weekly
 

No.484          Ryo Onishi               8/21/2005   

 weekly

 

河合さんの さくらの独り言 川柳 & コント 森田さんから ホームページ
成岡流お酒 雑貨屋のひとり言 LA観光スポット 編集後記 バックナンバー
 .
雑貨屋のひとり言

ムシキングというゲームが流行っているようです。昆虫のカードが高値で取引されているニュースや、カブトムシやクワガタといった人気のある昆虫の輸入量が数十万匹もあるというニュースが報道されています。カブトムシやクワガタは私も小さいころ昆虫採集であこがれた昆虫ですが、買うなんてことは考えたことはありません。昆虫を輸出している国はその昆虫を絶滅させてしまう可能性があるし、輸入している日本はそれらの外来種によって日本の昆虫の生態系が変わってしまう恐れがあります。珍品種のペット同様、一部の金儲けの人たちのために新たな問題が起こりつつあります。 (R.O.)

 ディスカバリー帰還

 日本人宇宙飛行士の野口聡一さん達が搭乗したスペースシャトル・ディスカバリーが当地ロサンゼルス時間の8月9日午前5時過ぎ、カリフォルニア州・エドワーズ空軍基地に無事帰還しました。
   
私達夫婦はその瞬間を見ようと当日朝、暗いうちから床を離れ、テレビの特別生放送を釘付けで見入っていました。予定より一日遅れ少々心配しましたが、見事な着地で感動しました。

今回は、気象条件の理由で最終的にはカリフォルニアのエドワーズ空軍基地への帰還でとなりました。

エドワーズ空軍基地は私達の住んでいるロサンゼルス郊外から直線距離で北へ70マイルほどのところです。

「ディスカバリー」着地の3分半ほど前、自宅でテレビを見ていた私たちは“sonic boom”(音の壁を越えるときの衝撃波)を感じました。“sonic boom” はこれまでもスペース・シャトルが何度かエドワーズ基地に着地したことがありましたが、その都度感じています。家の窓や壁がドドドド(というか、ガタガタ)という感じで振動します。

今回の「ディスカバリー」に野口さんが持参したものの中に、50年前に日本のロケット技術の先駆けとなった「ペンシル・ロケット」の実物もあったそうです。

 日本のロケット技術の父とも称された糸川英夫博士を中心に開発された「ペンシル・ロケット」はまさに鉛筆(ペンシル)程度の大きさで、それでも当時大きく報道されたのを私も良く覚えています。まさに隔世の感がします。

また、今回、野口さんは特に日本の子供たちへのメッセージとして「大きな夢は実現にまですごく時間がかかることがあります。このペンシル・ロケットも長い時間をかけて遂に宇宙まで来たわけですが、皆さんの夢も長い時間をかけて、いつか実現するように祈っています」と語っていました。忍耐・努力より短絡的発想に偏り、結果を急ぎすぎる現代っ子に対する含蓄ある最高のメッセージだったと思います。

野口さんの出身地の茅ヶ崎市(神奈川県)の知人からのメールによると、『野口さんの出身校の浜須賀中学ではたくさんの子供があつまり大喜びでした。ただ日本時間午後9時11分だったので皆大変でした。茅ヶ崎の服部市長もたいへん力をいれており茅ヶ崎はわいております。・・』とありました。

野口さんの活躍は私たち日本人にとって誇らしい限りです。彼は日本の将来を担う子供たちに計り知れない夢と勇気を与えてくれたと思います。

世界の大人たちもこれからは宇宙規模で地球のことを考えて欲しいですね。宇宙から国境のない青い地球を眺めながら国際会議をすれば、国境紛争や環境破壊を含む多くの問題など簡単に解決するかもしれません。さしあたって、目下休会中の“六ヶ国協議”を休会明けには会議場を北京から宇宙ステーションに変更し、宇宙から青い地球を眺めながら会議を再会出来たらきっと前向きで素晴らしい結論が出るのではないでしょうか。

私の当地ロサンゼルスでの知り合いに、現在U.C.L.A.(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の航空宇宙学科博士課程在学中で、同時に、将来の宇宙旅行に備え、NPO法人を作っている日本人の若者がいます。

