Zakkaya Weekly No.372
Ryo Onishi                                     
6/29/2003

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この週末は、部屋の模様替えをするために、まず片付けをしようということになりました。もう何度も同じことの繰り返しをやっていますがいっこうに片付きません。思い切って捨てるしかないのですが、日本はゴミを捨てるのにもお金がかかるし、アメリカのように寄付するところもないので困ってしまいます。こんなものアメリカから持って帰ってくるんじゃなかったなあとワイフと話しながら少しずつ整理しているところです。(R.O.)

日 本 訪 問 記 (その3)日本よいとこ

私は5年半前にロサンゼルスで企業から引退し、そのまま妻と二人で海外に住んでいますが、毎年5月中旬から約3週間は日本へ行くことにしています。

毎年この時期に日本へ行く特別の理由はありませんが、強いて云えば、日本は5月の連休明けから6月の梅雨入りまでの間が気候も穏やかで、山野の新緑もみずみずしく、私の最も好きな日本だからです。

それに、毎年同じ時期に訪問することに決めておけば、日本サイドの兄姉、友人、仲間たちも私のために予定をたてておいてもらえます。

今年は私が中学校を卒業して満50年目です。中学校時代の同級生達も集まってくれました。10代だった幼ななじみたちも当時の面影を残して昔話に花を咲かせ、うち5人とは那須温泉へ一泊旅行もしてきました。

更に大学時代のゼミ仲間とも学生気分で飲んで語り、さらに一日、母校の大学を訪れ若い学生達との交流もありました。

また、日本の現・近代史に特に興味を持つ私のために、別々の友人がそれぞれ一日、時間を割いてくれました。

最初は5月下旬の週末で、川越市と日高市(どちらも埼玉県)方面へのドライブでした。川越市は歴史と蔵の町と云われ、同時に小江戸とも呼ばれているところです。江戸下町の面影が残る歴史保存地域であり、私も一度訪れてみたかったところでした。

数多い歴史的建造物の中には「国宝、川越大師・喜多院」があり、ここも訪ねました。「徳川家光誕生の間」や「春日局化粧の間」をはじめ、五百羅漢石像群など多くの歴史的文化財で有名なところです。また、歴史の謎を秘める高麗神社(日高市)も興味の尽きないところでした。

日本滞在最後の日(6月8日)は、別の友人と小田急ロマンスカーと江ノ電を乗り継ぎ、江ノ島・鎌倉を散策する旅に出、湘南の春を満喫しました。

中でも「江ノ電・由比ガ浜駅」近くにある「鎌倉文学館」訪問は、私の日本滞在の締めくくりにふさわしい感動の時を与えてくれました。

旧前田公爵家の鎌倉別邸であり、三島由紀夫の小説にも登場する建物には、明治・大正・昭和の文壇で活躍した鎌倉ゆかりの文学者の著書・直筆原稿・愛用品など貴重な資料が数多く展示されており、目を見張るとはこのことでした。

芥川龍之介、夏目漱石、泉鏡花、島崎藤村、志賀直哉、与謝野晶子、川端康成、大仏次郎、久米正雄、高見順、・・名前を挙げていたらきりがありません。さすが鎌倉です。

また、特別展示室では「小津安次郎、生誕100年特別展」が開催されていました。

小津映画に関する資料や台本などに加え、原節子、久我美子、淡島千景、杉村春子、香川京子、岸恵子、山村聡、笠智衆、池部良などといった往年の名優の写真やポスターも展示され、私を数10年前の若き日まで引き戻してくれました。これら展示に出会えた幸せを感じつつ「鎌倉文学館」を後にしました。

私は普段、日本を離れ、ロサンゼルス郊外という海外に住んでいますが、私にとって年一度の日本訪問は「日本の良さ」を再認識する機会でもあります。「海外にいるからこそ、日本の良さがわかる」ことも、海外滞在者の特権といえるでしょう。

『日本は本当に良いところ』 ―― これが今回、私の日本行きから得たうれしい結論でした。   河合将介( skawai@earthlink.netbut_up.gif (232 バイト)

