Zakkaya Weekly No.318
Ryo Onishi 6/16/2002
日本チームも韓国チームも堂々一位で決勝トーナメント進出です。やりましたね。決勝トーナメントに進めただけでも快挙ですが、期待は次々と膨らんでいきます。開催国の優位性？を活かして勝ち進んでほしいものです。チュニジアに勝った日、大阪ミナミの道頓堀では900人が飛び込んだようですが、あれって報道関係者が煽っているように見えます。カメラが構えているので飛び込めばテレビに映りますからね。道頓堀川は汚れがひどくほかの川に比べると大腸菌が大変多いそうです、おまけに3メートルある水深の底には自転車などの大型ごみがあるので、飛び込んでケガをする人もいるようです。でもそんなの関係なしで飛び込みたくなるんでしょうね。(R.O.)
新緑と自然の日本にて
５月中旬から約３週間ほど日本へ行ってきました。日本では兄弟、友人達と一年ぶりの再会をし、ドライブ旅行に連れて行ってもらったり、「海外ロングステイ同好会」や地域ライオンズ・クラブ、母校大学のゼミなどから招待され講演（と言う名の漫談？）をし、有意義な日々を過ごしてきました。
私はビジネスの第一線を引退した５年前から年一回、いつも同じ時期に日本（旧勤務先であり、職場仲間の多い長野県諏訪市と、私の生まれ育った東京の２ヶ所を中心）へ行くことにしています。
諏訪へ向うため新宿から J.R.特急｢あずさ｣に乗りしばらく走ると、車窓からの眺めは木々の新緑一色で見事でした。
私は春の花、秋の紅葉ともに好きですが、でも自然界における最高の美は｢新緑｣だと思っています。
春を迎え、木々の枝から水々しく涌き出る新葉群は新鮮であり、はつらつとして何物にも代えがたい生命の息吹を感じさせてくれ、感動さえ与えてくれます。｢新緑と自然の日本｣との再会こそ、私が毎年この季節に日本へ行くことにしている理由の一つです。
今回は諏訪の友人グループに昇仙峡（山梨県）へドライブ旅行に連れて行ってもらいました。ここもまさに｢新緑｣でした。
｢新緑と自然の日本｣といえば、私は今回の日本滞在中、自然環境と共存する工場を２ヶ所友人にドライブで案内してもらいました。
これまでの日本といえば経済のみが優先され、環境を無視し、乱開発を行い世界からエコノミック・アニマルとまで揶揄されてきましたが、日本にもこんな事業所もあるのだということを知り、救われた気分になりました。
ひとつは長野県駒ヶ根市にある 400年の歴史を誇る老舗薬用酒の工場で、天竜川沿いの伊那谷に緑豊かな３６万㎡という広大な敷地を持ち、その中を渓流が横切り、点在する工場建物も周囲の環境に配慮し、また遠く南アルプスも望める景勝の地でもありました。
更に驚くべきはこの工場敷地自体が古代遺跡の中にあるとのこと、本格的な発掘調査の結果、ここは縄文、弥生の原始社会の時代から古墳時代を経て平安時代まで 7,000年にわたる遺跡が発見され保存されているとのことです。
敷地内には復元古代住居なども点在し、ミュージアム工場とでも言えそうです。
2000年には環境国際基準である ISO14001の認証も取得したそうです。見学者のためのツアーも専従担当者がいて親切に対応してくれました。
次に訪ねたのは同じ伊那谷（伊那市）にある寒天製品の工場で、ここも赤松を中心とする自然林の中にある工場でした。
｢工場は単なる生産の場所ではなく、美しい街づくりにも積極的に参加すべき｣と言うのが会社のコンセプトなのだそうです。
森林と山野草園、四季折々の草花の咲き誇る庭園は見事です。工場見学ツアーもあり、また｢寒天づくしレストラン｣は最近のヘルシー指向とも合致し、都会の若者達に受けているようです。
ここもISO14001の認証取得事業所であり、更に 1993年日本緑化センター会長賞の受賞工場でもあるとのことです。
