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NO.528                Ryo Onishi              6/25/2006   

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河合さんの さくらの独り言 川柳 & コント 森田さんから ホームページ
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雑貨屋のひとり言

ずいぶん前からニューヨーク地下鉄から落書きがなくなり犯罪も減ったとに聞いていたのですが、最近のニュースによれば、また落書きが多くなっているそうです。ガラスのエッチング剤を使って窓ガラス落書きされるので消せないらしいです。犯罪が増えないように願っています。(R.O.)

ボーイフレンド

  先日、インターネットで日本からのニュースを見ていたら、最近実施された日米中韓4ヶ国の高校生意識調査の結果が目にとまりました。(文部科学省所管の教育研究機関による意識調査)

記事によると日本の高校生は調査4ヶ国の中で学校の成績や進学への関心度が最も低いという結果が出たそうです。米中韓の高校生は「勉強ができる生徒」を志向する傾向が強いのに対し、日本の高校生はもっぱら漫画や携帯電話に関心が向けられ、勉強離れが目立つ結果なのだそうです。

今回の調査によると「現在、大事にしていること」(複数回答)に対する回答は「成績が良くなること」を挙げたのは、米国74・3%、中国75・8%、韓国 73・8%に対し、日本は最下位の33・2%しかなかったそうです。

また「希望の大学に入ること」という答えも米国53・8%、中国76・4%、韓国78・0%に対し、日本はわずか29・ 3%だったとのこと。「いい大学に入れるよう頑張りたいか」という問いに対し「全くそう思う」と回答した生徒は、中国64・1%、韓国61・2%、米国30・2%で、日本は最下位の25・8%。また、「どんなタイプの生徒になりたいか」を尋ねたところ、米中韓は「勉強がよくできる生徒」が67・4〜83・3%を占めたのに対し、日本は「クラスのみんなに好かれる生徒」が48・4%でトップだったそうです。

日本の高校生が他の3か国に比べ高い関心度を示したのは漫画やドラマなどの「大衆文化」(62・1%)、 「携帯電話や携帯メール」(50・3%)、ファッションやショッピングなどの「流行」(40・2%)となっていたようです。

「家族」について高い関心を持っている高校生は、米中韓でいずれも50%前後だったにもかかわらず 日本では32・4%にとどまり、日本の高校生が家族・家庭に関心を持つ比率の低さにも少々驚きでした。

数日前、日本の知人から受信したメールにこんなことが書いてありました。「(前略)今日はちょっとお手伝いしているグループが留学生を演者にしたミニ講演会を催しました。近隣に住むアジアからの留学生4人が日本での経験、日本について考えることなどを話してくれ、熱い質疑がありましたが、その中で韓国、中国の留学生が『日本の若者は”ソフト”になりすぎている気がする・・・目上に対する 言葉遣い、立ち居振る舞いなど・・・』と言う発言がありました。特に韓国の学生は皆兵制度で兵役を済ませてきているだけに迫力がありました。中国の学生は 若者が軟だから、戦争にならなくて良い(誰も戦争に行きたがらない)といって笑いを取っていました。日本の若者が軟になったというのは決して好ましいことではありませんが、このような教育をしたのはその親の世代ですし、”若者がだらしない”と非難して嘆いてばかりはいられないところがつらいことです。常々私達も加害者だと言う気がしています。(以下略) 

また、数ヶ月前、仲間内のミーティングで、ある日本からの若い留学生(女性)がこんな趣旨のことを言っていました。

私(日本人、留学生、女性)が今一緒に下宿しているルームメイトは韓国人女性なのですが、彼女のボーイフレンド(韓国人留学生)は本当にしっかりした人で、ガールフレンドである彼女のことを心から想い、彼女の身に何か危険が生ずるような事態が発生したら、彼は間違いなく自分の身体を張って彼女を守ることは確かです。更に彼は私たちと会話をしても、いつも祖国(韓国)、家族を大切に思うと熱く語るし、家庭の大切さも常に強調しています。男性としてとても頼もしく映ります。――― 実は私にも日本人ボーイフレンドがいるのですが、このボーイフレンドときたら、彼の興味はパソコン・ゲーム、アニメ、映画、サーフィンなどで、およそ天下国家や家族・家庭の話題は出てきません。私がもし暴漢に襲われても助けてくれないかもしれません ―――

上記の話は、たまたま特殊な実例であり、すべての日韓のボーイフレンドに当てはまるものではないでしょう。でもこの話はなぜか私の心にその後も重く残っています。

あの時この話をしてくれた日本人留学生の彼女に「そんな柔(ヤワ)なボーイフレンドとは即、別れたら?」と咽喉もとまで出かかった言葉をぐっと飲み込んで抑えたのをいまだに記憶しています。           河合 将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り言「 階段 」

目指すホームは、改札を通過して、階段を下り、そしてまたもうひとつの階段を上りつめたところにある。急げば名古屋行き特急電車に間に合うかもしれない、運よく間に合えば、30分早い新幹線に飛び乗って今夜中に帰京できる、と思いながら、階段を一気に駆け下りた。出張で出かけた愛知県から名古屋を経由して帰京する、そのローカル線の乗り継ぎ駅階段でのこと。駅の階段という普段何気なく登り下りしている中に、またひとつ、呟きの材料をみ〜つけた!