さくらの独り言 おにぎり

小雨の中、近所の小学校で運動会が開催された。都会の小学校に珍しく、町内運動会並の賑わいだ。空に響く号令や歓声や行進曲や遊戯曲が、湿った空気に活気を齎ように私の窓へ届く。静まった時を不思議に思い、時計を見る。お弁当タイム。その時私は、遠き昔の運動会へワープする。母が創ったお弁当を回想し、特に「おにぎり」に想いをはせる。

5段のお重にどっさりと詰められた母ご自慢のお弁当、「運動会おかず」と「おにぎり」だ。運動会が近づくと一通りのメニューに加え、「他に何が食べたい?」と決まって母は訊ねてくれた、初秋の頃だ。メインは、ご近所や親戚も楽しめるおかずがどっさり、しかしまた運動会主役であるこどもの意向・希望・好みも生かされたものだった。そして何よりも、重箱の隅々までに「母の想い」が詰まっていた。私の頃の運動会は、こどもを持つ家族だけでなく親戚や町やご近所の、大きくて大切なイベントだった。お弁当の時間になると、運動場のテント下に集まったそれぞれの家族や親戚や知り合いが、地区別に振り分けられた教室の、その床に広げられた家族別のお弁当に輪を描くのであった。運動場からその輪に駆けつけるや否や最初に手を伸ばすのは、「おにぎり」、真っ白いご飯の三角「おにぎり」だった。中身は何もない。程よい塩加減と真っ白いお米に巻かれた焼き海苔の風味。シンプルだか、この3S(白・塩・潮)調和が絶品であり、それがおかずの味を引き立て、食欲をそそる。う〜ん、これこそが「おにぎり」と、舌鼓を打った。

「おにぎり」の紀元は平安時代だと聞かされていた。しかし、実は、なんと弥生時代に遡る。日本最古の「おにぎり」は、石川県杉谷茶野畑遺跡で発見された弥生時代中期のものと推定される「化石」だといい(文芸春秋:P59食/this weekより)、もち米を蒸してにぎったものが原形だという。平安時代には兵士の食事として用いられ、その形が鳥の卵に似ていることから「鳥の子」ともよばれた。これがおにぎりの起源だと一般的には言われている「屯食(とんじき)」である。現在私たちの生活では、「おにぎり」を「おむすび」ともいう。言語学的には同義語であり、江戸時代の上流階級の女性が「おにぎり」を優しく丁寧に表現する「女性ことば」として、「おむすび」誕生させた。コンビニの「おにぎり」充実や「おにぎり」専門店が注目されるこんにちだが、「おにぎり」は「母親」のものが世界一と信じてやまないさくらである。ちなみに商品としての「おにぎり」第一号は、1885(明治18)年、東北本線宇都宮駅で販売された梅干入りにゴマをふったものだったそうだ。

先日我家(佃)を訪問してくれるという友人からの食べたいものリクエストは、なんと「おにぎり」だった。私は「難題だ!」と即答した。なぜなら「おにぎり」は「母の味」のひとつで、母という人は皆「おにぎり」が上手。でも“母親”になったことのない私の「おにぎり」は、どうもいまいちだと自認しているからだ。昨日、熊本福岡間を電車にのった際、姉が作った「おにぎり」を食べた。3人のこどもの母である姉の「おにぎり」は、形も味もプロ母の業だ。でもやっぱり私にとっては、母の「おにぎり」にはかなわない。なによりも、潮と塩加減が違う。きっと同じ事(姉のおにぎりの方が、おばあちゃんのそれよりはおいしい)を姉のこどもたちも信じていることだろう。さてそろろろ、アマさくらの「おにぎり」を持って、隅田川散歩にでかけることにしよう、と、週末の夕刻を楽しむさくらの独り言。

sakuratsubomi@earthlink.netbut_up.gif (232 バイト)

川 柳 & コント(東京・成近)


( 川 柳 )


遺伝子操作 危惧を宿した実が熟れる

詐欺商法種のない実が熟れている

マニュアルにそっぽを向いた馬鹿力

錯覚の雑魚がしている腕まくり

浮かれてる鏡に明日が見えてない

( ニュースやぶにらみ )

