Zakkaya Weekly No.237

Ryo Onishi      11/26/2000

雑貨屋のひとり言

“ことば”を楽しむ(その1)

さくらの独り言

川 柳 & コ ン ト

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一口コラム

 

新作「いろは歌」

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雑貨屋のひとり言

ワイフと大阪府箕面(みのお)市にある箕面公園に紅葉を観に行きました。今年は暖かいせいか紅葉が遅いようで、そのお陰で?12月上旬まで楽しめるそうです。赤く色づいたもみじはとてもきれいで日本の秋を感じさせてくれました。車で出かけたのですが公園の近くは大変な渋滞でした。ようやく着いたら公園の中はこれまたすごい人でした。滝まで行ったのですが、滝を観ているのか、人を見ているのわからない状態なのでさっさと帰ってきました。でも近くにこんなに良いところがあるなんてあらためて知りました。(R.O.)

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“ことば”を楽しむ(その1)

以前、「ユーモアと言葉」というテーマで作家の 井上ひさし氏が講演をしたのを聴いたことがあります。

 井上氏はさすが言葉や文章を職業とする作家だけあって、言葉について造詣が深く、言葉や文章を大切にしていることが、氏の講演の端々から感じられ、感動をしたのを今でも覚えています。

 以下は、その井上ひさし氏の講演録を参考にさせてもらい、「“ことば”に秘めたユーモア」について考察をしてみたものです。

そもそも「ユーモア」とは何なのでしょうか。これは古来アリストテレス以来、いろいろな学者が研究したが、いまだに真の本質は解明されていない難問だといわれています。(もっとも井上氏によると、この問題を学者が研究するから、かえって難解にしてしまっているのだそうですが・・)

 私は例によって手許の国語辞典で「ユーモア」と引いて調べてみました。

*岩波書店、広辞苑(第二版):上品な洒落(しゃれ)・おかしみ。諧謔。(以下略)

*講談社、国語辞典(新版):品のよいしゃれ・こっけい。あたたかみのあるおもしろさ・おかしみ。

*三省堂、国語辞典(第二版):人間味のある、上品なおかしみ(しゃれ)。

 また、この言葉は明かに外来語であると思われるので、英単語の“humor ( humour )”をあたってみると、「気質・気性、気分・気持・機嫌」などの意味に加えて、「おかしいこと、滑稽、上品なしゃれ・・」などという意味を見付けることが出来ます。

 でも、上記程度の意味なら、何もこと改めて辞典をひいて調べなくとも、あたり前の常識として誰でも知っている事で、辞典を引いてその意味を知ってみても“ユーモア”の本質には少しも近づいていない事を私は改めて知りました。

 こんなことで、わざわざ辞典を何冊も持ち出し、調べてみるなどと言うのは、まことに滑稽な事でした。

 でも、その時、私はひらめきました。―― あゝ、そうか。こんな滑稽なことをするのを“ユーモア”と言うのかも知れないナ。―― そうなんだ、私は今、“ユーモア”の世界に一歩踏み込んだんだ・・。―― 私は、その時、何か「薄皮」が一枚はがれるのを感じた気がしました。 

 以前の当Zakkaya Weekly (No.153, 4/18/99)に羅府の庄助として書きましたが(一口コラム、「逆転発想もまた楽し」)わかりきっている日本語を辞典(辞書、字引)で調べて見ると、思いがけないユーモア・発見があり、楽しいものです。

 上記「一口コラム」へは、『男』、『女』、『ことば』について、各種国語辞典にどう説明しているかを書きましたが、『男』の意味を「人間の性別のひとつで女でない方」、『女』の意味を「人間の性別のひとつで男でない方」的な説明のし方、即ち、“右とは左でない方”、“左とは右でない方”のような無責任な説明をしている辞典もあれば、『男』とは「人間の生まれつきのはたらきとして、子供を生ませる力を持つ(ようになりうる)人」、『女』とは「人間の生まれつきのはたらきとして、子供を生む力を持つ(ようになりうる)人」などという、すごい定義をしている国語辞典もあります。【三省堂、国語辞典(第二版)】(尤も、井上ひさし氏によると、この『男・女』定義は、イギリスのオックスフォード大辞典の翻訳なのだそうですが)

河合将介( skawai@earthlink.net )

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さくらの独り言 「引退(ひきぎわ)」

『99%の失敗に支えられた成功』という名言を残した本田宗一郎は、『60代にして引退』の名言をも残した。そして自ら潔く、相棒の藤原氏と共に、同族を後継者に選ぶことなく同時退任した。本田氏65歳、藤澤氏61歳、1973年のことだった。このことは当時でも、まだまだ現役として十分活躍できる年齢と反響を呼んだ。今、日本では、高齢化社会に伴う定年退職基準の見直しが叫ばれている。定年退職という定義もさることながら、自分が気にも停めなかったこの言葉に、今しばし立ち止まって考えている、さくらである。

『私は死ぬまで、働く』と私に明言した人が居る。その発言に率直な疑問を持った私は、「『それって死ぬまで働きたい』という単なる自分の希望ですか、それとも『働く、もしくは働ける』事実なのですか」と、即座に聞き返してしまった。今思えば、その人を傷つけてしまったのかもしれない。私は60にして退職すべしと、うたう者ではない。しかしまた、死ぬまで現役で働けと、歌うものでもない。強いて言えば、60にして自らを知れば、自ずと「何をするかではなく、どう生きるか」を私は知っていたい(いて欲しい)と思う。

