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NO.524                Ryo Onishi              5/28/2006   

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河合さんの さくらの独り言 川柳 & コント 森田さんから ホームページ
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雑貨屋のひとり言

車を運転していると、駐車のルール違反が目に付きます。この国には法律もルールも無いのかと思いたくなるシーンがたくさんあります。来月から駐車違反の取締りが民間の手によって行われますが、ルールや法律に対していい加減な日本ではトラブルが起こるのではないかと危惧しています。
最近、ジャズにはまっています。ロスで購入したCDをじっくり聴いています。携帯プレーヤーで通勤時に、家のオーディオでじっくり聴いていますが心が落ち着きます。TSUTAYAのメンバーになり、CDを借りて新たな出会いを楽しみにしています。(R.O.)

山内一豊の妻

 ☆ 山内一豊の妻 (工藤 武城作)

婦徳(ふとく)豈(あに)要(よう)せんや
紅粉(こうふん)を施(ほどこ)すを 
心中(しんちゅう)の貞節(ていせつ)は
嬌姿(きょうし)に勝(まさ)る
荊釵(けいさ)髪(かみ)を理(ととの)え
粧飾(しょうしょく)を避(さ)け
綿服(めんぷく)身(み)を裏(つつ)み
渇飢(かっき)を凌(しの)ぐ
切々(せつせつ)杼機(ちょき)
常(つね)に隙(ひま)を惜(お)しみ 
営々(えいえい)針線(しんせん)
疲(つか)れを知(し)らず
誰(たれ)か知(し)らん
鏡厘(きょうこう)十金(じゅっきん)の貯(たくわ)え
遂(つい)に作(な)す
土州城主(どしゅうじょうしゅ)の基(もと)

今年のNHK大河ドラマでも取り上げられていますが、山内一豊の妻といえば、妻の鑑として有名です。

夫である山内一豊が馬を買う金がなくて困っているのを見た彼女が手鏡の中から黄金10枚をとりだし、「これで馬をお買いなさい」と一豊に与え、おかげで夫は馬を買うことができたという話です。

山内一豊は、織田、豊臣と2代に仕え、さらに関が原の戦にあたっては諸大名に先駆け東軍(徳川方)に積極的に味方することを表明し、東軍勝利のきっかけを作った武将でした。この功もあって、彼は徳川家康から土佐24万石の大名に大抜擢されました。

山内一豊の妻(千代、まつ、見性院)にまつわる「内助の功」の逸話は戦前の日本において教科書にも採用され、これぞ女性のあるべき姿として学校教育にも使われました。(小学校5年生用国語教科書)

妻が夫のために「へそくり」を差し出すなどという話は現代では通用しないことかもしれませんが、こんな逸話が教科書に登場するところがいかにも時代を感じさせます。

山内一豊の妻は「へそくり」を鏡厘(きょうこう:鏡箱)の中にかくしていたようですが、現代の妻(夫)たちは「へそくり」をどこにかくしているのでしょうか?

たまたまインターネットで栃木銀行のホームページを開いて見たら、へそくりに関する調査結果が載っていました。興味ある内容ですので、以下はそのホームページから引用させていただきました。(「とちぎのへそくり事情」より引用)
 

☆「へそくり」は「内緒で蓄えるお金」のことですが、そこには罪悪感は全くなく、むしろペーソスやユーモアを感じるものです。また「へそくり」は「いざとなった時の備え」であり、何かと気忙しい現代生活の「ゆとり」や「潤い」、「安心」でもあります。そんなイメージを持つ 「へそくり」ですが、人々は実際にはどのように工夫し、どのくらい蓄えているのでしょうか。

☆(質問)あなたは「へそくり」をしていますか?
 (回答)「へそくり」をしている割合:
     女性:20代(57.7%)、30代(58.3%)、40代(46.5%)、
50代(48.8%)、60代(22.2%)、70代(0%)
男性:20代(31.5%)、30代(23.3%)、40代(27.7%)、
50代(20.0%)、60代(33.3%)、70代(40.0%)

☆(質問)あなたは「へそくり」でいくら貯蓄していますか?
 (回答)十万円未満(53.7%)、十万円以上〜百万円未満(13.0%)、
     百万円以上(33.3)

☆(質問)「へそくり」の隠し場所はどこですか?
 (回答)157名の回答内訳:103名(通帳・口座)、21名(タンスドレッサー)、5名(財布、車の中)、4名(冷蔵庫、本の間)、3名(金庫、机、かばん)、
     2名(食器棚、台所、洋服の内ポケット)

☆(質問)「へそくり」の目的は?
 (回答)万一の出費に備えて(32.8%)、旅行・レジャー用(18.5)、趣味の用品代(13.0%)、洋服代(10.4%)、生活費のたし(5.8%)、特になし(5.5%)、飲食代(4.2%)、子どものもの(2.6%)、習い事(1.3%)、そのた(5.9%)

☆(質問)「へそくり」がばれたことがありますか?
 (回答)ある(12.5%)、ない(87.5%)