彼の構想によると、彼らはこれから法人を設立し、数十年のうちに宇宙空間に宇宙ホテルを建設し、その中で人々は宇宙服を着ずに、普段着のまま快適な宇宙生活の実現を目指すのだそうです。

さらにその宇宙ホテルを地球上の国々のために国際宇宙会議場として提供し、各国の指導者達が、宇宙から美しい地球を眺めながら「本当に地球のことを考えた議論」ができるようにしたいとのことです。
 
今回の“六ヶ国協議”には間に合わないけれど、将来、宇宙で国際サミットや会議が行なわれる時代も決して遠い空想でも夢でもないようです。
                                             河合将介( skawai@earthlink.net

さくらの独り言素朴な質問

困難でやっかいな問題や課題に直面した時、その原因と思える人間や社会も、またはプロジェクトや企業経営も、大変複雑に見えて困惑してしまう。しかし、ちょっと視点や発想を変えてみると、案外単純なことに気がつくことが多く、それが問題や課題の解決への糸口やバネになる場合がある。それは、知識や経験の豊富な大人や専門家が、こどもや素人から素朴な質問を投げかけられた時などに多く体験することのひとつ。素朴な質問への応えや回答は、論理的科学的なことよりもむしろ、シンプルでかつ具体的、実践的なケースが多いため、説得力があり、人の心にも響く。素朴な質問に対するシンプルで具体的、実践的な回答、これこそ、ピンチをチャンスへと方向転換できる天の声かもしれない。

新幹線で名古屋や大阪へ出張する場合、往路では新聞とプロジェクト関係の資料に目を通し、復路では仕事以外の雑誌、通常は、文芸春秋とゴルフダイジェストを読んで過ごす。乗り物の中では寝ることができないという損な性質(たち)の苦肉の策だ。時に、早朝に乗り込む往路や疲労困憊の復路では、新幹線の揺れをゆりかご気分で熟睡している他の乗客を羨ましくも思う。しかし、この復路の“雑誌斜め読み”で開眼される自分の収穫を思うと、まるでロッキングチェアーに座って、素朴な質問・疑問への答えや情報を探索するこどもに似た喜びでページをめくる。8月17日、出張先の名古屋から新幹線に飛び乗るや否や、私は食い入るように読んだ「ゴルフダイジェスト合併号」(NO32/8月23・30日号)・・・『一番大切なことは何ですか?』。素朴な疑問に対する世界トップコーチの回答が、たかがゴルフ、されどゴルフと私をうならせてしまった。

私が注目したその記事は、「ゴルフで一番大切なことは何ですか?」の問いに対する世界トップコーチたちの7つの回答(コメント)だった。ここに要約してみる。
・ 「システマチックなスイング作りが一番大切だと思います」というデビット・レッドベターは、スイングが良くなれば自信がつき、この自信がゴルフでは実に重要だ。
・ エリック・シーガーは「日々の物事をポジティブに考えられるかどうかがカギだと思いますね」と答え、技術的に大差ないプレーヤーの勝敗の違いは、間違いなくメンタルタフネスの差であり、この精神的な強さは一朝一夕で培われるものではない。日々の物事をポジティブに考える習慣や失敗から学ぶ姿勢に地道に取り組む必要性を強調。
・ 「技術より身体を鍛えたほうがいいプレーヤー、実は以外に多いんです」というデビット・ウェランは、「プレーヤーは自分の長所をまず生かすのが一番」、技よりそのプレーヤーの体の特徴(長所)を鍛えることが安定したスイング作りの要素だと言っている。
・ ピーター・フィーは「正しい素振りを習得し、それを実際コースに出て実践することがゴルフ上達の唯一の方法だ。みなさん、素振りの効果をあまりにも過小評価していませんか?」と切り込んでいる。
・ また、ジョージ・ティールは、大切なことを一言でいうことはできないと前置きしながらも、「究極をいえば、いかに不安のない状態でボールに向き合えるかということに尽きる。究極的にはこれだ。メンタルというと脳の働きに注目するが、最近、心臓の鼓動が脳に与える影響の方が大きいことがわかってきた。心臓の鼓動を良好な状態に保つことが不安なくボールに向き合える。この心臓を鍛えることは重要な訓練だ」と展開している。
・ クレイグ・ハッチは、「ゴルフは有名なプロゴルファーでさえ、1ラウンドで完璧なショットは一打か二打あればいいほう。それほどにゴルフはミスのスポーツ。焦りがミスにつながる場合が多いのは、ミスをすると動作も呼吸も速くなり、頭は超スピードで物事を考え、また邪念も渦巻き、パニックに陥りスコアを崩す。技術も大切だが、それ以上に焦らない自分を作ることが大切。日ごろせっかちで、喋る速度や歩くのが速い人は、意識的にゆっくり物事に取り組む癖をつけることを勧め、常に“ゆっくりリズム”を
教え子たちに実践させています」という。
・ 「すべてにおいてゴルフはバランス。その一言につきるでしょう」とは、ペア・ニールソン&リン・マリオット。スイング、考え方、練習法、目標設定、心と体、左脳と右脳、心身共に充実した状態が、バランスがいいということ。そのためにも、普段からの訓練を積むこと、つまり日常生活でも常にポジティブに物事を考える癖をつけるべきだという。

