Zakkaya Weekly No.69

Ryo Onishi 9/7/97 バックナンバー Homepage

ある日、ゴルフショップから「お買い上げいただいた方の中から抽選であなたが当たりましたので、賞品を取りに来てください」というメッセージがありました。「わざわざ電話してくるくらいだから、もしかしたらチタンのドライバーでも当たったのかな」と思いながら、ショップに行きました。「あのー、電話で連絡を受けてきたのですが」とショップの人にいうと「あーっ、大西さんですね、はいこれ痩せる石鹸です。」うーん、まあ、こんなもんかなと思いながら、その石鹸をありがたくいただいて帰ろうとしたら「あのー電話で何か当たったという連絡を受けたものですが…」と別のお客さんが入ってきました。この人もチタンのドライバーを期待してるのかなあと思いながら、知らん顔して聞いていたら、その人もやっぱりその石鹸をもらっていました。(R.O)

定年って何だ(3)−Happy Retirement−

2年半前、私のアシスタント(正式なタイトルはExecutive Secretary)が会社から退社・引退しました。彼女は 今から 22年前、私たちの親会社が当地(トーランス市、カリフォルニア)にアメリカ現地法人を作った時に入社した所謂 現地採用従業員の第一号で 途中から 赴任してきた私にとっては、頼りになる かけがいのない存在で 私がこの現地法人でなんとか 職務責任を果たせたのも彼女に負う所が多かったと思っています。

女性の年齢を云々するのは 大変失礼なことですが、彼女は当社を退職した2年半前の時点で 既に60歳代の半ばでした。地方公務員だった彼女のご主人は 今から9年前にさっさと引退し、ボランティア活動や地域の役員として結構忙しく、それでも合間に趣味を楽しむ といったある 意味ではやはり悠々自適といえる毎日でした。

約3年前のある日、彼女がオフィスの私の所へ いつもとは ちょっと違った顔つきでやって来ました。私はちょっといやな予感の中で彼女の話を聞いてみると、案の定Retirement(退職・引退)の申し出です。実は その時以前にも彼女から何度かそれとなく引退希望の話はあったので、いつかは正式に申し出て来るものと覚悟はしていました。

この時の彼女と私の会話の要旨を日本語にしてみると凡そ次の通りです。

彼女: Mr.カワイ、ワタシハ ソロソロ 会社ノ仕事カラ引退シタイト希望シテイルノ ダケレド、了解シテモラエマセンカ。

: 私ハ 仕事ノ上デハ アナタヲ 頼リニシテイルノデス。ドウシテモ引退シタイノデスカ?

彼女: イエス。コレマデ何度カ、ソレトナク 貴方ニ 申シ出タガ、ソノ都度 貴方ニ説得サレテ引退ヲ思イ留マッテキマシタ。デモ今度ハ ハッキリト 決メタノデ、モウ留意シナイデ下サイ。

: アナタハドコカ身体ノ具合イデモ 悪イノデスカ?

彼女: ノー、ノー。イタッテ健康デ、ドコモ悪クハアリマセン。Very Fineデス。

: ジム(彼女の夫の名前)ガ アナタニ 引退ヲ 勧メテ イルノデスカ?

彼女: ノー、ノー。コレハ 私ノ 問題 デ、ジム トハ 関係ナイ問題デス。

: コノ会社デノ 仕事ガ イヤニナッタノデスカ?

彼女: ノー、ノー。仕事ハ ヤリガイガアルシ 社内ノ 人間関係モ 非常ニ良イシ

コレ又, Very Fineデス。

***********************

ここまでの会話で、私は正直の所、彼女がなぜ 退社・引退を申し出たのか、わからなくなってしまいました。健康状態はOK、家庭に問題なし、仕事にはやりがいを感じ人間関係も良好とくれば、退職する理由はないわけです。少なくとも、其の時点では 私はそう感じました。そこで 私は、また下手な英語で彼女に言いました。

: 今、アナタハ 健康・家庭・職場 ノ スベテニ問題ナイト答エタガ、ソレデハ

ナンデ コノ会社ヲ ヤメテ 引退スルノデスカ?

これに対して彼女はこう答えたのです。

彼女: ソノ通リ、今ノ私ハ“Everything Fine(すべて良好)デス。ダカラコソ 引退シタイノデス!それが“ハッピー・リタイアメント”ト言ウモノデス。

自分には、まだ 次の人生があるのだ。次の人生を有意義にするための条件は そのスタート・ラインで 出来るだけ問題が無いのが理想で、幸い 自分は今がその条件の時であり、年齢的に見て これからいつまでこの状態が続くか わからない。だから今引退したい。私は第二の人生をエンジョイしたい。――こういうことを彼女は言いたかったようです。

正直いって、こう言われた私は 少々ショックでした。それまでの私の頭では このような答えは 全く想定していなかったのです。 勤労は善と心得、働く事は無条件に良い事だ、と信じ込んでいたからです。

