Zakkaya Weekly No.299

Ryo Onishi             2/3/2002

雑貨屋のひとり言

定年は人生のコーヒーブレーク

さくらの独り言

川 柳 & コ ン ト

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健康の方程式

一口コラム

あっこのおいしいロサンゼルス

吟醸酒蔵みゅーじあむ

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雑貨屋のひとり言

「何か面白い話ない?」って聞かれたらこう応えましょう。「そうですねーいろいろとありますが、どんなのがいいですか?」ってね。最近はさえないニュースが多いので、こう応えるだけで相手もきっとにこっとするでしょう。いつでも面白い話ができるように常に意識して、持っておきたいものですね。雑貨屋ウィークリーのことを紹介するというのはいいかもしれませんね。何?もうやっておられる?ありがとうございます。(R.O.)

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定年は人生のコーヒーブレーク

 今度、私の原稿が毎日新聞インターナショナルのウエブサイトに「いまサラ U.S.A.」というタイトルで連載されることになりました。( http://www.mainichi.com  を開き、「ニュースカテゴリー」の中の「シルバー世紀」をクリックすると出てきます)

 第一回は「定年は人生のコーヒーブレーク」というテーマで、1月23日付でサイトに掲載されました。以下はその原稿です。

 *********************

 日本では今、引退後の第二の人生を海外で暮らす、または、海外に移住することを希望する熟高年が増えているようです。

 私は4年前、海外駐在サラリーマンとして赴任地(米国ロサンゼルス)で定年を迎えました。

通常の場合、海外で定年に達したら日本へ戻り引退生活をするのが普通です。しかし、私はあえてそのまま現地に残り、そこで第二の人生をスタートさせることにしました。

 海外残留を決めた当時、日本の兄弟、友人達から「もう定年退職したのだから、日本へ戻っておいでよ。なんで今さら海外生活なの?」と言われました。私はその「今さら」を選んだのでした。その理由は後で述べることにします。 だから私は、サラリーマンをやめる「やめサラ」でも、新たなビジネスを興す「脱サラ」でもない「今サラ」なのです。

 私が勤務した会社は満60歳の誕生日をもって「定年」と定めています。これは海外へ出向している駐在員や赴任者もその例外ではありません。

「定年」など、まだまだ先のことと思っていたのに、気が付いたらいつのまにか目の前に現れ、そして 私の中に強引に割り込んで来た、というのが当時の偽らざる心境でした。

 定年引退後、私がなぜ米国での第二の人生を決意したかを語る前に、私にとって「定年とは何か」について少し述べたいと思います。

 「定年」とはサラリーマンが一定の年齢に達すると社内規則により、その企業から引退するという制度です。日本の場合、多くの会社にこの制度があります。

 改めて国語辞典で「定年」の意味を調べてみましたら 次の通りでした。

(1)「定年」:退官・退職することになっている、一定のとし。[もと、停年と書いた] (三省堂、国語辞典 第二版)

(2)「停年・定年」:法規・規則によって退官・退職すべく定められた年齢。(岩波書店、広辞苑 第二版)

 上記国語辞典の定義でもわかるとおり、日本では「定年とは退官・退職すべき年齢」であり、「終り」が強調されています。「ハイ、ゴ苦労サン、ソレマデヨ」という感じで、まことに暗いネガティブな解釈です。

 サラリーマンにとって「定年」とは そんなに後ろ向きなものなのでしょうか。

 その昔、人生わずか50年、「初老」が40歳の異称であった時代ならいざ知らず、現代の日本人にとって、多くの企業が採用している60歳定年では、まだまだ先は長く、しかも心身の衰えも少ないので、そろそろ「定年」の認識について、もっと前向きに捉え、考え直すべきではないでしょうか。

 およそ「定年」という制度が存在するのは、サラリーマンの世界ぐらいのものです。自営業主にも、家庭の主婦にも「定年」 はないし、人生そのものにも(恋愛にだって)そんなものはありません。

