Zakkaya Weekly No.203

Ryo Onishi      4/5/2000

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“ロサンゼルスの桜”うら話 さくらの独り言 川柳 & コ ン ト (東京・成近) 健康のお話
  一口コラム   編集後記

雑貨屋のひとり言

サウスベイから諸橋さんが大阪に立ち寄られたので、サウスベイ大阪支部の高島さんと私の3人で、Hawthorne Blvd.沿いの「紋次郎」の雰囲気に似た、新大阪の焼鳥屋で、おいし〜い日本酒を飲みながら楽しい話に花が咲きました。

元気なお顔の諸橋さんからサウスベイのにおいのする話を聞かせていただいて、高島さんも私も元気が出てきました。サウスベイでたくさんの素晴らしい仲間を持てたことをとてもうれしく思います。(R.O.)

“ロサンゼルスの桜”うら話

  前回の 「雑貨屋ウイークリー」(202号)の 「観光スポット」 でご紹介しました当地ロサンゼルスの“Lake Balboa”湖畔の桜について、寄贈企業の現地代表者である、堀場聡夫さんに私が出演している日本語ラジオ局(Radio Pacific Japan)に特別出演していただき、ロサンゼルスに桜を咲かせた“うら話”を聞かせてもらいました。

 掘場さんお話は、たいへん興味ある内容でしたので、放送録音テープから一部を再生し、以下記します。(若干書き換えした部分もあります)

 この“Lake Balboa Recreation Area”とは、もともとアメリカ連邦政府のアーミー(陸軍)の持ち物だったと聞いています。現在はロサンゼルス市の 「リクリエーション・アンド・パーク・デパートメント(以降、“ロス市公園課”と称します)が管理しています。

 そこにダムを造って万一の洪水の非常時に備える施設を兼ねた大きなリクリエーション・センターを造るという計画があったようです。

 私達がこの話を持ってゆきましたのは、実際に桜を植えた2年前の1990年だったのです。その当時、そこは水もない荒れ果てた土地があっただけでした。

 私達の会社は1990年に創業20周年を迎えまして、日本にいる創業者の社長がですね、何か後世に残る記念になるような事をしたいと言うことで、私のところに連絡がありまして、それでは“桜”はどうかと考えたのでした。

 というのは丁度1990年の頃のアメリカでは大手の日本企業が土地や不動産を買い占め、またアメリカの貿易赤字がどんどん増えていた時で、ジャパン・バッシング(日本叩き)の盛んな時でした。

 このまま放置していてはいけないな、と、我々のような名もない小さな企業として何か出来る事がないかという発想でいろいろ話をしているうちに、季節感のないここロサンゼルスで毎年決まった時期にパッと咲く桜を植えてアメリカの皆さんに楽しんでいただいたら画期的なことではないだろうか、と言うのが、そもそものアイデアでした。

 でも当時、私はその話をどこへ持っていったらいいのかわからなかったのですが、いろいろ蜘蛛の糸のように探っていきまして、最後に当時のロサンゼルス市長のトム・ブラッドレーさんの筆頭書紀の方とめぐり合う事が出来、そこから市の公園課を紹介していただき、そしてそこで、これから造成する予定の公園があるという事を教えてもらったのでした。

 今ある公園の木を引き抜いて桜を植えるわけにはいかないので、これから造る公園に植えるのがよかろうということで、ここに決めた次第です。

 この桜の木を寄贈するという計画は、あくまでも、私達から市へ申込んだので、市当局から要請があっての事ではありません。

 寄贈にあたって企業の名前を出さずに匿名にした理由ですが、寄贈の申し入れの際にロス市公園課の皆さんのお話を聞いてわかった事なんですけれども、実際受け入れ側の方々である公園課にとっては、こんな植樹の話というのは何も珍しい話でも何でもなく、いろいろな企業が今までにしてきたらしいのです。

 ところが公園課の現場の方々の話を聞いてみますと、企業の植樹はもう“うんざり”だと言うのです。

 なぜかというと、企業の植樹と言うのは、ともすれば企業の宣伝がメインになりがちで、植樹の時期、その後のメインテナンス等は無関心でほったらかしで、植樹当日に“お立ち台”を作って企業の宣伝をしたり、そんな事に寄付の全予算を使って、その後は知らないヨ、というのが殆どなのだそうです。

 ところが樹木というのはそのあと何十年も水をやって、肥料をやって、病害虫から守る世話をし、公園課の現場の人達が面倒をみなければならないのです。

 ところが企業側は何もしないので、当時、聞いたところでは、企業が寄贈する植樹の80%は5年以内に枯れてしまっているのだそうです。

 そんな話を聞いたのと、もう一つは、ジャパン・バッシングの折にですね、日本企業と言うことを前面に打ち出して宣伝をした場合に、幼な木である桜の木が、例えば日本に反感を持った人に枝を折られたりしてはいけないし、幼な木にとって一番良い方法は何かと言うことを先ず考えるべきだというアドバイスを現場の人達から聞きました。