その最後の下り階段をあと一段だというところで、私の行く手をさえぎるように、一人の男性が立ちはだかった。私はムッとした。そして下りの階段だけを注視した私が目を上げた瞬間、ニンマリ、なんと姪の婿殿であった。今年2月、最愛の姪が名古屋に住むI君に嫁いだ、その婿だった。こんなところで会うなんてと互いに驚きながら、縁がなければ単なる通りすがりの見知らぬ人、すれ違いの人生だっただろうにと、出会いと縁を喜んだ。そして、家族や親戚という形で繋がった糸ゆえに喜べる共通の価値観が、この偶然の出来事を必然と感じさせてくれた。

ところで、階段には山登りや人生に似たものがある。それは、登りより下り、駆け上がる人生より、折り返し下る人生が難しいということ。段の数が多かったり、傾きが急だったりする階段は上ることが非常につらく、体力の限界や運動不足を感じさせられる。しかし、これは訓練や気の持ちようで克服できる。例えば、吐く息と吸う息のリズム、その呼吸の調和によって自分のペースができ、一段一段の辛さを和らげるこができる。下りの階段も上りと同様、訓練と気持ちの持ち方が必要だが、そのエネルギーは上りに比較して数倍も必要。下りの階段は、体力や呼吸の工夫というよりは、年齢そのものの、遠近のギャップを調整する視力、体力より自らを支える筋力、そして上り時とは全く違う、転がるということへの不安や恐れの克服。これらは、視線の位置、日ごろの筋トレ、自分が安心して下りられる階段の位置や手すりの確認などといった、意識的な努力が必要となる。階段の長短に関係なく、下りに注意が必要な歳になったのかと自覚する今日この頃だ。ちなみに、ギネスブックに記載されている世界最長の階段は、スイスのSpiez近くにあるNiesenbahn funicular railway、11,674段、高さ1669mだという。

さて、私が使う最寄り駅の出口階段は、70数段と長い。これを上る時、疲労困憊していない時でさえ結構しんどい。この段数を数えたのは私ではなく、毎週我が家へやってくる75歳の叔母。交通事故で足に大怪我の跡を持つこの叔母が、長い階段を上るための自分なりの工夫が、数を数えることだったとか。既に折り返しの人生を力強く生きているシニアの知恵。階段も人生も、上りも下りも“一歩(一段)ずつ”とは、共通だということか。その昔、私がおてんば娘だった頃、男の子に混じって遊んだ階段飛び、木造階段の最下段からどれだけ高い上段へ飛び上がれるか、またはどれだけ高い上段から飛び降りられるか、を競って遊んだ。今思い出しただけでもゾッとする。“一歩(一段)ずつ”の姿勢を知らない無茶でやんちゃでいられた上りの時代、遠い遠い想い出だ。路面が滑りやすくなっている梅雨時、上りも下りもご用心というところか。初夏の階段で、怪談風のヒヤリ冷や汗は真っ平ごめん、っと呟く、さくらの独り言。

川柳 & コント(東京・成近)


( 川 柳 )

犬小屋に強度偽装のパパの腕

白鳥にみんななりたい児童劇

虫博士です道草のランドセル

子供等に太陽という充電器

子の瞳にはみんな平和な万国旗

( ニュースやぶにらみ )