「歳をとること」は美しいことだと、私は信じている。そして人生の先輩には、何歳になってであれ、活躍して欲しいと願っている。しかし、「どこで」ということになると、そのまま死ぬまで同職にとおっしゃる先輩方とは、かなり違う。私たちが「歳をとる」ということは、豊富な知識や経験の違いを超え、「役割」や「生きている価値」が変わるということを知ることだと思う。「歳をとる」ということは、「自分ができることとできないこと」の事実を知り、忍耐してそれを認め、自分の人生の真意について問いながら希望することだと思う。そこには、過去の会社社会における実績も名誉もない。自分というものだけだ。この事は他人事ではなく、自分より若い人たちの修得率や技術に対し、自分の立場や役割の違いを、今明確に実感するからだ。そして、その事実を受け止めていく勇気こそ、自分が迎える次の時代への、人生の意味あるチャレンジだと思う。

「私は60を過ぎたら、絶対会社では働かない! それは会社の発展と社会への貢献、そして自分を深める為だ。」と、転勤後の私が最初に痛みを持って学び旦那や親友に明言した言葉だ。60を過ぎても過去の蜃気楼を追い妄想にふけり、余命ない自分に対する不安で苛立ち、それゆえ次世代を担う人々を脅かし、または混乱させるという、60過ぎの誤った「現役」者の反面教師だったのかもしれない。少なくとも転勤前までの私の周りには、ビジネスであれ芸術であれ、その分野で活躍した先輩の潔い引退とその後の味ある生活を楽しんでいる現実がある。それが私の財産であり、指針でもあった。60を過ぎたら、仕事とは全く違う世界ででも生きていける自分を持ちたいと、切に考えている、羅府の庄助が恋しい、さくらの独り言。

sakuratsubomi@earthlink.net)    

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川 柳 & コ ン ト (東京・成近)

( 川 柳 )

人情の減った分だけ鍵が増え

箱庭のメダカが池の鯉気取り

恩讐の別れを時が恋しがる

歯車で回りながらの自己主張

裏方が表舞台でけつまづき

 

( コ ン ト )

「たれ幕」

「満員御願」−日本相撲協会

「自民党的決着」

思わずコップの水をテレビにぶっかけた  −国民

「視線の先」

フロリダ−二つの片目ダルマ

(東京・成近) E-mail kawaiai@mx2.ttcn.ne.jp

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一口コラム

「コント、読み違い??」

(その71)今 日 は 何 の 日 ?(11月)

 日本語の場合、数字の読み方(発音)から新しい意味を創造する事をよくします。そこからいろいろな記念日が作られます。

 今月の、そんな記念日をインターネット(FUKUSHI's Web Page[今日は何の日])から一部抜粋してご紹介致します。

●11 月 1日: 犬の日:ワン(=1)・ワン(=1)・ワン(=1)の語呂合わせ[ペットフード工業会など、1987年制定]

●11 月 8日: いい歯の日:いい(=11)歯(=8)の語呂あわせ[日本歯科医師会]

●11月8,9日:いいパックの日:いい(=11)パッ(=8)ク(=9)の語呂あわせ。簡易包装を呼びかけるために制定した[通商産業省、1991年制定]

●11月 9日:換気扇の日:いい(=11)空(=9)気の語呂あわせ[日本電機工業会、1987年制定]

●11 月 9日:119番の日:119の語呂あわせ[自治省消防庁、1987年制定]

●11月10日:トイレの日:いい(=11)ト(=10)イレの語呂あわせ[日本トイレ協会、1986年制定]

●11月11日:ピーナッツの日:落花生は畑の土と呼ばれているが、「土」の字を分解すると11になることから。[全国落花生協会、1985年制定]

●11月11日:電池の日:正極(+)と負極(−)をもじって[乾電池工業会、1987年制定]

●11月11日:靴下の日:1年で1度だけペアとペアが重なる日[日本靴下協会、1993年制定]

●11月11日:鮭の日:「鮭」のつくりの「圭」を分解すると11・11になることから。[新潟県村上市]

●11月18日:土木の日:「土」=11、「十」と「八」で「木」になることから。[土木学会、1987年制定]

●11月20日:毛皮の日:いい(=11)ファー(=20)の語呂あわせ。[日本原毛皮協会]

●11月22日:いい夫婦の日:いい(=11)夫婦(=22)の語呂あわせ[余暇開発センター、1988年制定]

―― 羅府の庄助さん ――

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新作「いろは歌」

新作「いろは歌」(その8)

☆よい友(99.3月作)

いやみに負けず 不和を治めて出世得ん

この日来るへ希望あり 根から離れぬ良ゐ友達揃えむ 

(いやみにまけす ふわをおさめてしゅっせえん

このひくるへきほうあり ねからはなれぬよゐともたちそろゑむ)

【私も知っている妻の仲間が昇進したので渡したものです】

 ――― T. H. ―――    

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編集後記

11月25日、英会話ウォーミングアップクラスをやりました。やると決めてから余り時間がなかったのですが、皆さんのご協力により、約10名集まりました。高島ファミリーも来ていただき、楽しい仲間とのあっという間の2時間でした。ホームページ を創りましたのでご覧下さい。
次回は12月9日(土)の予定です。

http://www.ne.jp/asahi/zakkaya/weekly/ewu.htm

PDFを読むためのソフトは無料でダウンロードできます。トライしてみてください。

http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep2.html

バックナンバーは下記でご覧いただけますのでどうぞ。

http://www.ne.jp/asahi/zakkaya/weekly/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.237

雑貨屋 店主 大西良衛 zakkaya@news.email.ne.jp

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