 そこで私はこの機会を前向きに捉え、「定年」 を「サラリーマンに特に授けられた天からの贈り物」と理解し、自分の「定年」 を次のように定義することにしました。即ち、

『定年とは、たった一つの人生を、2回以上有効活用出来るよう、サラリーマンに与えられた特権である』

 サラリーマンも、かつては 気楽な稼業といわれた時代もありましたが、今どきのサラリーマンは、頭とカラダと神経をすり減らし、「胃潰瘍が背広を着て、ネクタイを締めている(女性の場合はワンピースにネックレス?)ようなもの」で、命を削って生きています。

 もちろん、サラリーマン以外の自営業主も家庭の主婦も大企業経営者もみんな同じか、それ以上に大変でしょう。

 だからサラリーマンだけが 「定年」 という人生の「コーヒー・ブレイク」を持ち、また新たな気持ちにさせてもらえることは「特権」 以外のなにものでもありません。そして、これまでとは違う第二の人生を始められる「絶好のチャンス」 なのです。

  「定年」 とは、何かが終わるのではなく、新しい第二の人生の何かが始まる、と解釈したいものです。日本の国語辞典には、この点を配慮した「定年」 の定義付けをしてもらいたいものです。

 アメリカの現地法人を最後に引退した私は、周囲のアメリカ人からは、“Congratulations!”と言われ、“Happy Retirement”と祝福されました。それは、それまでの拘束からようやく開放され、第二の人生へのスタートを祝う言葉でした。

 どうも、日本とアメリカでは定年(引退)に対する認識は正反対のようです。

 定年を「第一の人生の終り」とするか、それとも「第二の人生の始まり」と解釈するか、その後の進路に大きく影響します。

 このことが私にアメリカ残留を決意させた第一の理由でした。

 さらに、私の場合、同伴家族(妻)の理解と協力、アメリカにおける12年間の生活と人脈など、すべて私達夫婦にとって有利な条件でした。

 現在、私はビジネスの第一線からは完全に引退しましたが、コメンテーターとして地元の新聞・ラジオへの寄稿・出演をはじめ日系ビジネス研修への支援、日本からのロングステイ希望者への情報提供やシニア・ネット構築活動など、ビジネス現役時代よりも忙しく動き回っています。

 昨年は、神奈川県藤沢市で開催された「ロングステイ・シンポジューム」や千葉県のライオンズクラブへ講師として招かれ、ロサンゼルスについて講演してきました。

 このコラムでも次回以降、アメリカ西海岸情報や、外から見た日本についてコメントをさせていただきます。(つづく)

河合将介( skawai@earthlink.net )

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さくらの独り言 「職 人」

職人気質(しょくにんかたぎ)とは、「職人に多い気質。自分の技術に自信を持ち、安易に妥協したり、金銭のために節を曲げたりしないで、納得できる仕事だけをするような傾向(goo:大辞林第二版からの検索結果)」と書されている。私の在米時に出会った製造業(ものづくり)に生きる多くの方々のその職人としての姿から、人の営み、こだわり、勤勉、教訓、知恵と知識、モットーや哲学等を学んだことを想起し懐かしみ、そして感謝しながらこれを書いている。これは友人から昨日頂いた一冊の本に導かれた成果である。

 

昨日友人から頂戴したその本とは、『-ヤン・ライケン-西洋職人図集-17世紀オランダの日常生活-』(八坂書房より2001年8月25日出版:小林頼子訳著・池田みゆき訳)である。Jan Luikenが書いたHet menselyk bedryk (Amsterdam, 1694)というエンブレム本の図の再録、翻訳、今井澄子氏・望月典子氏・阿部純子氏による各図についての寸評そして小林氏による論文、という形式になっている。Luikenの著作の題名は『人の営み』という意味だそうだ。「日々の暮らしに欠かせないパン屋、仕立屋、大工、スケート靴屋、帆布製造から、学者、芸術家、納付、漁師、狩人、商人、軍人まで、労働の姿をユートピア的に描き出す繊細で清々しい100枚の銅版画、さらに300点の参考図版と各職業の解説を付した『職業図鑑』」(書籍表紙帯より抜粋)である。パン屋に始まり墓堀人に終わるその100枚の図版には宗教的ではあるが、標題、モットー、詞(教訓)そして解題が付けられ、なかなか素晴らしい。

 

