Zakkaya Weekly No.408
Ryo Onishi                                      3/6/2004

雑貨屋のひとり言 さくらの独り言 川 柳 & コント バックナンバー
成岡流お酒の楽しみ方  河合さんの・・・ 森田さんの・・・ 健康のお話 雑貨屋ホーム

寒さが戻ってきました。先日までの暖かさで体がちょっと緩んでいたので寒さが応えます。でも陽が長くなってきているので春の気配を感じます。
プロ野球オープン戦が始まりました。今年はセリーグ、パリーグとも面白くなりそうです。サッカーのアテネオリンピック予選の熱い戦いもあり毎日スポーツ番組はにぎやかですね。(R.O.) but_up.gif (232 バイト)

 

あまり 知られていないL.A. 観光スポット(170)

今年の バルボア・パークお花見情報(2004年)

数日前まで寒く、また雨でうっとうしかったロサンゼルス地方ですが、“逃げ月”二月はまさに言葉通り逃げ去り、もう3月です。そして春は確実にやってきています。

日本の暦によると、今年は3月5日が「啓蟄(けいちつ)」で、冬眠していた虫もはい出て来るそうですが、ロサンゼルスの桜の“お花見”名所であるバルボア・パーク(Lake Balboa Park)では今年も桜の季節が近づいています。

私たち夫婦は3月4日(木)の午後、バルボア・パークへ今年の桜の下見に行って来ました。3千本を越える桜の木には早くもふくらみ始めた蕾が満載であり、一部の木では開花を始めていました。(添付写真はその時のものです)

ただし、全体としてはまだ二分咲き程度で、見頃は3月13日、20日の週末あたりでしょうか。

これからのお天気次第ですが、ロサンゼルス周辺にお住まいの皆さんはお見逃しないようお出かけ下さい。

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☆バルボア・パークと桜について:
ロサンゼルスのフリーウエイ、#405と#101の交差する北西一帯は、“Lake Balboa Recreation Area”または、“Sepulveda Dam Recreation Area”と呼ばれ、3つのゴルフコース、スポーツセンターその他があり、EncinoはじめSan Fernando周辺地域の人々にとってリクリエーションの場となっています。

その中の一角にある湖が“Lake Balboa”で、周囲を広く青々とした草地に囲まれた憩いと語らいの場所です。

湖の周囲には3,400本の桜の木が植えられ、季節になると見事に開花し、訪れる人々を楽しませてくれます。

 これらの桜は匿名の日本企業の寄付によるもので、1990年に計画が持ち上がり、1992年に最初の苗木が植えられました。
 
桜を寄贈した日本企業の責任者の話によると、桜の花にとって必要なことは、暖かな春だけではなく、寒い冬、良い水はけ、病害虫が無い・・など、数多くの条件が満たされなければならず、当地ロサンゼルスのような、いわゆる “地中海性気候”では1ヶ所に大量の桜を育て、開花させるのは不可能とされていました。また育ったとしても葉桜になってしまうのだそうです。

そのため、関係者が数年をかけてロサンゼルスにも適する桜を開発し、“Pink Cloud”という品種にまで辿りつき、それがこの場所に植えられたのだそうです。樹木自体はまだ若く、ほとんどの木が15〜20フィート位ですが、これからの成長が楽しみです。

 沢山の水鳥が戯れる湖と広く明るい湖畔は、桜の季節以外でも充分素晴らしい環境です。“貸ペダル・ボート”に乗ったり、湖畔でバーベキュー・ピクニックをしたり、遊園施設で楽しんだり、一人でも、二人でも、家族全員でも楽しむことが出来る、思いきり明るいところです。(但し、アルコール類は持ち込み禁止です)

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● 開園時間:日の出から日没まで(毎日)
● 入園料 :無 料
  貸ペダル・ボート料:一 般 者 $10(1時間)、$7(30分)
   65歳以上 $ 7(1時間)、$5(30分)

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行き方は次の通り(Torrance方面よりの場合)
(1)FWY #405を北へ。 FWY #10を通り越し、FWY #101(West、Ventura方面)へ入る。
(2)FWY #101(West)へ入って2つ目の出口、Balboa Blvd. で降りる。
(3)Balboa Blvd. へ降りたら右折(北へ)、すぐのBurbank Blvd.を横切りそのまま北上、   約1マイル進むと右側に“Authony C. Beilenson Park、Lake Balboa Recreation     Area” という看板があり、そこを右折、中へ入る。間もなくLake Balboa湖畔に出る。
(4)全行程 ;(Torrance方面からの場合)約30マイル、ドライブ約1時間。 