☆(質問)「へそくり」がばれた理由は?
 (回答)財布の中をみられた、口をすべらせた、小遣い以上に使ってしまった、しまい忘れた、自分から話してしまった、居ないとき家中を探された、車のルームミラーの隙間に入れておいたがミラーがこわれてばれた、提灯に隠しておいたがライトがあたって透けてみつかってしまった、新しい釣り具を買ったのでばれた、友達に貸したお金を返してもらうところをみられた、・・。                            河合 将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り言「 空港・ふたたび 」

空港は、まさしく空の玄関。出発と到着があるものの、そこには色々な人の、様々な旅立ちがある。在米時代、国内外の出張で明け暮れた頃の自分にとって、空港は単なる交通機関の地点に過ぎなかった。それでも今振り返れば、空港という場所に、忘れられない幾つかの想い出もある。雑貨屋268号「空港」にも書いたが、今でも空港へ行くと、中島みゆきの歌「ヘッドライト」の一節を口ずさむ、『♪〜旅はまだ終わらない〜♪』と。

先日、5月23日(火)成田空港へ行った。今まで私の右腕だった部下で国際結婚をしているKさんが、ご主人の母国ニュージーランドへ移住するための出発を見送りに行った。あれだけ利用していた成田空港だったが、今は1年半以上も利用せず、まして送迎の縁もない。今回、愛しい元部下Kさんの新たは旅立ちを喜ぶとはいえ、空港を訪ねる自分が、Kさんと供に仕事をしたこの5年間と彼女が居なくなるこれから、そして私がこの20年近く通過してきた成田空港での時々が、まるでセンチメンタルジャーニーの如く胸に押し寄せてくるのではないか、と少々不安でもあった。Kさんとは、別れではない、旅立ちなのだと自分に言い聞かせ、「泣くものか」と心に決めて出かけた。ついに、不思議なほど淡々とそして清々しく、彼女を見送ることができた。その理由は、自分自身の思いというよりは空港、その空間にあったと思う。彼女が旅立った第2ターミナルは、私がよく利用した第1ターミナルではなく、そこには自分の見慣れないもの、縁のない風景が多かったこともあるだろう。しかし何より、“空港”そのものが、以前とは随分変わっていたことが大きいと思う。

“空港”が変わったといえば、『成田が変わる、空港がかわる』をキャッチフレーズに、またまた変わるという。今年6月2日、南ウイング第5サテライト完成により、第1ターミナルがグランドオープンする。『日本を代表する表玄関として、“より快適に、より機能的に、より安全に、より楽しめる場所として、何よりもお客の満足を第一に”新しく生まれ変わる』(NAA Big Changeより)という。第1旅客ターミナルは広さ約44万平米、国内最大のターミナルとなるらしい。6月2日からは、航空会社の配置が変わり、第2ターミナルに28社、第1ターミナルの北ウイングに12社、南ウイングに21社が集結、提携する各航空会社が各ターミナルに集約され、また国内線施設の完備により、国内国際便への乗り継ぎも便利になるという。私が幼い頃、成田周辺の住民による空港建設反対運動が最盛期であった。あれから時代も世界も変わり、そして成田空港も変わり続けているのだと知った。旅をするということそのものが、変わってくるだろうなと思った。

ニュージーランドへ移住するKさんを見送ったように、かつては私も多くの人々に見送られ日本を旅立った。そして今、何故か東京に居る。あの頃の成田空港が今ではすっかり変わったように、私の生活も人生も変わった。いや変わり続けている。そういう意味では、旅はまだ終わらない。今日も空港では多くの人が行き交っているだろう。誰かが言った言葉を思い出す。「空港は色々な人の旅立ちの場所だから美しい。どんな人も何かのために旅立っていくんだ、いろんな形で」・・・こんど成田空港に行く時が楽しみだ。空港が楽しみなんじゃなく、その時、自分がどんな旅立ちをするのか、が楽しみなのだ。だから・・・『♪〜旅はまだ終わらない〜♪』っと呟く、さくらの独り言。

川柳 & コント(東京・成近)


( 川 柳 )

歯軋りがいつかいつかと言っている

所詮影武者 安物の髭鬘

頑張りもここまでだつた痩せ蛙

傷心の街で身に沁む国訛り

咲き切って流れに任す花筏

( ニュースやぶにらみ )