著書の中から私の好きな幾つかの作品を紹介してみよう。「1.パン屋『身体を養うもの、それは心の糧となる』(P16)、5.ガラス工『命は求める、光と空気を』(P24)、8.ブラシ職人『汚れたところを探し出せ』(P30)、16.織物師『織物に集中する者は人生という網を編んでいる』(P46)、19.靴職人『靴ではなく、その歩みこそ肝心だ』(P52)、21.眼鏡職人『焦点が合わなければ、見えてこない』(P56)、28.鍛冶屋『勤勉であれ、まさにしかるべきときに』(P70)、39.帆布職人『速い風をつかめ、風が救いに導いてくれるから』(P92)、41.油屋『心の油を搾り出せ、敬虔の光をまたたかせる油を』(P96)、90.化学者『あなたを分解し、解き放つ人、それはあなたの友』(P194)、93.農夫『まず種を蒔く、そして刈り入れる』(P200)、97.商人『先を見て、掘り起こし、永遠の善を求めよ』(P208)、99.支配者『支配せよ、心の王国を脅かす反逆者を』(P212)、100.墓堀り『心ある者は、これを鑑とせよ』(P214)」(本書より抜粋)。これは「職人」・「仕事人」について、シンプルだが歴史や職種を超えて真髄に迫る応えを綴っていると私は思う。経営哲学、企業変革・改革などと叫ばれ、企業や労働の礎を問われるこんにちだが、その応えは案外この本の中に隠されているかもしれないとさえ思うのである。

 

さて、この本を贈呈してくれた友人とは他でもない、実はこの本の訳担当池田みゆき氏である。彼女は1972年生まれ、1976年から1986年を過ごした父親の駐在先オランダで初等・中等教育を受け、1995年上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業後、翻訳業、通訳業を経て、現在弊社のConsumer and Industrial Markets (製造・流通:化粧品、食品、自動車、家電など消費者向け製品製造販売会社、エネルギー、化学物質関連製造会社に調達、製造、物流などの業務改革を含む各種のサービスを提供)部門のアシスタントに至る。数カ国語が堪能であるばかりでなく、「日本心」を持つ大変優秀で且つ美しい女性である。部署こそ違うが、自己と戦いながら「美しき職人の姿」を求めて、「自分の仕事」に臨もうと互いに励まし合っている私の同胞・同志である。ところで、この職人図集の中に「雑貨屋」を探したが残念ながら見当たらず、されど「50.雑穀屋」(P114)を発見、これはまさしく大西店主営む「雑貨屋」の真髄と私は歓喜した。それは、「50.雑穀屋『なかにあるのは、義の種』(P114)」、そういえば大西店主も製造業畑の職人だったっけ?!っと、さくらの独り言。

 sakuratsubomi@earthlink.net

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健康の方程式  西尾誠一郎

小学校からの英語はこういうふうに勉強させよう

去年の暮れから、今話題の白血病によく効くというグリーベックという新薬を試して1ヶ月がたちました。

今回は毎週血液検査に行き、ドクターの話では経過が大変よいということでした。 私の体も確実にそれを感じ、長く働いても以前あった背中の痛みがほとんどありません。 今週はつい調子に乗って、友人3人とウイスキーをストレートで飲み、1本と2/3を空けてしまいました。 後で「すぐ調子に乗って」と妻と母にキツーク言われました。(笑) 

問題はこの薬をいつまで服用し続けなければならないのかということですが、ドクターははっきり言ってくれません。 1ヶ月で2000ドル以上する高価な薬(保険である程度はカバーされますが)ですので支払いがちょっと大変です。

さて、健康の話はこれぐらいにして、今年の4月から実施される小学校の英語教育について、私の意見を少し述べたいと思います。

致知という雑誌の2月号にある茂木弘道さんの「小学校英語教育は無意味・無益である−大事な国語・算数を削って何をするつもりか」という記事を読みましたが、私は大筋で賛成です。 興味のある方は彼の著書「小学校に英語は必要ない」(講談社)を読まれるといいでしょう。