河合将介(skawai@earthlink.netbut_up.gif (232 バイト)

 

さくらの独り言「梅雑感

先日、「春の青梅路を往く」と題するキャプション付き写真数点を受信した。私のゴルフ師匠ことN氏からだった。この梅の便りに、足の回復進度を超える激務に追われた自分が気づかなかった季の節、春のかほりを知らされた。まさに「梅暦(うめごよみ)」である。私は「さくら」。その「さくら」が「うめ」について考えるのも一興。「頃しも春の梅暦」が忙中閑のひと時を風流へといざなう。なごり雪舞う東京で、桃の節句に梅を想うさくらもつぼみの今日頃である。

「梅はバラ科の落葉高木。中国原産。古く日本に入り、観賞用の花梅、果実用の実梅(みうめ)があり、花は早春、葉に先立って開き、白色、淡紅色の五弁または重弁で芳香ただよう」と大辞林にある。ついでに、その種類を調べてみると、野梅(やばい)系は原種の野梅が変化したもので早咲きが多く、香り豊か、花色は白、淡紅色、紅など。紅梅系は野梅系が変化したもので枝の断面が赤い。豊後系というのもある。樹勢があり、この系統の中にはアンズやモモの交配種も含まれる。ちなみに、前述の「春の青梅路を往く」の送り主R.N氏も豊後(大分県)産、高齢者であるにもかかわらず樹輪の勢著しい。最近、二度目のホール イン ワンを達成したという。師の樹勢に負けずと私のゴルフ熱も色あせてはおらず、再開も“春遠からじ”と微笑んでみる。

さて、万葉の頃から愛された梅は、その名も優雅なものばかり。道知辺(ミチシルベ)、
春日野(カスガノ)、暁枝垂(アカツキシダレ)、浮牡丹(ウキボタン)、御所紅(ゴショベイ)、光輝(コウキ)、楊貴妃(ヨウキヒ)、蝶の羽重(チョウノハガサネ)、幾夜寝覚(イクヨネザメ)、紅千鳥(ベニチドリ)などなど。これらの愛称は、いずれも日本人の梅に寄せる深い想いと王朝文学の世界に誘われるような、高貴で雅(みやび)な趣が感じられる。「春の青梅路を往く」に紹介されている「吉野梅郷」の中心地「梅の公園」は、山の傾斜を利用した約4ヘクタールの広大な敷地に120種の梅1500本が植えられている関東有数の梅観光スポット。それはそれなりに壮観だが、なんとも私の目をとらえたのは、旧吉川邸(吉川英治記念館)の裏庭の古木にひっそりと咲く白梅だ。「来る人に 語りかけなる 野梅かな」・・・「大衆即大知識」「吾以外皆我師」を座右の銘とし、大衆の幸福を追求し続けた文豪・吉川英治は、隠れた名俳諧師でもあった。

「吉川英治記念館」のさほど遠くない所に、「川合玉堂美術館」がある。ちょうど2年前の5月、この雑貨屋主筆河合氏の帰国時に、同雑貨屋川柳でおなじみの河合成近氏、兄貴分こと中條氏、前述の「春の青梅路を往く」送信者R.N氏と私の5人で、奥多摩ドライブをした際も同美術館を参観した。山水草木、静かに、あるいは活き活きと息づき、生きとし生けるものの営みを愛情深く描き続けた玉堂画伯と吉川英治の作風は、自然の音韻を感じさせ、天地人の調和・響という点で共通している。昭和19年ごろから約10年間、青梅の隣人同士だった二人が共に響き合い、文通し合ったというのも頷ける。「春の青梅路を往く」がいざなってくれた梅雑感、パソコン脇の「いいちこ」(豊後焼酎)のお湯割りに浮かぶ梅を眺めながら、そしてまた時折喉を潤しながら、桃の節句を楽しんでいる。『花もよし、実も更なる梅の味』っと、にわか俳人気取りの、さくらの独り言・・・
kukimi@ff.iij4u.or.jpbut_up.gif (232 バイト)

 

川 柳 & コント(東京・成近)

( 川 柳 )

生き残り策がしている毛繕い

一本の葦も必死の水面下

乱気流 洞ヶ峠も雨になる

ライバルに気付かれていた舌下錠

出世魚華麗に雑魚の群れを抜け

( ニュースやぶにらみ )

「民主党候補はケリー氏」
学歴、秘書給与のごまかしはないでしょうね
                  −日本の民主党

「裏金疑惑発覚」
北海道警もドジをふんだな −佐藤観樹議員

「イラクに鶏に」
昔は災害復旧だけだったのに  −自衛隊

(東京・成近) E-mail nakawai@adachi.ne.jpbut_up.gif (232 バイト)
http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