 私達にとっての目的は会社の名前を売り込むことではなくて、純粋に原点に返って桜の木を季節感のないロサンゼルスの皆さんに楽しんでいただきたいという事ですから、それを達成するために長期的に地元と協力してゆこうではないか、という発想に戻ったわけです。

 そこで、一切我々の企業の名前は出さないことを市当局に申し上げたところ、「こういうことを言う企業ははじめてだ」と驚かれまして、・・それが今振り返ってみて、結果的に現場の方々が一生懸命テイクケアをして下さるという協力体制ができたのではないでしょうか。

 桜はもともと日本のようなところで咲くもので、冬が寒く、水はけが良くないとダメだとか、病害虫に弱いとか言われています。

 私達の寄贈したLake Balboa湖畔の桜は最初に植えたのは1992年だったのですが、私達は1990年が会社の 20周年記念だったので、本当は1990年に植えたかったのです。そして植える場所も1990年に見つかったので公園課の方々にお願いして、さあ植えましょう、としたかったのですが・・。ところがそこで大きな問題に突き当たりました。

 先ず、ここロサンゼルスのような“地中海性気候”の温暖なところでは日本的な咲き方をする桜が大量に咲いたという例は今まで無いとの事でした。桜の花というのは冬に温度がかなり下がらないといけないのだそうで、よしんば育ったとしても“葉ざくら”と言うか、枝一面に花だけが咲くという咲き方は無理だろうと言われました。

 なお且つ、日本から苗木を持ってくる事も法的に禁止ということで、一時は私達はあきらめかけ、寄贈・植樹は別の花にしたらどうかというところまでいったのです。

 が、たまたまパサデナに“ハンチントン・ライブラリー”という所がありますが、そこに綺麗な植物園がありますよね。今でも忘れないのですが、私が妻と1990年の3月にその植物園の中の“日本庭園”へ行きましたら、満開の桜が数本見事に咲いているんですよね。

“これは桜じゃあないか”と言う訳で、早速日本から桜の専門家に来ていただいて調査をしてもらいました。

 その桜の木は、そこへ15年位前に日本から持ってきた“オオシマザクラ”という品種を自然交配を繰り返しているうちに偶然出来た新しい品種で、“Pink Cloud(ピンクの雲)”という名前である事もわかりました。

 そして、この花ならここのような“地中海性気候”の場所でも完璧な桜の咲き方をするという事を専門家にも証明していただきまして、「これはいける!」となったわけです。

 そこでその桜の木の枝を分けていただき、先ずは900本を2年かけて市の公園課と提携しているナーセリーに育てていただき、当地に強いサクランボの根に接ぎ木をして、2年後の1992年にやっと植樹にこぎつけたのでした。

 この“Pink Cloud”という品種がこのLake Balboa湖畔で開花に成功すれば、この品種は当地ロサンゼルスだけではなくて、世界中の“地中海性気候”のところに適した品種と言うことで、もしかしたら世界的に有名になるのではないかと期待されています。

1992年に最初の900本が植えられまして、それが現在かなり成長しています。昨年(1999年)は 1,000本追加し、今年さらに 1,500本ですから合計で 3,400本になりました。

 ここの公園の将来構想としては、“アーバン・フォーレスト”と言うか、要するに都会の中に“桜”と“グリーンの木”と“野鳥”と“湖”とが一緒になった名所を造りたいと思っています。

 そして日本を除いて世界一の桜の名所になり、皆さんに楽しんでいただけるよう私達も陰ながらロスの公園課の方々と共にやって行きたいと思っています。

(以上、堀場さんの説明の一部でした)

河合将介( skawai@earthlink.net )

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『お花見と、レーガン記念館ツアーへのお誘い』

 ラジオ・パシフィック・ジャパン主催の『お花見と、レーガン記念館ツアー』企画をご紹介いたします。ご家族、友人お誘い合わせご参加ください。当日は私(河合)が解説役で同行させていただきます。

*主 催:ラジオ・パシフィック・ジャパン社

*日 時:2000年4月8日(土)、10:00am 〜 夕方まで。

*行き先:Lake Balboa公園(お花見、昼食)、レーガン元大統領記念館(Simi Valley)。

*集 合:ラジオ・パシフィック・ジャパン社前駐車場( 10:00am集合)

     970 West 190th Street, #490, Torrance, CA 90502   Tel.:(310) 715- 6857

*交通手段:人数がまとまれば貸切バス。(少人数の場合は乗用車に分乗)

*費 用:$20 / 人。(弁当代、入場料、バス代含む)

*申込み方法:ラジオ・パシフィック・ジャパン社へ電話で申込む(310- 715- 6857)、または  河合まで E-Mail で申込み下されば、取り次ぎます。( skawai@earthlink.net