足を骨折して味わった悔しさや不安への反動と回復への意欲が、私をゴルフ狂いにさせた。それは、何かを目標にした体の鍛錬が必要だったから。また、仕事における役割や責任の変化もさることながら、45歳という年齢の節目が求める自己変革への挑戦が、私をゴルフ狂いにさせた。それは、意識的に自分の癖や短所、例えば、ネガティブ思考、小心、自己嫌悪、せっかち、早歩き、短気、偏りなどを克服したいと望んだから。課題克服を信じ、ゴルフの打ちっぱなし練習へ独りモクモクと通うが、多くは意気消沈しきって帰宅する。すると、ああでもない、こうでもないと自問し、物理的・論理的に分析する。さらに、色々な思いが交差して、複雑な心境になる。答えはでない。そんな時これからは、素朴な質問をするようにしようと思う。「一番大切なことは何ですか?」と。素朴な質問、それは重要なKEYを引き出してくれるマジックワードかも、っと呟く、さくらの独り言。

川柳 & コント(東京・成近)


( 川 柳 )

盛衰を知るボタ山の数え唄

くたびれてきたのに神のまだ試練

負けるなと言う父の樹の節の数

堪忍袋 母の形見を握りしめ

あさってをくすぐってみる小さい夢


( ニュースやぶにらみ )

