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No.450          Ryo Onishi               12/26/2004   

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雑貨屋のひとり言

クリスマスはいかがお過ごしでしたか?今年もあとわずかとなってきましたね。今年もあっという終わりという感じがします。読者の皆さん、そして執筆者のみなさん、今年もたいへんお世話になりました。今年最後の雑貨屋ニュースも執筆者の皆さんからの熱いメッセージによって、450号を発行させていただきます。私は25日から長ーい休みに入りました。(R.O.)

申(さる)が去る

一年前、日本の小泉首相は年末最後の「小泉内閣メルマガ」の中で、『申(さる)に、人という字をたすと「伸」になります。来年が、「ものごとが伸展し、発展していく年」になることを期待しています』と述べていました。あれから一年が過ぎようとしています。現実はどうだったでしょうか。日米の経済は良好の兆しを見せはじめてはいますが、世相は必ずしも進展とはゆかなかったようです。

日本では一年の世相を象徴する「今年の漢字」に「災」の字が選ばれたとのこと、そういえば今年の日本は台風、地震、集中豪雨などの天災に直撃され大きな被害を蒙りました。狂牛病、鳥インフルエンザ騒ぎは天災というより人災というべき「災」でした。さらに小学生児童による同級生殺害事件から多発するオレオレ詐欺(振り込め詐欺)、大企業での虚偽の決算報告、幹部社員の不祥事摘発まで、日本も世の中の常識・倫理が通用しない時代に入ってしまった感さえする一年だったと言えるのではないでしょうか。その上、イラク、北朝鮮問題など、日本にとっては内外多事多難、まさに「災」にみち、人間の無力感を味わった一年だったと言えそうです。
アテネ・オリンピックでの日本選手の大活躍やイチロー選手の大リーグ年間最多安打記録更新などの明るいニュースも「災」に打ち消されてしまった感がします。

米国の一極中心主義のもと、イラク情勢ほか世界は一向に戦時体制から開放される兆しは見えず、終焉なきテロとの戦いで相変わらずきな臭い雰囲気です。戦争は景気にプラスという説がありますが、戦争なしで明るい世の中は出来ないものなのでしょうか?

二〇〇四年は申(さる)年でした。これから酉(とり)年を迎えます。過去の「災」は“去る”ように願い、新しい年こそ世界中に幸せと平和・繁栄を“とり”込みたいものです。

ひるがえって、私自身の今年の漢字を考えてみましたら「観」という字になりました。今年も我々シニア夫婦は元気でロサンゼルス周辺の観光スポット取材ほか、各地へのドライブを楽しむことが出来ました。年間ドライブ距離は約一万五千マイルとなり、元気だからこその「観」であり、ありがたいことです。
                                                               河合将介( skawai@earthlink.net

さくらの独り言四十にして惑わず・・・

1977年頃、「迷い道」という歌が流行った。渡辺真知子の自作自演曲だ。三番まで続く各歌詞の最後に繰返される一節、「ひとつ曲がり角 ひとつ間違えて 迷い道くねくね」がうけた。最近、この一節を口ずさみながら、クネクネと歩いている。微々たる不安が迷いへと誘導し、それがひとつの間違いを生む。間違いが恐くて自信がなくなると、判断力が低下して不安と迷いが雪だるま式に大きくなり、悪循環に陥る。今、ゴルフの大スランプ、乱れ花である。なれば、負け惜しみで自己を激励している、「ゴルフで迷えど、人生に惑うことなかれ」と、年の暮れ。

ゴルフプレー中、「フォームが清楚で綺麗ですね」と言われた時期があり、「ドライバーが飛ぶね」と言われた時期もあり、そして「真っ直ぐ素直なボールですね、性格そのままですね」とよく言われたものだ。スコア−は良くないが決してズタズタでもなく、それなりにプレーを楽しめたし、上達のための明確な課題探求と改善への意欲もあった。それが突然、ひとつの小さなことが不安になって、恐くなった。その原因をあれこれと追求していくうち、何もかもが全く調和しなくなり、フォームは乱れ、ドライバーは当たらず、ボールは曲がりはじめた。そうなると、今まで気に留めなかったことさえも不安にまっしぐら、明るい性格がクネクネさえしてくる。ゴルフというのは全く厄介な遊びだと涙ぐみ、ゴルフなんて止めてしまいそうになる。そんな時、止めることの即決は正しい判断ではなく、むしろ迷いもがいている原因となる不安や恐怖を取り除くことの志向と実行をやってみようと自らを慰め、イメージトレーニングを開始した。これが間違った判断でないこと、そして必ず立ち直れることを望みながら。

ところで、「惑わず」と言えば中学生の頃国語の授業で学んだ論語の中に、孔子が述べたとされる名言がある。「吾15にして学を志す。30にして立つ。40にして惑わず。50にして天命を知る。60にして耳順う(従う)。70にして心の欲するところに従って、法を越えず。」この中の「惑わず」は、「迷い」の意味とは区別され、自信を持ち、正しい判断をすることだと学んだ。今、40歳の丁度半ばにさしかかり、自己アイディンティティ構築の強化も、仕事における役割の確立に対しても、この名言が心に響く。論語読みの論語知らずにならないようにと、自分を叱咤する。たかがゴルフが思い出させてくれたこの格言が、既に紀元前5世紀には述べられていたことを考えると、地球上の社会や生活がどんなに変化と遂げても、人の生きる課題というものの真髄は変わらないということだろう。