ひと昔前までなら寒天ゼリーなどは家庭で母親が作ってくれたものですが、今ではこのように寒天製品が商品として作られ、また健康食品として脚光を浴る時代になったということなのでしょう。
今回、日本滞在中に訪ねた場所でもうひとつ印象に残り、感銘したのは上諏訪温泉に新しく出現したアイデア満点の｢足湯｣という温泉施設でした。
諏訪地方は諏訪神社と温泉の街であり、また諏訪湖、霧が峰高原などを有する観光地でもあります。温泉の湯量は日本有数を誇り、多くの家庭にも温泉が引かれています。
最近、諏訪湖畔の屋外公園内に｢足湯温泉｣というものが出来ました。
幅１メートルほどの温泉が数十メートルにわたって一方から他方へ流れています。深さは２０－３０センチ程で、縁に腰掛けて足だけ浸して温泉を楽しむ趣向になっています。｢やたら細長く、浅い露天浴槽｣とでも表現すれば良いでしょうか。
簡単な屋根もありますので直射日光は避けられます。ここは諏訪市が管理し、市の職員がハッピを着て常駐し清掃等をしています。入場無料、昼間だけ開いています。
諏訪市は昨年若い市長が誕生し、改革諏訪市を掲げて新たな観光客の誘致と地元住民へのサービスについてアイデアを出し合っているのだそうです。｢足湯温泉｣もアイデアのひとつのようです。
私も諏訪市滞在中に二度ここを訪れました。最初は私の友人の娘さんとで、彼女が私に｢足湯温泉｣の存在を教えてくれました。
｢ねえ、河合さん、今度この諏訪に面白い温泉が出来たのよ。これから二人で行きませんか？。タオルもちゃんと河合さんのぶん用意してあるから｣
ご主人と生後６ヶ月のベビーのある若い人妻に｢二人で温泉に行こう｣と誘われた私はさすがに戸惑いました。
彼女の車に同乗させてもらい案内されたのが｢足湯温泉｣でした。彼女と並んで（もちろん周囲に大勢人たちが足を浸していました）目の前の諏訪湖を眺め温泉の感触を充分楽しみました。
温泉の湯に浸しているのが足だけなので、のぼせることもなく、身体中が暖まって疲れた足が軽くなり、たいへん気分爽快でした。
結果的に、私は若い人妻と温泉へ行き｢混浴｣をしたことになるわけだ。（ちょっと発想が不純で不謹慎だったかな。ゴメンネ。）
河合将介( skawai@earthlink.net )
さくらの独り言 「 水平線 」
水平線を180度眼の前に、独り静かに座っていた。気がつくと３時間が過ぎていた。海育ちの自分が3時間居ても引・満潮を感知できないことに驚いた。初めての日本海は曇りだということもあってか、まるで自分の心が映し出されているかの様にグレィにさえ感じた。遠く沖合いには、海水に身体半分を沈めたタンカーが停まっていた。また、滑る様ゆっくり動くフェリーが観えた。そして今にも泣き出しそうな雲の合間から姿を見せたのは、小さな飛行機だった。観えるもの全てが、水平線の方向へ向かっている様に感じた。ふと想った、「水平線の終わりには、何があるというのだろう」と。どこかで聞いことのある詩だと想った。私は、本当に、心身疲れていた。日本海に面しているのが「独り」ということさえ悲しかった。
それは、5日間の出張から戻った翌日、土曜日の朝だった。4時起床、5時に出社し必読書類繰読、6時から8時5分までテレフォンカンファレンス、そして8時23分発新潟行き東北新幹線に飛び乗った。新潟で開催されるミーティングの為、そして弊社大先輩（雑貨屋164と287に登場）との再会の為だった。ミーティング終了と大先輩との再会の合間に、新潟の町から丘、そして海岸へと独り歩いてみた。「大先輩が育った土地なのだ」と想いながら、そして「海を観たい」と切望しながら。丘（ぼん山・緑中学）付近を独り登りつめた時、日本海を目前に「潮のかほり」はしないが空と海（水）の境の「水平線」がくっきりと観え、「ここが日本海か」と独り呟いた。丘上にある３の石椅子の一つに、独り腰かけた。長年望んでいた日本海との再会を果たした私だったが、頭は今朝のテレフォンカンファレンス（US上司）でいっぱいだった。「誠実に生きること」と「うまく仕事をすること」、そして「地道に働く（真実に明日の同胞のためにという）」ことの期待や評価の差異と今後に対する空虚感と虚脱感でい～っぱい、心は疲れきっていた。それでも初体験の日本海「水平線」は、「危機」を「デンジャラスからチャンス（US上司の口癖）」への発見できるかもしれないという、淡い期待があった。しかし、日本海で観た「地平線」も「海」も、小さな私には何も応えてくれなかった。
