の開花と結実はいつのことだろうか、っと呟く、桜の独り言。

週間五日坊主(東京・成近)

 


( 川 柳 )

野の花に祝われているゴールイン

人生に定年というジャンプ台

勇退の先も華麗な予定表

自分史の綻びを縫う妻の針

焦らない百までにまだ40年

( ニュースやぶにらみ )

「金属ドロ横行」
誰か持って行ってくれないかな −シャッ金

「開花予報」
あやかりたい −受験生

「格差」
春もあれば シュンもある - 春闘
河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

  インド紀行( 5 ) 見所あれこれ
              森田のりえ
 観光バスでデリー市内を走っている。
野良牛に違いない黒牛が三頭、狭い路地をのっそり歩いている。ヒンドゥー教徒は牛を大切にするというが、餌までは与えないのだろうか。痩せてアバラ骨が見える。犬もいる。これも野良犬だろう。歩いていて狂犬にでも噛まれたらと思うと気味がわるい。
前方に第一次世界大戦などで戦死したインド兵を弔うために建てられたインド門が見えてきた。辺りは芝生の公園になっており、門を中心に道路が放射線状に伸びている。まるでパリの凱旋門のようだ。
 インド旅行の私たちを乗せた観光バスは、タージ・マハルのモデルになったムガール帝国二代目皇帝の「フマユーン廟」を訪れた後、
ニューデリーの南郊外にある世界遺産「クトゥブ・ミナ‐ル」の遺跡に向かった。
 ガイドのクマールさんの説明によれば、十二世紀終わり、トルコ族の宮廷奴隷出身のアイバク将軍が北デリーを征服し奴隷王朝をつくったという。
「奴隷王朝? 奴隷の身で? どうして?」
 奴隷に対する固定概念がある私は、どうも腑に落ちない。怪訝そうに呟くと、クマールさんがこういった。
「奴隷といっても、この国の場合はイスラム法によって身分的法的に束縛を受けていたけれども、現実には文武両道に秀でたエリートたちです。ムチで打たれて働かせられた人たちではありません」
 新しい支配者の最初の仕事は、前支配者の建造物や宮殿、寺院などをすべて取り壊し、そこに自分たちの建造物を造ることらしい。
壊さなくてもと思うが、権力の威光を人々に示すためなら仕方がないのだろう。
 以前、ここにはヒンドゥー教徒の寺院が建っていたが壊してインド初のイスラム教のモスクが建てられた場所である。天変地異による崩壊、征服、戦争などによる破壊などで廃墟となっているが、一部は観光向けに修復されていた。門らしい巨大な石組みのアーチや装飾された円柱などの残骸が残る。物言わぬ廃墟の残骸は、人間の織りなしてきたすさまじい歴史に想いを巡らせてくれた。何代にも渡って積み上げられたクトゥブ・ミナ‐ル(塔)が空にむかってそびえている。
 遺跡の中庭に四世紀ごろに造られた高さ七メートルの鉄柱が立っていた。純度九八%。驚異的な精錬技術だ。いまだに錆びていない。
「この鉄柱と背中合わせに立ち、腕を鉄柱のうしろにまわし、両手が互いに触れば、大幸運がおとずれます」
クマールさんが教えてくれた。
大幸運と聞いて心が動いた。だが、まわりを見ると誰も素知らぬ顔をしている。しかたなしに私は鉄柱を横目に見て通り過ぎ残念この上なし。だが、以前はこうではなかった。
「ここを触るとお金持ちになります。願いがかないます。幸せになります」
 当たり前のことだが、願いが叶ったから、お金持ちだから、幸せとは限らない。しかし、ネが単純な私は、ご利益があるといわれればじっとしていられないタチであった。
 入場料の要る遺跡には、物売りも乞食もいない。こぎれいな服装の男性や眉間に赤いビンリーをつけ、鮮やかな色のサリーをまとった女性が目につく。彼女たちは一様に小顔で彫りが深く、ほっそりした体躯だ。アーリア民族の特徴だろうか。すてきなサリー姿の女性にお願いして、一緒に記念写真をとった。
 一歩遺跡を出るとTシャツ売りが断っても、断っても付いてくる。
「イチマイ、センエン」
 無視していると「ニマイ、センエン。サンマイ、センエン」と、しだいに安くなってきた。観光バスに乗り込むと窓下にきて、日本語でしつこく売り込む。うっかり「八枚で千円」とからかったつもりが「オーケー」といわれて買わされてしまった。気がつくと日本語版の旧所名跡写真集まで買っていた。
 乗合三輪車に乗ってみたい。雑踏のなかをぶらついてみたい。だが、お仕着せの団体ツアーでは自由がない。つぎの目的地を向かう。
「ラージ・ガート」
 インド独立の父「マハトマ・ガンジー」が暗殺され火葬された場所である。非暴力、不服従に徹したガンジーの生涯は国内外の人々に大きな影響を与えた。アメリカで黒人差別に対して武器を持たずに戦ったマルチン・ルーサー・キング牧師もガンジーの精神を引きついだ一人であったと、先日、英語クラスで習ったばかりである。因みに、ガンジー以前のインド独立の闘志ボーズが日本に亡命し、新宿中村屋に身を隠し、表に出られない憂さ晴らしに料理作りに専念して出来たのが中村屋のヒット商品『インドカリー』である。

               つづく
               

 

編集後記

毎週土曜日のヨガ教室は人気が高いらしく申し込んでもすぐに定員になってしまい空き待ちの状態です。

≪今週のお奨めジャズ≫
先週紹介しましたジャズピアノトリオに着目して新しい曲を探しています。
今週もいくつか見つけました。
「Walter Lang Trio」の「The Sound of a Rainbow」はいかがでしょう?
理屈抜きでいい曲だと思います。

1 Country 03:28
2 Children's Song 04:23
3 Palhaco 04:11
4 Myriad 07:31
5 The Beginning and The End 05:59
6 Emmanuel 04:37
7 Ida Lupino 04:04
8 ELM 04:08
9 Song for Everyone 05:36
10 First Song 05:46
11 James 04:30

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Zakkaya Weekly No.565

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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