桃太郎奥さん

「熊本県の人吉です。田舎だから、ご存知ないでしょうねぇ。でも、西郷隆盛が『西
南の役』で本陣をかまえたところです。もっとわかり易いのは『五木の子守唄』で知
られる五木村は人吉市から北のほうにある村ですよ」
 二月のある会合で隣り合わせた女性に出身地を尋ねると、こういった。
「知っていますよ。行ったことがありますから」
 もっとも、人吉市は車で通り抜けただけですが、と私は答えた。

 義母の介護でロサンゼルスと夫の実家である兵庫を行ったり来たりしていたころだ
から、8年も前である。日本へ行く一ヶ月ほど前、熊本県の多良木町に住んでいる後
藤氏から手紙がきた。後藤氏は、農林省に努めていた夫の父親の同僚だった。政府留
学生としてアメリカで勉学を終えた後藤氏に、夫は若い頃、あれこれと助言しても
らったという。手紙の最後に……ぜひ我が家へお泊り下さい。古い家ですが……と、
結ばれていた。
 夫と私は、老人保健施設のショートスティに義母を預け、軽四輪車で後藤氏を訪ね
た。
 人吉ICで高速道路を下り、人吉市から東に向かって走った。どんどん走っている
と、人家がなくなった。行き交うもない。行過ぎたのか。田舎の一本道だから、間違
うはずがない。思案にくれていると、農機具を積んだ小型トラックが走ってきた。こ
れを逃したら後はない。必死で手をふって、行き先の住所を見せた。
「こん道はちごっちをって、おいがつれっいっておげもんで、おまはん、ついてお
じゃはんか」
 トラックの後をついていくこと30分。後藤氏の家は田んぼの中の一軒家だった。
 昔、豪農だったそうで、家の造りが面白い。日常使う台所や浴室、便所などは増改
築されていたけれども、殿様が泊まったという部屋があり、いざという時の隠れ通路
まである。忍者屋敷のようで、私は楽しくなった。母親と夫婦だけの三人には広すぎ
るけれど、夏には孫たちがくるから賑やかになると、後藤氏はうれしそうだった。
「都会で育つ子供たちは、自然と交わる機会が少ないので、楽しみにしてやってきま
す。私は、孫たちがくると山へ連れていき木登りをさせます。木登りは、身体でいろ
んなことを覚え、考えます。そして、誉めてやります。誉めることは自信につながり
ますからね」
 後藤氏は毎日一時間の散歩を欠かさず、鉄棒にもぶら下がる。陶芸教室へ通い、い
まは鳥の燻製を試作中だとか。来年はオーストラリヤへ行ってダチョウの飼育場を見
学したいので、領事館に問い合わせている。後藤氏の専門は家禽である。
 まだまだありますよ、と後藤氏は抱負を語ってくれた。
 人吉盆地の灌漑用水溝はわずかな勾配がある。これを所々堰き止めて水車を回せ
ば、家庭用電力は賄えるのではないか。広い敷地を案内しながら「ここにグリーンハ
ウスを建ててランやパバイヤなどを育ててもようかと思っています」と、後藤氏は笑
いながら、不自由な左手をかばうようにして、こうつけくわえた。
「あれこれ考えては人に話し、しなければならないように自分を追い込んでいます」
 後藤氏は数年前、外人研修生に講義をしている最中、チクリッとした痛みを頭に感
じた。つぎの瞬間、なにを話していいのかわからなくなり、その場にへたへたと崩れ
るように倒れ、そのまま意識が薄れていった。
 脳内出血の発作だった。
 3ヶ月入院したが、左半身に麻痺が残った。しかし、左で幸いだった。右手で書く
ことも食事もでき、話もできる。ついこの間、夫婦でアメリカやイギリスにいる旧友
を訪ね、20日間のスイス旅行を自分たちで計画し行ってきた。
「それで、生きていく自信がもてました」と。
 私は、後藤氏と89歳のご母堂を支えている物静かだが、リスのように動く奥さん
を「桃太郎奥さん」と、密かに名づけたのであった。
 旅の風景は、誰かが介在することによって忘れ得ぬ地となるのであろう。
 森田のりえ(moritacn@earthlink.net)

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日曜日からデトロイトに行くので、今週は執筆者の皆さんにお願いして早めに原稿をいただき、一日早く発行させていただきました。久しぶりに河合さんのLA観光スポットが掲載されました。
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.ne.jp/asahi/zakkaya/weekly/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.408

雑貨屋 店主 大西良衛  but_up.gif (232 バイト) zakkaya@news.email.ne.jp