「南北首脳会談」
金−カネ−金 だったとは  −ノーベル平和賞
                
「共産党の柔軟路線」
アカからピンクへ  −筆坂議員

「株主総会」
頭を下げるのには慣れている  −東電社長
 
(東京・成近) E-mail nakawai@adachi.ne.jpbut_up.gif (232 バイト)
http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

満腹したら食休み(65) 「チェリーの季節」

この時期西海岸はアメリカンチェリーの最盛期だ。我が家の夫も大好物で毎年この季節を心待ちにしている。中でも好きなのが黒っぽい色をしたビング。最近は殆ど毎日のようにチェリーを盛った鉢が夕食後のテーブルにドンと置かれている。テレビを見ながらそれをプチプチ食べるのがこの季節ならではの無上の喜びのようである。チェリーで幸せを感じてくれるのは大歓迎なのだが、夫の食べっぷりには本当に驚いてしまう。

近所にCOSTCOという業者用のスーパーがあり、会員になれば一般の人でも買い物できる。何でも量が多くて大きいので一度買うとなかなか減らない。二人暮しの生活ではたまにしか行かないが、先週たまたま行ってチェリーの大きなパックを見つけた。量は4ポンド(1,8キロ強)、普通のスーパーマーケットと比べると量は3倍以上、値段は2倍もしない。洗ってみると大きなボールに山盛り。これなら3、4日は持つだろうと、チェリー買いに奔走しなくてもよい自分の姿を思いほくそえんだ。

せっかくたくさんあるのだからと、半分の量を大盤振る舞いでテーブルに出しておいた。ということは900グラム。2時間後にはすっかりなくなっていた。翌日は土曜日。その日の夕方には残り半分もすっかりなくなっていた。この間、私が食べたのは10粒あっただろうか。独り占めしたことに対する怒りは敢えて抑え、具合でも悪くなったらどうすんの?と4ポンドを食べ尽くした夫を詰問した。後先を考えず食べ始めたら止まらなかったらしい。再びCOSTCOへチェリーを買いに行く羽目になったが、週が変わるとさらに1ドル値下がりしていた。

チェリーの品種は全世界で1000種以上あるそうだ。アメリカンチェリーというとビング、レーニアが一般だが、ブルックス、ツラ―レという品種もある。我が家ではもっぱらお手頃なビングばかりだが、日本でもこの黒っぽいチェリーはすっかりおなじみのはずだ。そもそもチェリーの原産地はアジア西部、それがヨーロッパへ渡りで品種改良され、17世紀頃にはアメリカ大陸に渡ってきた。18世紀以降、ワシントン州を中心に栽培が盛んになり、オレゴン州、カリフォルニア州と産地が広がっていった。日本では明治初期に欧米から持ち込まれ、北海道や東北で品種改良されながら栽培されていき、現在は山形県が最大の産地。日本では現在約30種類が栽培されているそうだ。

食べ過ぎの夫をかばうわけではないが、このチェリー、どうやら中年向きの果物のようだ。まず高血圧予防。果実としてはカリウムが比較的多く、体内のナトリウムを排出する効果があり、利尿作用も期待できるという。利尿作用があるなら腎臓にもよく、アメリカの民間療法では通風にも効果ありと言われているそうだ。また、ミネラルやビタミンをバランスよく含んでいるので疲労回復にも良いらしい。おまけにジュースには歯垢を作りにくくする働きがあるそうで、よって虫歯になりにくいとか。

こう聞くと良いことづくしで少し安心したが、ちょっと待て、過ぎたるは及ばざるが如し。食べすぎで頭にチェリーの木が育たないうちに、ほどほどに止めるよう夫に言わなければ。
さっか あきこ  akikosk@sbcglobal.netbut_up.gif (232 バイト)

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Zakkaya Weekly No.372

雑貨屋 店主 大西良衛  gp-bmail.gif (1852 バイト) zakkaya@news.email.ne.jp

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