Zakkaya Weekly No.390
Ryo Onishi                                      11/2/2003

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久しぶりに東京に行く機会があったのでさくらさん、中條さんたちに会いました。
ロスの時に知り合った仲間は、とても気楽に話ができます。飲んでる途中、中條さんとタクシーでゴルフクラブを買いに行くというハプニングもあったりしてとても楽しい時間を過ごせました。さくらさん、中條さんそして初めてお会いした吉見さん、佐藤さんありがとうございました。(
R.O.)

第 43 回 総 選 挙

日本では衆議院解散を受け、第43回総選挙が10月28日公示され、12日間の選挙戦が始まりました。今回の選挙は少数激戦の様相とか、日本の皆さんの関心はいかがでしょうか。

 今回から各党が具体的な政策を競うマニフェスト(政権公約)も発表しているようで、これまでの選挙に較べて多少なりとも公約が具体的になり、達成日程も明示されるようになっているのではないでしょうか。

日本の皆さんは、私たちのような海外に長期滞在している日本人の選挙投票権行使はどうなっているかご存知でしょうか? 実は5年前まで、私たちは投票に参加すらできませんでした。

海外で暮らす日本人に対し、祖国日本の国政選挙への投票制度がないのは、日本国憲法で保証された権利に反するものであり、海外在住日本人に対する重要な人権の侵害と言えましょう。

この不備を正し、我々も一票を投じたいという想いで、今から10年前の1993年12月に当地ロスアンゼルスの私達は「在外投票制度の実現」を求め、ロサンゼルス在住日本人の重鎮である高瀬隼彦氏、若尾龍彦氏などを中心に運動をスタートさせました。

私達の始めた運動も当初は目立たないものでしたが、その年の総選挙で細川政権が誕生し、旧来の55年体制が崩壊した結果、「政治改革と民主化の気運」の高まりと合致するタイミングの良さとも重なり、また、世界各地の日本人の共感も得、お互いに連携を取り合ってグローバルなネットワークによる組織的な運動にまで発展しました。

そもそも選挙権とは民主主義の根幹をなす国民の "基本的権利" であり、また、選挙への投票行為は国民の "義務" でもあるものです。

戦後半世紀以上を経過し、日本の経済は目覚ましい発展を遂げ、多くの企業や人々が海外へ出かけるようになりました。外務省の統計によると現在海外に住む日本人は約70万人と言われています。しかし、実際には100万人以上は確実だといわれています。こんなに多くの日本人が海外に在留し、日本の国際化の最前線として活躍しているのです。

そして、これら海外在留日本人は日本の政治や政府の対応により、日々のビジネスや生活に直接・間接に影響を受けているのです。

そのため、海外に滞在する私達は、日本に住んでいた時以上に日本の情勢に気を配ばらざるを得ず、固唾を呑みながら祖国日本の動静に一喜一憂しています。また、海外に居ると日本がより客観的に見えることも確かであり、外国から見た日本、外国人が感じている日本を祖国に伝える役割も私達在留邦人は担っている訳で、海外からの投票はそのための重要な手段ともなる筈です。

この在外投票制度について、世界各国の現状を調べて見ても、世界ではいまや常識になっています。

このような現状をふまえ、私達は日本国憲法で認められている参政権が公職選挙法の規定により実現されていない不備の是正を求め、現地日系社会での署名運動、日本政府・国会への請願、日弁連(日本弁護士連合会)への人権侵害の申し立て、更に東京地方裁判所への違憲訴訟まで、有効と考えられる、あらゆる手段で訴え続けました。

その結果、遂に日本の国会も重い腰をあげ、1997年に入って在外日本人の投票を規定した「公職選挙法改正案」が国会に提出され、何度かの修正を経て、1998年4月、衆・参両院にて法案が可決成立しました。ただし、成立したこの法律は在外投票のうち投票に参加できるのは衆参両院の比例代表区のみの限定投票の実現であり、選挙区選挙や地方区選挙の投票はできず、日本にいる日本人とはまだ差別があり、私達にとって満足なものではありません。

とは言うものの、私達の草の根運動が日本の法律を変えたのですから大変な成果と言えましょう。

今回の在外日本人投票制度実現に関して総括する時、陰の功労者として「インターネットの力」があげられると思います。世界各地とのネットワーク、緊密な連携、情報交換などは電話やファックスでは到底不可能だったでしょう。

国会議員への陳情、その返事、どの議員がどういう態度を取っているか、自治省や外務省の動向など、海外にいながらホットで詳しい情報を得ることも出来ました。

今回の総選挙にあたって、私は早々と投票用紙を受領し、記入の上、公示日の翌日(10月29日)には、海外投票として本籍地のある選挙管理委員会へ郵送し、日本国民としての権利を行使し、義務を果たしました。“たかが一票”ですが、重い一票だと思っています。 