「平行線」
あまりにも曲がり過ぎているので −日中ガス田協議

「長期予報」
今年の夏は熱くなる −ポスト小泉

「四面楚歌」
宮内お前もか −ホリエモン

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

 若返りの海
               森田のりえ
 イスラエルへ到着したのは一月三一日の朝である。エルサレムで一泊しただけなのに、一週間もこの地にいるような気がした。短期間のうちに、われわれとは違う風習や文化をもつ国の不思議な話を聞き、珍しいものを見過ぎたせいだろう。
 二泊目の今夜は、イスラエルのリゾート地エン・ボケック泊まりだ。聖地旅行の一団を乗せたバスは、死海のほとりに沿った鉛色のアスファルト路を南下している。
 遅い午後の陽をうけた死海は、静まりかえっていた。小舟ひとつ浮かんでいない。対岸のヨルダン側はひっそりとして、人の住んでいそうな集落は肉眼では見えなかった。
 一方、ユダの荒野に眼をやれば、風化された褐色の山々は断層の肌岩をむきだしている。麓には灌木の塊が埃をかぶっていた。風に曝された丘の裾はひびわれ、刃物でえぐりとったような痕がある。
「あれはワジと呼ばれる水無川で、烈しい雨が降ると激流が走ります」
 と、ガイドが説明した。
 死海が干上がっている。地図を見た。死海は鯨の形に似ていると思った。鯨の尻尾の付け根にあたる部分が干上がり、対岸と地続きになりそうだ。ガイドの話では、水量が年々減少し、やがて死海はふたつの湖に分かれるのではないか。それを防ぐ対策として、地中海からパイプを敷き海水を注ぎ入れる案がでているという。
 ホテルのチェックインが夕方六時を過ぎていた。夕食を終え部屋に戻ると、外はすでに薄墨色に染まりはじめている。楽しみにしていた死海浮遊はあきらめた。ホテルには健康や美容に効果がある死海の泥を使ったエステティックサロンがあるという。ものは試しだ。ぜひ、やってみようと私は胸を躍らせた。ところが、閉店前だった。
「今すぐなら、受け付けます」
 受付嬢に値段を尋ねると、二五〇なんとかという。ドルだと思った。高い。旅の思い出に、まっ、いいか。一瞬迷った。が、私は財布の紐を締めた。私とは反対に連れの友は思い切りがよかった。
「わたし、試してみるわ」
 友は、その時のことをこんなふうに話してくれた。
「きれいな女性が、バケツ一杯のまっ真っ黒い泥を身体に塗ってくれるの、全裸によ。いくら相手が女性でも恥ずかしかったわよ。でも、わたしの羞恥心を取ろうする心遣いが分かるの、妙な気持ちよ。まっ黒になった自分を鏡に映すと、滑稽だったわ。三〇分後にぬるま湯で洗い流し、クリームで全身をマッサージしてくれるの、指の一本一本までよ。肌がすべっとして、心地よかったわ」
 一ドルが四、五シケルである。エステ料金を米ドルに換算すると約五五ドルだ。しまった、私もやればよかった。損をした気分だ。
 翌朝の出発は八時だ。ここにきて死海浮遊をしなければきた意味がない。私と友だち三人は、日の出を見ながらの浮遊を決めた。
 電話の音で目が覚めた。五時だ。服の下に水着を着込んだ四人は、薄闇の外へ出た。大型コンテナ・トラックが疲れたようなエンジン音を唸らせて、ホテルの坂道を登ってきた。早朝搬入だろう。私たち四人はすれ違うトラックを一列になってやり過ごし、ひたすら死海へと下りていった。
 岸辺に立った。ヨルダンの稜線が白みはじめ、しだいに赤みを帯びてくる。夜明けだ。
 ずいぶん前のこと、何かの雑誌に水着をきた人たちが本を読みながら水に浮いている写真が載っていた。あの時、自分が死海のほとりに立とうとは、考えてもいなかった。今、私は、そこに立っているーー。
 硫黄の匂いがした。匂いをたどっていくと、水際から温泉が湧き出ている。ガイドの説明によれば、死海は二五%の塩分を含むだけではなく、各種のミネラルを豊富に含む温泉のようなもので、古代から若返りの不思議な海として語り継がれてきたそうである。
 私はゴム草履を履いて、一歩、また一歩と死海へ入っていった。なま温い。水深が胴あたりにくると、ガイドに教えられたテクニックを思い出し、呼吸を整えた。体の力を抜き、ゆっくり膝を曲げ、両手で抱えた。ふわりと浮いた。静かに手を横にのばした。
「浮いた!」
 歓声を上げた。と、ゴム草履が脱げた。拾おうと思った瞬間、体のバランスが崩れ、お尻がひっくり返りポカッと浮いた。
 危ない! 溺れる。 
 頭を水につけない。水しぶきを上げない。絶対に死海の水は目に入れない。水を飲み込むと塩分で呼吸困難となり命を落とす。注意事項が頭のなかを駆けめぐった。必死になって両手両足をばたつかせた。と、足に引っかかるものがあった。底に足が着いたのだ。立てた。助かった、と思った。すると、目の前にゴム草履がぽかっと浮かんでいた。
 東の山から太陽がのぞいた。薄赤紫に染まったヨルダンの山並みが、水面にくっきりと姿を映している。あまりにも鮮やかな情景に私たちは言葉もなく、日の出を眺めていた。
               つづく

 

編集後記

ジャズの新しい出会いにちょっとワクワクしています。
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Zakkaya Weekly No.524

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com