なるほど 改めて考えてみると、我々は 一度しかない貴重な人生をどう生きるか、これは 大変な命題で そう簡単には答は出てきませんが、各人それぞれが自分の置かれた条件・環境のもと、時々は真剣に考えてみるのも有意義だということを 彼女の答えから知らされました。

そして私は 彼女への説得をあきらめ、退職を了解し、彼女は多くの仲間から惜しまれ、そして複雑な表情の中にも 晴れやかな笑顔で去って行きました。

私も いつの日か 私の引退に対して 誰かに引き止めの説得をされた時、「ダカラコソ引退シタイノダ!!」 と 言おうと思って このセリフを大事に胸にしまって その時を待っていましたが、とうとう誰も私を引き止めてくれず、用意していた このセリフは使わず仕舞いになってしまいました。(残念!!)

―以下 次号へ続く―河合 将介 skawai@wakao.com

健康の方程式 「風浴は皮膚呼吸を深める」

もう5〜6年前のことだったでしょうか。「パンツ健康法」が話題になったことがありましたね。この健康法に関しては週刊紙の見出しで見たに過ぎませんでしたが、一日中、体を締め付けていることは血循から考えても正しくないと思い、すぐ実行しました。つまり夜だけパジャマの下には何も身につけないということにしたのです。そうすると変なものでパジャマのゴムの部分も気になり、夏のパジャマはヒモのを買い、今でもゆるく結んで寝ています。

そして今回飯島氏のヨーガ革命の「皮膚の呼吸作用と排泄作用は着物によって妨げられ、着物についた毒素を再吸収する機会が多くなるのでなるべくだぶだぶがよい。ベルトやタイもさける」という部分もちょっと気になりました。なにせ日本ではステテコ人間でしたので、肌着をつけないということは考えられなかったのです。いろいろ考えて母にふんどしを一枚縫ってもらい、肌着をつけないで長袖のシャツとゆるふんと、長ズボンで夕方の散歩に出てみました。冷風が気持ちよく体の中を拭きぬけ、急いで歩かないと少し寒いくらいです。いずれにしろ、もう少しふんどしをぬってもらい、無理をしないように徐々に体を慣らしていこうと思いました。そして、こういう安上がりで手間のかからない健康法こそ、私の目指す庶民の健康法だと思っています。ここで風浴法ついて紹介しましょう。飯島氏は風浴はガン患者に必須の行法といっています。やり方は簡単で病者は20秒は裸になり70秒普段より余計に着て体を温めます。そしてまた20秒裸になり、80秒着衣、そして着衣の時間を10秒ずつ伸ばし、着衣の時間が120秒になるまで6回繰り返します。そして体が慣れたら正規法にしていきます。正規法とは20秒の裸から120秒の裸まで11回着衣と脱衣を繰り返します。裸の時間は30秒から120秒まで10秒ずつ長くし、着衣している時間は60秒が4回、90秒が3回、120秒が3回です。計算すると1640秒、つまり27分20秒もかかり、忙しい我々にはとても厳格に実行できるものではありません。いや我々ではなく、ずぼらで、おおまかな人間の私には初めから実行できないと思いました。ですから、私は朝晩トイレに行ったり、歯を磨いたり、体操したりする時、なるべくパンツ一つですることにしました。そのうちふんどし一つでするかもしれません。

まとめてみますと「光・摩・水・風」の4つがヨーガ革命の皮膚道なのです。日光浴と摩擦は温刺激を通して毛細血管の働きを活発にし、汗腺を強化しますし、水浴と風浴は冷刺激によって毛細血管を縮め、グローマスという副毛細血管の働きを強めます。毛細血管が縮まった時、グローマスという副毛細血管が開いて内出血を防ぐ→とい説明は私にとって初めてのことでしたので、もう少し調べてみようと思っています。いずれにしろ、温刺激と冷刺激を繰り返して皮膚を鍛えることが、私たちの健康に大切なことは間違いありません。私はすぐに「ニキーチン夫妻と7人の子ども」(暮らしの手帳社)というすばらしい子育ての本を思い出しました。昔、フィンランドとロシアではお産の痛みを軽くするために50度の蒸し風呂の中で生み、一週間そこで暮らしました。またツングースは遊牧の途中、野天で、零下40度の寒さの中で分娩することもめずらしくなかったのです。産まれてくる赤ちゃんはなんと90度の温度差の中で、生き抜く力を秘めているのです。私の言いたいことは、そういう能力を持った赤ちゃんを数度の温度差でもすぐ風邪をひく子に育てる育て方、私たちのライフスタイルのことです。厳冬のモスクワで世間の常識に負けないで、7人の元気で賢い子ども達を育てたニキーチン夫妻の実践は謙虚に学ぶ必要があります。私達は健康で幸せな生活を送るために原点に戻って少しずつ皮膚を鍛えることが大切だと思う今日この頃です。【西尾誠一郎】

編集後記

字がぎっしりで見にくいかもしれませんね。

雑貨屋店主 大西良衛 ronishi@earthlink.net