さて、ゴルフの大スランプの只中で迷える子羊なる私は、クリスマスをクルシミマスといいながら過ごした。そして2004年の終わりと2005年の始まりが近づくこの時に、「迷う」ゴルフと「惑わぬ」40代を連想している。今年は甲申の意味が示す様に、想像と創造を象徴する一年になるような予感がするとは、今年1月4日発行の雑貨屋399号で述べた。いいことも悪いことも沢山あったこの一年、だから幸せだったと言いたい。それは、迷ったことはあっても惑わなかった、そんな年輪を経ていると信じたいからだ。こんなことを連想させてくれるゴルフ、たかがゴルフされどゴルフ・・・と呟くさくらの独り言。
kukimi@ff.iij4u.or.jp

川柳 & コント(東京・成近)


( 川 柳 )

暮れの荷をつるべ落としの陽が急かす

一年の義理宅配で届けられ

子の寝顔パパがサンタとまだ知らず

今年最後の洒落とダルマに目を入れる

百八つ鐘撞いてなお人の業

( ニュースやぶにらみ )

「トラブルメーカー」
中国さんあなたの方こそ −李登輝

「本年回顧」
チョー気持ちいいが¥ュなくて災≠ェ多かった −国民

「行く年来る年」
災の年は去る(申) 幸せトリ(酉)年

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

連載  こんな身体で温泉旅行( 3 )
 
  コロラド・ホテル、一九00年創業、ビクトリア様式。一泊、八十ドル。今夜の宿である。八階建ての威風堂々としたホテルは、グレンウッド温泉を見下ろせる高台に建っていた。持ち重りのする年代物の鍵で、めったにお目にかかれぬ代物だった。部屋に入る。高めの天井に太目の配管パイプが三本むき出しで通っていた。寒々とした感じだ。窓枠は木製の二重窓である。今夜は羽毛フトンが活躍しそうだ。持ってきてよかった。
「行くぞ、温泉にはいるぞ ! ほら、見えるだろ、湯気がたっている。すごいなぁ」
 小躍りする夫に、少年の匂いがした。
 四日前にロサンゼルスの自宅を出て、最初に出会ったほんまもんの温泉である。五十メートルの温泉プールが二つ並んでいる。日本の温泉と違って水着着用だ。ちょうどいい湯加減だ。学校が終わったのか、子供たちが入ってきた。夕方になると温泉は老若男女の集う社交場のようになってきた。
 湯に浸かって文庫本を読んでいると、とぎれとぎれに日本語が聞こえた。耳を澄す。グレンウッド・スプリングの田舎町に日本人がいる。意外な思いに私と夫が声をたぐりよせていくと、三十代半ばのふたりずれの男であった。私は親しい友人に出会ったような懐かしさがこみあげてきた。
 近くの町でコンピュター関係の部品を作っている日本企業の進出工場へ技術指導にきている駐在員だという。こんな田舎では遊びにいく場所がないから、二時間ほど車を飛ばして温泉に入りにくる。日本からきた当時はなにもすることがなくて退屈しました。でもね、といって話をつづけたのは顎のはった顔の企業戦士だった。
「不思議なものですねぇ。だんだんと田舎暮らしが心地よくなりましたね。賑やかな都会生活より人間らしい生き方をしているような気がしてきましたよ。この辺りに住むアメリカ人と接していると、素朴な温もりを感じます。人生を愉しんでますよ、彼らは」
 それに比べ我々は、と下駄のような顔の男がいった。
「日本にいると、残業だとか付き合いで遅くまで酒を飲んで、家には寝るためだけに帰っている状態です。それでも、我々の生活がよくなればいいですよ。一生懸命に働いて、やっと家を一軒もつのが精一杯。家庭を犠牲にして、人目ばかりを気にし、いったい何のためか考えさせられます。おまけにリストラでしょ」
 細面の顔を上気させて聞いていたもうひとり企業戦士が、
「終身雇用もなくなったし、年金だって我々の年代にはどうなるか。……しかし、夫婦でドライブ旅行とは羨ましい。雪のロッキー山脈をながめながら、のんびりと温泉につかって悠々自適ですね」
 と、話の矛先を私たちに向けてきた。
「いやいや、朝から晩まで、ときには夜中まで仕事をしましたよ。ロサンゼルス港にやってくる日本船の船員相手に商売をしていましたから、原材料を積みに行く南米航路はオイル補給と食料の積み込みだけだから、停泊時間が短い。おまけに真夜中であろうと早朝であろうと入港しだいタラップを昇りました。タンカーは青空に抜け出るほどの長くて急なタラップをエッチラ、エッチラあがったものです。運がよかったのは、日本の高度経済成長期でしたから、海外に住む我々にもそのおこぼれに預かったということです」
 夫の話に私が横やりをいれた。
「英語もロクにしゃべれず、アメリカ人の社会で生きていけませんから、頑張らなきゃしかたがなかったのです。しかしこの国は、多様な価値観を受け入れる要素がととのっています。それが魅力でもあり、住みやすさなのでしょう。所詮、私たちはヤドカリですよ」
 小雪が降ってきた。かれこれ三時間以上も湯に入ったり出たりして話をしていた。
 身体の調子がいいといっていた夫が、夜中にベッドとトイレを往復しはじめたのである。                                  つづく

  森田のりえ  noriem@JoiMail.com

成岡流お酒の楽しみ方

 


編集後記

12月は何かと飲み会の多い月だったのではないでしょうか?先週、木曜日、ゴルフ仲間の忘年会がありました。とても和やかで、二次会まで、たいへん印象に残る愉快な忘年会でした。そして昨日はそんな仲間といっしょにゴルフを愉しみました。
いい締めくくりになりました。
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Zakkaya Weekly No.450

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              tenshu@zakkayanews.com