「東京も震度4」
中二階の被害が多かった −自民党

「刺客選考」
−ヨン様はどうだ
−彼は韓国人ですよ

「ホリエモン、ムネオダイチ も出馬」
人間のレースはすざまじい −ハルウララ

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

逆を順にかえた人

       ボブ・ウィーランドの場合
              
 もう二十センチ背が高ければ「あの人」とダンスをしてもバランスが取れるのに……。私の背丈では大木に蝉が止まっているようなものだ。あと二十センチと思った時、ボブのことが頭に浮かんできた。
 身長八十八センチになった身体で、両手に黒板消しのような物を握り、てこのよう
にして胴体を前へ放り出して進む。二年前、東京荒川河川敷で行われた「バリアフ
リー・タートルマラソン全国大会」に参加したボブの伴走をしたことを、私は思い出
したのである。
 ボブ・ウィーランド。大学在学中ピッチャーとしてメジャーリーグ入りが決まり契約寸前で徴兵令状が届き、ベトナム戦争の衛生兵として前線に配属された。友人を助けようと飛び出した時に地雷を踏み、両脚を吹き飛ばされてしまった。ボブは「僕は
身体障害者なんかじゃない。なんでも出来る普通の人間さ。ただ脚がなくなっただけ
なんだ」という。
 ボブの言葉が、単なる強がりでいっているのではないことが傍にいるとよく分かる。明るくて、ユーモア溢れる魅力的な男性だ。
 あの日、二年前の九月十五日。まだ薄暗い早朝四時、新宿京王プラザ・ホテルのロビーで荒川河川敷へ行くため迎えの車を待っていた。ボブとボブをタートルマラソンへ参加出来るように交渉した友人の真美子と私。
 五キロ種目に出場するボブは、一般の走行者より六時間も早くスタートした。通訳、カメラマン、水係、マッサージ係などと各々の役割を担った人たちが十人ばかり、ボブの歩調に合わせて歩きはじめた。敬虔なクリスチャンのボブは、十メートルあまり進むと「シュオホメヨ」と力強くいって、休む。心拍数を計る。時たまトランポリンに乗って筋肉の凝りをほぐす。着ていたシャツが瞬く間に汗びっしょりになった。予測しない出来事だ。完走するまでに何枚必要か不安になり、慌てて汗まみれのシャツを広げて自然乾燥させながら歩く。夜が明けた。河川敷で野球をする少年が自転車でやってくる。
「ノモ! スズキ!」
 アメリカで活躍している野茂選手やいちろう選手のことだが、英語の発音では何を
言っているのか分からず、少年たちは怪訝な顔で行過ぎる。早朝散歩の人たちに声をかけ、愛嬌をふりまくのはボブの方だ。目礼だけの人、素知らぬ顔の人、ただならぬ様子に「何をしているの?」と尋ねる人もいる。が、総じて日本人は無愛想だなという感じである。
 折り返し地点を過ぎたころから、一般の人たちがスタートを切った。ボブとすれ違
う。「ボブさん、ファイト」
 声援が飛ぶ。ハイタッチをして走りすぎる人。握手する人。腕で五キロ歩くということは正常の人の四十キロ歩くのに匹敵するそうだ。まさに亀の歩みだ。ゴール間際
のボブは疲労の極地にあった。私も足が痛くてしようがない。コンクリートの上を七時間もゆっくり歩くことは耐えがたい苦痛だった。それだけに、疲れてもユーモアを忘れず、我慢強いボブに感動さえ覚えていたのである。
「すし! 刺身!」
 ボブの声に、周囲からどっと笑いが起きる。
 ついにゴール。タイムは七時間二十一分。「ありがとう、ジャパン!」
 ボブが叫んだ。
「ヤッター」
 大歓声が上がった。
 私は、涙が溢れた。
 真美子もうるんだ目をして黙っていた。
「Can do !」
 やれば、出来る。とボブはいう。
「足がないのを理由に、あきらめることは絶対にしない。神の力があるかぎり、どんな困難でも乗り越えてみせる」
 不屈の精神で、ボブは腕で歩いて大陸横断を果たした。三年八ケ月もかかって。
 日本では毎年三万三千人の自殺者がいることを知らされたボブは「過去の失敗にとらわれて人生を諦めないで欲しい」という励ましのメッセージを携えて講演をして回った。
 訪日は奥さんと一緒だった。名はジャクリーン。背が驚くほど高い。それもそのはず、ファツションデザイナーでモデル、プロのダンサー、料理が好きでガーデニングが得意だという素敵な女性だ。人前に出たくないというジャクリーンと私は東京見物に出かけた。 屈託がなくて、底抜けに明るい。結婚するとき「普通の人よ。ただ脚がないだけ」といって母親を説き伏せたそうだ。
 二人はダンスが好きだったという。車椅子のボブとどのようにして踊ったのだろう。想像すると楽しくなってきた。
 私の背が二十センチ高かろうが低かろうが、問題ではない。人生において何が一番大切か、ボブに教えられたような気がする。勇気も貰った。なんと表面的なことにとらわれ無駄な神経を使って生きていることか。
 しかしである。
 もうちょっと背があったらダンスの好きな「あの人」と格好よく踊れるのにという思いを、私は拭い去ることはできない。それがいかにつまらないことであろうとも……。

      おわり    

  森田のりえ  noriem@JoiMail.com

 

 

 

編集後記

今日は雨模様の天気で陽がささなかったのでそれほど暑くない一日でした。しかし湿度が高くべたべたします。はやく秋になってくれー。
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.484

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              tenshu@zakkayanews.com