ここでその大筋をまとめてみますと、

  1. いまどき、「国際理解のための英語」というのは時代錯誤だ。 専門家はともかく、一般人はその翻訳情報で十分こと足りている。
  2. 「小さい時なら覚えられる」というのは思い込みで、根拠はない。
  3. 一応、効果を上げていると思われるシンガポールの小学校では、全体の約70%が英語の授業である。 言い換えれば、そこまでやらないとマスターできない。
  4. 母国語をマスターするのに、6歳で小学校に上がるまで約2万5千時間、母国語漬けになっている。 小3から小6まで週2時間では4年間でも200時間余。 これで何ができると言うのか。
  5. 英語力の基礎は国語力。 小学校では国語を強化し、中学で英語は毎日1時間、週に5時間集中させたほうがよい。

小学5年生まで、日本の公文で中学2年生程度の英語を学習していた生徒がこちらに引っ越してきましたが、現地(アメリカ)の学校の先生が「君の英語力は素晴らしいからESL(英語の補習クラス)に入る必要はない。 一般の授業を受けなさい」と言ったとのこと。 お子さんも先生のおっしゃる内容が完璧にわかるとのことでした。 お子さんは日本にいる時、毎日公文の英語のCDを聞きながら学習したそうです。

 ある調査では、国民の86%が小学校への英語の導入を望んでいるそうです。 私はその人達に言いたいのです。 子どもに英語の力をつけさせたかったら、公文の英語をやらせなさいと。 公文の英語教材は全面的に改訂され、音声面でも大きく強化されました。 英語を習得させるには、英語を毎日ひたすら聞き、読み、書くことです。 今までのように中学から大学まで英語の授業を受身的に聞くだけでは本当の効果が現れないことは、何十年と実証されました。 公文式のように毎日、自分から聞き、読み、書く、能動的な学習が今まさに求められているのです。

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川 柳 & コ ン ト (東京・成近)

 

( 川 柳 )

 

子河童の大志は海に憧れる

あの時は夢いっぱいで上野着

ヨーイドン友ライバルと名を変える

風船の夢電線に引っかかり

従業員二人社長と言う名刺

( 時事コント )

 

「環境相から外相に」

伏魔殿の浄化も頼みます  −国民

 

「内閣支持率76%から47%に」

ひっくりかえったも同然だ  −抵抗勢力

 

「株全面安」

特に小泉株が   −兜町、永田町


(東京・成近) E-mail kawaiai@mx2.ttcn.ne.jp

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あっこのおいしいロサンゼルス――レストラン案内

「BLUE PACIFIC」――居酒屋風カフェ

201 Hermosa Ave. Hermosa Beach CA 90254    Tel 310−406−8986

週7日営業  日―木 5:30pm 〜 10:00pm  金・土 5:30pm 〜 10:30pm

「長年の夢を叶え、友人が素敵なレストランを開いたから是非行ってみて」と紹介された店。ハモサアベニューに面したドアを開けると、そこは東南アジアの心地よいリゾート風。エキゾチックな小物ですっきりとまとめられた店内に、今にもアジアの南風が吹いてきそう。

「ブルーパシフィック」はロサンゼルス空港の南、ハモサビーチに昨年12月1日オープンしたばかり。日本料理をベースにしたアジアの味を展開するのは、共同経営の2人の日本人シェフ。

自慢は料理だけではなくもう一つ、経験豊かなスタッフを揃えたこと。いずれも東京の一流ホテルでの経験者ばかり。彼らのキビキビとした応対振りが一段と店の雰囲気を盛り上げている。

「ブルーパシフィック」が提案するのが居酒屋スタイル。日本人にはおなじみの食べ方を現地の人にも勧める。何品かの料理を分け合って食べる楽しさをわかってもらおうというもの。

いろいろな料理を試して欲しいからと値段は全て10ドル以下に抑えたが、メニュー作りには決して手を抜かない。オーガニック素材の使用やオリジナルメニューの開発と常に工夫を忘れない。

43種類のメニューからのおすすめを紹介。前菜の「オイスター・シューター」(2.95)はショットグラスで味わうさわやかな生カキ。オリジナルのすしロール「パシフィック・テリフィック」(4.75)はうなぎとクリームチーズを巻いて天ぷらにしたもので12月の人気ナンバーワンメニューとか。

