四年毎に行なわれる米国大統領選挙が二週間後に迫りました。投票日は11月2日(第一月曜日の次の日の火曜日)であり、その結果について世界中が注目しています。
米国は世界唯一の超大国であり、世界中に強い影響力を発揮する国であるわけですから、その国の大統領が誰であるかは地球上のすべての国にとって無関心ではいられない問題です。
☆ 今回の選挙に対する米国民の関心の高さ
10月4日には有権者登録が締め切られましたが、(米国の場合、日本と違って登録をした有権者だけが投票できるルールであり、すべての成人に対し自動的に投票資格が与えられるわけではありません)今回の選挙は、前回(2000年)の大統領選挙時に比べ国民の関心が高く、有権者登録の数はかなり多くなっているようです。
また、不在者投票も、9月末から既にスタートしていますが、前回選挙よりかなり多くなりそうだと報じられています。今年の大統領選挙に対する米国民の関心の高さをよく示していると言えましょう。
今回の大統領選挙の争点は、やはりイラク問題と対テロ戦争に絞られている感があります。批判があることを省みず、敢えて短絡化して言わせてもらえば、
(1)今は戦争中なのだから現職大統領(ブッシュ氏)にこのまま任せるべき。
(2) いや、ブッシュ大統領がやっていることはおかしい。辞めさせるべき。
のどちらを選択するかということではないでしょうか。
現職ブッシュ / チェイニー(共和党)対ケリー / エドワード(民主党)の論戦は熾烈を極めています。
☆ 米国大統領選挙のしくみ
米国の大統領は国民の直接選挙投票によって決まるといわれていますが、現実は少々違い、有権者は各州ごとに「選挙人」を投票で選び、選ばれた「選挙人」たちが大統領を選ぶ形式をとります。
したがって米国の大統領選挙は国民による直接投票選挙ではなく、厳密には間接選挙と言うことになります。
11月の本選挙では各州の選挙人数は、上院議員数100人、下院議員数435人、コロンビア特別区の3人を合計した538人です。
選挙では(一部の例外州を除き)州の得票で1位となった大統領候補がその州の選挙人を独占する仕組み(勝者独占方式、又は勝者総取り制という)で、大統領候補が州ごとに得た選挙人数の合計が過半数270(538の過半数)を超えれば、当選が確定します。
今回の場合、選挙人数が多い州の上位5位は次の通りです。
1.カリフォルニア州:55人
2.テキサス州34人
3.ニューヨーク州31人
4.フロリダ州27人
5.ペンシルバニア州 / イリノイ州21人
☆ 投票方式について(コンピューター投票機システムの増加)
前回2000年の大統領選挙では、フロリダ州などで、紙に穴を開ける「バタフライ方式」などの旧式の投票システムが、誰に投票したのか判読しがたい票をたくさん作ってしまった反省から、タッチスクリーン方式のコンピュータによる投票システムが注目を浴び、この方式での投票を実施する選挙区が増えているようです。米国では大統領選挙でもコンピュータ投票の時代になりつゝあるようです。
☆ 今年の大統領選挙の現状、勝敗の行方?
今回も全米国民が注目の大統領候補者による公開TV討論会が3回(副大統領候補者1回)行なわれ、あとは有権者がどのように判断し、どちらに投票するかにかかっているわけです。
イラク問題では本来のイラク進攻の大義名分であったイラク・フセイン政権による“大量破壊兵器の保有”が幻であったとの調査団の結論が米議会へ報告され、ブッシュ大統領は厳しい立場に追い込またとの見方が米国以外の国際社会ではあるようですが、この大統領選挙は、投票するのは世界の人々ではなく、米国民であるわけで、米国民がどのように判断するか微妙だと思います。
先週、私たちの仲間内10名の勉強会で予想しあいましたが、結果はケリー氏8票、ブッシュ氏2票でした。因みに私は少数派のブッシュ氏の当選を予想しました。
二週間後に迫った投票の結果が注目です。
河合将介(
skawai@earthlink.net )
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