「国の借金827兆円」
たかが1千万円 −福井日銀総裁

「マスコミ逃れ」
サッカーが勝ち進んでほしかった −藤井日銀総裁

「意識調査 8割は『デートより仕事』」
本音より建前 −新入社員

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

イスラエル紀行( 9 )  メギドへ
                                    森田のりえ
 一九九五年三月二〇日、東京で地下鉄サリン事件が起きた。メディアは「ハルマゲドン」という聞きなれない言葉を使い「終末思想」という本が出た記憶がある。
 大学生だった娘に、ハルマゲドンのスペルを尋ねた。何度も聞き返したあげく、
「ああ、アーマゲドンのことね」
 発音が違うといって、娘は笑いころげた。
 Armageddon――辞書には、世界の終末における善と悪の決戦場とある。
 あのころ、中曽根元首相が「サリン事件について」のテレビ討論会に出て、次のような話をしていた。
「新約聖書の『ヨハネの黙示録』によれば、悪霊に率いられた全世界の王たちがイスラエルのメギドに集まり、悪の軍勢と神の言葉との間で最終的な戦争がある。その場所をハルマゲドンという」
 その時から「メギド」と「ハルマゲドン」という二つの言葉が私の胸のうちに棲みついた。二〇〇二年二月三日、私たち一行のバスは、そのメギドへ向かっている。
 ガリラヤ湖畔の宿を出発した私たち聖地旅行団のバスは、山地に差しかかった。ふり返ると、灌木の茂る斜面の遙か向こうに、海抜下一九〇メートルのガリラヤ湖が霞んで見え、雪のヘルモン山が青空に浮かんでいた。イエスの公生涯の中心となったガラリヤ。紀元二、三世紀にユダヤ教の中心地であり立派なラビたちが輩出したというガリラヤへ、もう一度来たい、と思った。
 ユーカリの街路樹がつづく。耕作地が拡がる。小麦だろうか。ブドウ畑やオリーブ畑、丘の上の集落や麓の集落があらわれては、また後に消えていく。一昨日通ったユダの荒野とは別世界である。よく耕された耕作地、陽の光さえ柔らかく感じられた。
「この辺りは、湿地帯でマラリヤや風土病がはやり、農地に適した土地ではありませんでした」
 ガイドは説明をはじめた。
「この地をオスマントルコの不在地主から購入し、そこへ入植したイスラエル人がユーカリを植え、水はけをよくし、肥沃な土壌に作り替えたのです」
 さらにガイドは話をつづけた。
「日本ではイスラエル建国が歴史的に正しく理解されていません。理由は、戦後から朝鮮戦争以降は経済的な復興に精一杯で、世界で何が起こっているか認識できなかったのです。私たちは歴史の延長線上にしか存在していません。歴史を発掘し光を当て、自分たちが辿ってきた経路を深く考える必要があります。そのような意味でも、第二次大戦後のイスラエルを中心とした世界の動きに目を向ける、そんな旅にしたいと思っています」
 エズレエルの平野に入った。
 行く手に台地のような小高い丘が現れた。
あれが目指すメギドである。 
 バスから降り、観光案内所に入ると古代都市メギドの模型があった。
 イスラエルはアジヤ大陸とエジプトを結ぶ地点にある。交通の要所でもあり、軍事上の重要な拠点であった。エジプト人は南から、海洋民族は海岸に、ヨルダンの彼方からは絶えず遊牧民がなだれ込んだ。彼らは征服した街を壊し、土をかぶせ、その上に自分たちの街を作る。実に破壊と再建が四千年にわたって間断なくつづけられたのである。
 人工的にできた丘をヘブル語で『テル』。メギドは二十二の地層からなるテルだという。
 私は模型をみながら、自分の思惑違いに驚いた。七年前、中曽根元首相の話を聞いた時、思い描いたメギドは、丘の上に拡がる真っ平らな広場であったのだ。空想と現実の違いである。遺跡の丘は石ころばかりだった。
 深さ約六三メートルもある地下水源へのトンネルに入った。一人ずつ、手すりにつかまり階段を降りる。どこかで水滴の落ちる音がし、湿った土の臭いがした。底には澄んだ水が少し貯まっている。
 外へ出ると、発掘作業に携わった人たちが食べたナツメの種が芽をだし、背丈の二倍くらいの高さまで育っていた。
 エズレエル平野が眼下に拡がる。パッチワークのような田園風景の中を一本の鉛色の道路が南北に走っていた。
 突然、空を切り裂く轟音を伴ってイスラエルのF・一六の編隊が侵入してきた。コックピットの顔まで識別できそうな低空飛行である。呆然としているうちに、見えなくなった。       
「ここですよ。みなさん」
 ガイドは一段と声を張り上げた。
「ここにイスラエルを滅ぼそうとする反キリストの軍勢が集結します。終末戦争の主役たちの登場です。その時、救い主であるイエスが再臨されるんです。ハルマゲドンが起きた後、教会の支配する千年王国が築かれ、新世界となり永遠の命が」
 現在はハイテク兵器を駆使する戦争だ。ヨハネの黙示録でいう終末戦争とは、いかなるものだろう。
 私には、遠い国のふしぎな話を訊いているような気がしてならなかった。
                 つづく

 

編集後記

最近TSUTAYAの半額クーポン(新作は除く)が週末ではなく、月曜日に提供されるので、レンタル数が減っています。でも私のように新曲である必要がないので、半額でレンタルできるのはありがたいですね。
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Zakkaya Weekly No.528

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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