ツナの刺身を生春巻きで巻いた「ベトナミーズ・ツナロール」(5.95)は甘酸っぱいソースとマヨネーズが良く合う。「オイスター・ダイナマイト」(2つで5.00)はカキとマヨネーズとご飯の意外な組み合わせが新鮮。

デザートではフィリピンの味直伝、紫色の芋の「ウベ・アイスクリーム」(2.95)がおすすめ。

オリジナルカクテル、ワイン、アジアのビール、珍しい果物の香りの日本酒とお酒の種類も豊富。

少人数パーティー向けの個室や、夏に向けてパティオも用意。2月はサーモン・フェスティバルを予定している。

さっか あきこ akikosk@webjapan.com

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吟醸酒蔵みゅーじあむ

成岡流お酒の楽しみ方

今回はお酒のラベルの見方について書いてみます。

《表ラベルの読み方》

@は特定名称酒の区分を表しています。

sakelabel.JPG (26621 バイト)級別表示が平成4年に全廃され新たに「普通酒」とは区別されて「特定名称酒」の表示が規定されました。覚えていただきたいのは「50%」を境に、より精米されたお米で醸されたのが「大吟醸」で、「50〜60%」が「吟醸」。それに「醸造用アルコール」を添加したものと、添加していない「純米○○○」があるということです。

ただ境目が曖昧で、どちらを名乗っても良いということになっています。ですから50%精米した「大吟醸」も「吟醸」も存在するのです。そこで酒蔵の良識が問われることにもなるわけです。また、現実には50%まで精米したお米を使っていても「純米酒」として出荷している蔵もあります。

A品名を表しています

蔵元によって何種類か、また全て違う名前を付けているところもあります。この「」は新潟第1位の生産量を誇る朝日酒造鰍フ最高級酒で精米歩合28%です。(同じクラスに洗心という大吟醸も出しています)他に久保田・越乃かぎろひ・越州朝日山などのシリーズものを造っており、アイテム数は20種を越え、次代を狙った朝日酒造鰍フ経営戦略が読み取れます。

それに比べて、出荷アイテムの少ないので有名なのは大阪・池田市の呉春鰍ナ、吟醸(吟表示)・本醸造(○本表示)・普通酒(池田酒表示)の醸造用アルコールを添加した本醸造タイプの3種類だけです。

B原材料名と製造年月の欄です

このお酒は純米タイプですから原材料を米・米麹しか書いていませんが、本醸造タイブのお酒には「醸造用アルコール」が追加されます。ここでまたおかしなことに、お酒が農産物なのに所管が財務省ということもあって「使用量の多い順に表記」されていないのです。とくに特定名称酒でない普通酒の場合は、醸造用アルコールが原料である純米酒の2倍も添加して「三増酒」になっても「米・米麹・醸造用アルコール」と表示しています。また糖類や調味料を添加して、味をごまかしているものもあります。

お酒の世界やたばこの世界は、消費者保護の精神は貫徹されていないようです。

また製造年月にしましても、本当に造られた年月を表示しているのではなく、蔵元が出荷した月を印字することにしているのです。今の税制では出荷する量を対象に課税される(庫出税〉からでもあるのですが、消費者を保護する見識があれば「製造年月」「出荷年月」の両表示が欲しいものです。

1944(昭和19)年までは造石税と言って、醸造した量で課税されたので、売れない蔵は納税に苦労したようです。

ただこれもブレンドすることがよくありますので、それをどう表示するかは難しい問題ではあるのです。とりわけ消費が低調な今は、1年以上前に製造したお酒も、今の月で表示して出荷したりしていることもありますので、飲んで見たら今までの味と違ったということもあり得ます。

もちろん、品質管理をしっかりしている蔵のお酒を、これまたきっちり管理している酒販店から買う場合はほとんど心配はありません。みゅ−じあむでは、色々なお酒を飲み比べてもらうため、どんどん開栓していますが、開けた時からひねたおかしな味になっているものもありますし、開けてから相当期間たっていてもぴくともしない腰のあるお酒もあります。ちなみに、みゅ−あむではお注ぎしての飲み頃の温度(すべて共通ということではありませんが)にと館内3ヵ所の冷蔵庫は5℃に、倉庫の冷蔵庫は貯蔵ということで2℃に設定しています。蔵元ではマイナス5℃から8℃で貯蔵しているところもあります。