旅をして河や海そして山の「音」を感じた時、「ほら聴こえる？」と報せたい友人がいる。携帯電話が大嫌いな私が唯一それを重宝する一瞬だ。日本海の水平線を目前にした私は、日本海を去る直前に連絡した。私の何一つ褒めたことのない毒舌な彼は言った「いいねえぇ日本海か、、、雨は降ってないか？」、未だ雨は降っていない新潟だったが、私の心には既に大雨が降っていた。今朝の上司の言葉が走馬灯の様に巡り、私は平常心を保つので必死だった。何も知らない毒舌友人は言った「これから楽しみだな、どうであれ何事にも挑戦のさくら。矢折れ、刀折れ、弾が尽きたら、撤去すればいい、気軽に進攻、活躍と戦果を期待する。しかしっ、何はともあれ、『健康』を」であった。その時、かすかに聞き覚えていた前述第一パラグラフ/『海のトリドン・手塚治シリーズ』の主題歌を明確に思い出した。「水平線の終わりには、虹の橋があるのだろう、誰も見ない未来の国を、少年は捜し求める、広がる海の彼方から、何が呼ぶというのだろ、希望の星胸に残して、遠く旅立つ独り」。テレビを見ない小学校6年生の私でも、よく唄った歌だった。詩の差異を水平線に照らし合わせた時今の自分の間違い、「何があるのだろう」ではなく、「虹の橋があるのだろう」という違いにも気づき、不思議な思いで丘を下りた。「何か」ではなく「虹（成果物：神様からの約束の印）」がる。毒舌友人が世界を誇るIBMで何を得、次世代（IBMに関係なくお客様や後輩が何を望んでいるのかを明確にする）視点や価値を確認できた。同時に丘を降りる自分の一歩いっぽが「どうであれ、やる」という、おおげさだが「仕事人」としての自分の歩みを認識した。名も知らぬまち（新潟）が、「会津若松」と通じていると感じた。「商いの武士」とでもいえようか（そうそう、私は「武士」に弱い）。大先輩の浅川さんと暴言友人大竹さんの生き様の「串」かもしれず、日本海のかほりかもしれない。彼らに共通するもの「世渡りが下手」と「ロマンの潤い」かもしれない。
そんな新潟を独りウロウロしながら道端の神社で、生まれて初めておみくじをひいた。中吉だった。項目別の内容はどうでもよかったが、文頭の一文は心に染みた。「引き潮の、引くは満ち来る明日あり、心静かに時を待つべし」と記されていた。おみくじは「水平線」を観た私の3時間への応えだったと想った（見かけによらず何事も受身）。テレフォンカンファレンスで混乱していた私は、「なるようになれ」と潮の満ち引きを想わせた。故に大先輩との再会を満喫した。第二の人生をここで活きている先輩の「誠実で」地道な（昔もそうだったも含む）仕事を想い、自分の今を考えた。「水平線も地平線」もともにthe horizon、「水平線」、「境界である輪」の両方を意味するが、もともとはギリシャ語の「境界線・水平線」が語源である。未だコロンバスも米国大陸を発見できなかった時代の人々が、この地（新潟）から見た水・地平線の向こうに望んだものは何だったのだろうか、、、何があると想っただろうか、、、虹だろうか、輪だろうか、、、と、人生に迷うう宇宙人さくらの独り言。
川 柳 & コント（東京・成近） 
98年にオープンした「チェコ
ポイント」は南カリフォルニアで唯一のチェコ料理の店。チェコ出身の人はもちろん、チェコ系アメリカ人がおばあさんやお袋の味を求めて、また滞在経験のある人が懐かしい味を求めてやってくるという。