日本の皆さんも、海外在住の皆さんも、日本国民である以上、私たちの未来のために必ず『清き一票』を投じましょう。 
河合将介(skawai@earthlink.netbut_up.gif (232 バイト)

 

さくらの独り言 「引き潮」

早朝から続いた長い会議を終え席に戻り、ふと外を臨む。ガラス張り30階から東京を一望する午後のひと時。朝「頭を雲の上に出していた富士山」は、 正午の針の重なりと時を同じくして、霞の向こうに姿を隠した。スピードを落としながらまたは上げながら、ビルの合間を這うように出たり入ったりする新幹線のうねりが、まるで都会の潮の満ち引きに見える。鉄の塊なる列車なのに、すれ違うそのレールの曲に沿って 肩を寄り添っているのが、なんとも滑稽だ。そして、線路下から四方八方に広がる横断歩道には、大小の歩調歩幅で歩き散る人の足とその影が交差する。人は、電車に乗ったり降りたりしながら 旅を続けているのだと思う。そして電車には終電があるように、人の旅では様々な「引き際」の時があるのだと思いめぐらしている。

スポーツ界、財界、政界、教育界というあらゆる世界で、「引退」が話題になっている。惜しまれる引退があり、強制される引退があり、輝かしい引退があり、はたまた見苦しい引退があり、様々だ。たやすく批判批難できる無責任な第三者の私にとってそれは、まるで潮の満ち引きの様なもの。しかし当事者にとっては、それなりのプロセスや拘りや理由があり、また多くの場合そこには、本人だけの知る事実と真実のギャップが存在する。そのギャップにその人がどう向い合うかで、引退の模様が違うのではないだろうか。ただし、どんな引退の様かも重要だが、引退が終わりではなく始まりだということを、当事者も無責任な第三者も知ることが大切だ。いいかえればそれは、引退の有り方を問うばかりでなく、むしろその後に期待・希望する(できる)引退者や周りの意識・生き様に視点をおくことだ。その視点への転換は、引潮がまた満ちるように、時にかなった業となるからだ。

「引き際」や「引退」の潔さで有名な一人に、今は亡き本田宗一郎氏が居る。本田技研工業の創立者である。戦後の焼け跡となった浜松に町工場(こうば)を建ててスタートした技術者であり開拓者である。その経営を支えたパートナー藤沢氏とのサラリとした同時引退は今も語り継がれている。当時副社長だった藤沢氏が社長の本田宗一郎に、この引退話を持ち出した裏話は有名だ。本田氏65歳、藤沢氏61歳。世間ではまだまだ現役で通用する年齢だったことに加えお互いに息子は会社に入れず、後継者は本田技研が町工場時代に大学卒第一号で入社した生え抜き、河島喜好氏45歳だったこともあって、「さわやかなバトンタッチ」とマスコミは賛辞を送った。引退が決まった後のある会合で、本田氏は藤沢氏に言った。「まあまあだな。」「そうまあまあさ。」と藤沢氏。「幸せだったな」「本当に幸せでした。心からお礼を言います」「おれも礼を言うよ。良い人生だったな」。これで引退の話は終わった。そして引退後の彼らは今までとは違う場所で、立場で、力で、「夢」を形にし、この世を引退した。仕事でも生き様でも、素晴らしい業を創出した技術者・経営者だと思う。

「現役のままでこの世を去る」ことや「現役で居続ける」ということは、ある意味プロフェッショナルとして大切なことかもしれない。しかしまた、流れる時と共に変化する世界の明日を思う時、誰かのためにではなく自分のために引退を決意することも必要だ。どの業界に生きようが、自分の「引き際」と「引き様」を知っていることは、まさに人生のプロフェッショナルだと思う。引退は自分にとっても周囲にとっても終わりではないと、私は信じているからだ。それは引いた潮が必ず満ちる様に・・・と呟くさくらの独り言。

sakuratsubomi@earthlink.netbut_up.gif (232 バイト)

 

川 柳 & コント(東京・成近)

( 川 柳 )

柿八年待てぬ肥料が木を枯らし

八方美人さて軸足の置き所

八人目の敵に背後を狙われる

八起き目を破れ太鼓に励まされ

八木節の樽に年季を滲ませる

( ニュースやぶにらみ )

「全山燃ゆ」
紅葉とは羨ましい −カルホルニヤの山火事

「スポーツの秋」
選挙運動真っ盛り  −日本列島

「マニフェスト」 
当選確実です  −流行語大賞

(東京・成近) E-mail nakawai@adachi.ne.jpbut_up.gif (232 バイト)
http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm


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Zakkaya Weekly No.390

雑貨屋 店主 大西良衛  gp-bmail.gif (1852 バイト) zakkaya@news.email.ne.jp

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