《裏ラベルの読み方》

@日本酒度

日本酒度とは、お酒の甘辛度を簡単に表すものとして一般的に使われています。すなわちプラスの数値が多いのが「辛口」マイナスの数値の多いのが「甘口」です。これはどうして出すのかと言いますと、日本酒度計というのがありまして、15℃のお酒の中に浮かせて読みとるのですが、土0が4℃の純水(比重1のもの)と同じ重さということで、お酒が重けれぱ日本酒度計が浮いてマイナスをさすようになっています。それはエキス分が多いすなわち糖分が多いということを意味しま。しかし、味蕾にかかわるものですから、個人によっても感じ方は違いますし、ひねたお酒を辛口と言う方も結構おられます。

市販されている特定名称酒のお酒ではプラス20.5からマイナス75まであります。sakearabashiri.JPG (76754 バイト)

プラス20.5…

「山鶴段違い辛口」純米吟醸(奈良県)

プラス20…

「正義櫻 爺爺婆婆」

「正義櫻 弐拾の酒」(岡山県)

「雪の松島 超辛」(宮城県)

マイナス75…

「一ノ蔵 あゝ不思議なお酒」純米酒(官城県)

アルコール度数8.0〜8.9と低く、女性をターゲットにしたお酒。

通常大吟醸はプラス4〜プラス5なので、この「正義櫻大吟醸あらぱしり」は辛口ということになりますが、飲み口ではその辛さは感じられなく、喉を越した後で辛さが楽しめます。このお酒は昨年の広島国税局の新酒鑑評会で首席に選ばれています。

A酸度

アミノ酸類を除く総酸度(トータル酸度)をパーセンテージで表したもので、味の濃淡を見る圏安として使われます。クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、乳酸などが含まれていますが、その量の多少で味わいも変わります。通常の吟醸酒は1.1〜1.8の間に入りますが、全国新酒鑑評会で金賞受賞を目指す大吟醸は1.0に近い数値を示しまず。

Bアミノ酸度

味の旨味を表すものですが、数値が高ければ良いとは言えませんが、数値が低いと味が薄く(ない)、高いとコクがある濃い酒といえますが、高過ぎると雑味が目立ちます。

C原料米

sakesanchi.JPG (85125 バイト)備前山田錦とあるのは、生産地である備前と、酒米である山田錦を組み合わせて表記されており、前に生産地がない「山田錦」は兵庫県産を指します。

酒米は、表のようにいろいろあります。大吟醸造りには山田錦が圧倒的に多いのですが、酒米の生産量では五百万石が一番多いのです。

D醪(もろみ)日数

通常日本酒は、酒母(スターター)をベースに4日間で初添・(踊り)・仲添・留添の一二段仕込によって米・米麹・水を倍倍々とタンクに入れて発酵をさせます。その後吟醸酒の場合は、低温発酵により出来上がって搾るまで30日間は費やされます。しかし、これも杜氏の流派によって異なり、渡邊栄二さんの所属している南部杜氏協会(岩手県)は、長期低温発酵で醸すため、このように43日も発酵期間をかけて、より複雑な旨味を醸し出しています。当然この期間は、その年の気候条件やお米の状態などによって変化します。

E精米歩合

吟醸酒を造るためには、雑味の多いお米の外側部分(主にタンパク質)を削り取り、酒造好適米特有の芯白といわれる部分(主にデンプン質)まで精米しますが、その率(精米歩合)は、精米後の白米重量を精米前の玄米重量で割って100倍した数値です。大吟醸と言えますのは、50%以下まで精米したお米で仕込んだお酒ですが、この「正義櫻大吟醸あらばしり」は35%削り取って、残りの35%で醸した超高級酒です。そして、このお酒は国税庁醸造研究所(東広島市、現独立行政法人・酒類総合研究所)の全国新酒鑑評会で平成8醸造年から4年連続金賞受賞しています。

ちなみに、精米歩合の日本一のお酒は山口県の「二割三分」茨城県の「郷乃誉・・山渡」で、精米歩合23%まで達しています。そこまで精米するのにはコンピュータ制御の竪型精米機を使いますが、の櫻井蔵元の話ですと148時間(6日間余り)もかけて、丁寧に精米しているそうです。ということは、精米技術だけでは評価出来ない部分もありますが、日本酒の歴史の中で今が一番良いお酒が造られ、私たちはそれを飲ませてもらっているのではないかと言われています。

卓翁 成岡 館長

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一口コラム

今週の時事ジョーク(30)

(1) 出生率さらに低下へ(晩婚、非婚、結婚しても出産せず)

 日本では、このところ出生率がますます低下傾向にあるそうです。これは、これまでの日本人の傾向であった「晩婚(結婚年齢が高くなる)」、「非婚(結婚しない)」に加え、「結婚しても子供を作らない」若者が増えてきたからなのだそうです。

 地球規模では、世界の人口増加が大きな問題となっている昨今ですが、日本は逆の悩みを抱えているわけです。

 ――― そこで、これからがジョークです。

 日本の厚生労働省が最近発表したところによると、日本人の出生率は、現在の1.61人(夫婦2人で子供は1.61人しか生まない)よりさらに下回る1.39人になる可能性が強まってきたそうです。 

 これまで日本の出生率低下の主な要因とされていた「晩婚化」、「非婚化」に加え、結婚した人が子供を作らないためによる出生率が低下する兆しを見せているからだそうです。このままゆけば、日本は将来「人口減」に加速がかかり、いつの日か「日本民族の滅亡」なんてことになりかねません。

 そこでこの程、国連の国際動物保護委員会は、日本民族を「絶滅危惧動物」に指定、絶滅の危機から保護することになりました。

 また、絶滅の危惧や希少動植物の国際取引を禁止する「ワシントン条約」にも日本人を登録することになりました。

 :*:★゜'・:*:.。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*: ☆゜

 いよいよ日本人も「パンダ」、「コアラ」、「トキ」、「イリオモテヤマネコ」並みになっちゃうのですかね。

 尤も、日本人を檻に入れて保護する訳にもゆかないので、当面は「檻がないので当分は放し飼い」なんてことになるのでしょうね。   

(2) 輸入牛肉を国産牛に偽装、買い取り申請 雪印食品

先週の日本からのニュースを見ていたら、またまた大手食品会社「雪印」がたいへんな問題をおこしているようですね。

 今度は、狂牛病発生による国の牛肉買い取り制度を悪用して、買取制度の対象外であるオーストラリアからの輸入牛肉を国産牛の箱に詰め替え、業界団体に買い取るよう申請していたことが22日判明しました。

 業界団体が買い取ると言うことは、農林水産省(国)がそのお金を補助金として支出するので、結果的には「雪印」は私達の血と汗の税金を騙し取ろうとしたことであり、許せない犯罪です。

 ――― さて、これからがジョークです。(今回も私は怒りながら、ひたすらジョークを創ります)

 日本では一昨年7月、食中毒事件とその後の対応のまずさから大問題を起こし、信用を失墜させた雪印乳業でしたが、今度はその子会社の「雪印食品」が、狂牛病対策としての国産牛買い取り制度を悪用した「言語道断で犯罪にも等しい」事件を引き起こし、国民、消費者の怒りをかっています。

 ところで、ここ数日、日本は天気が穏やかで雪は降っていません。なのに日本全国の食肉店(お肉屋さん)やスーパー・マーケットは除雪、雪掻きに大忙しなのだそうです。

 雪は降っていないのに何をしているのかと思って良く見たら、雪は雪でも、お店の棚から「雪印」を掻き出していました。

羅府の庄助

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編集後記

来週はいよいよ300号ですね。特別にパーティーを開く予定はありませんが、皆さんからのメッセージで300号記念をお祝いしたいと思います。よろしかったら一言で結構ですからメッセージをいただけたら幸いです。

雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧になれます。

http://www.ne.jp/asahi/zakkaya/weekly/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.299

雑貨屋 店主 大西良衛 zakkaya@news.email.ne.jp

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