但し、先着50名様で締切りだそうです。

 河合将介( skawai@earthlink.net )

さくらの独り言 「自 由

「さくらさん、『自由』とはどんなことだと思います?、僕はね、先日##氏から『自由とは自分が生きてる理由と書くんですよ』と言われてね、なるほど、そうかっと思ったんですよ。ね、すごいでしょう!」。関西弁でこう話してくれたのは、この雑貨屋店主大西さん。昨年の晩秋、赤ワインを飲みながらのことだった。私はこれは名言だとメモをした。「歳をとって忘れてしまう前に」と言いながら。

来る4月3日、私はついに40歳になる。鏡を覗く時以外は未だまだ25、6歳の気分でいる自分。「えっ?、誰が40だって?!」と振り返ってしまう。小学生だった頃の自分にとって高校生はすごいお姉さんお兄さんに見え、自分が高校生の時の成人は立派なおとなに見えて憧れた。自分が成人すると40歳代の人が社会の大木に見え、60代の人は誰であろうと紳士淑女に見えた。そして今40歳になった自分が思うこと、「嘘みたい!」。

太宰治ではないが、いつも自分自身を「人間失格」だと評価してきた。既に物心ついた頃から、自分というものに何一つ自信がなく、全てに不満だった。いつも様々な劣等感に悩み、能力の限界どころか自分の能力やタレントさえ見い出せず、無価値に等しい自分を全く好きになれなかった。専門性究めるこの米国社会で生きる中、益々それは強まった。そして何をやり直すにも始めるにも、既に遅すぎる様に思え、焦っていた。近年、もう若くないという思いと、いや今始めておかなければという思いが交互して、今自分がやっていることの意味が見い出せなかった。しかしなお、何か手応えのある「自分」が欲しいと、必死にもがいていた。何故そんなに真剣に悩んだのかわからないが、周りが子を持ち家を持つ中、一般にいう「落ち着き」を持つことへの焦りだったのかもしれない。

40歳の誕生日を数日前にして、ワシントン州立大学の桜を見に行った。念願の桜は満開で私を迎え、近年無性に桜を愛でたい衝動にかられていた私が堪能したのは言うまでもない。何時日本から植樹されたかわからないその大木に身体を寄せ、耳をそっと充ててみる。花見に来た人のざわめきをよそに、流れている赤色の水みずしい音が聴こえた。その時大西さんが話してくれた「自由」について自分の中で何かを感じた。思わず「今の自分が好きだ!」と解き放たれた感じがした。さくら、まだ、つぼみ、30代最後の独り言。

sakuratsubomi@earthlink.net)                                                  

川 柳 & コ ン ト (東京・成近)

( 川 柳 )

もういいかい土手のつくしが風に聞き

敦煌の夢はろばろと黄砂舞う

春風に弾む少女の胸の線

てふてふが舞った遠い日の花野

プロポーズされたあの日は四月馬鹿

( コ ン ト )

「地震、噴火」

地球も更年期なのかしら −いらいら主婦

「回復傾向」

小渕さんもぜひ   −日銀短観

「巨人、ロケットスタートに失敗」

やっぱり        −宇宙開発事業団

(もし火曜日からジャイアンツが勝ち続けるよう

でしたら、下記のコントと取り替えて下さい。)

「巨人、ロケットスタートに失敗」

二連敗で済めば上出来です −宇宙開発事業団

(東京・成近) E-mail kawaiai@mx2.ttcn.ne.jp

健康のお話 −ミポリンも必要なお話し−

皆さんは、食べ物の中で苦手なもの、ありますか?

僕はほとんど無くて、子供の頃に食アタリしたものでも未だに沢山食べられます。

その食アタリリストのなかにハマグリがあるんですが、お酒の肴にもってこいで、小学生の頃、海水浴で取ったハマグリを食べて、2日間熱を出したくらい食アタリをしたにも関わらず、今でもモリモリ食べちゃいます。

さて、このハマグリなんかに代表される“貝”、この中に含まれている成分で、『タウリン』がありまーす。

この『タウリン』、コマーシャルなんかでよく耳にして、実際に取り入れている方も多くいらっしゃる事でしょうが、一体どんな成分なのかはご存知の方、少ないのでは?

っという事で、今回は『タウリン』のお話し。

『タウリン』とはアミノ酸の一種で、魚介類、特に貝やイカ、タコ、魚の血合いなんかに多く含まれていて、スルメの皮に付いている白い粉状のものがそれですねぇ。

我々人間の脳や心臓なんかの大切な器官に多く存在していて、重要な働きをしているのだそう。

さてその重要な働きとは?なんですがーっ、

人間は興奮したりストレスが溜まると、交感神経が働いてカテコールアミンを出して血圧を上げようとするらしいのですが、『タウリン』はカテコールアミンを抑える働きがあり、っということは、すなわち、高血圧を抑えて正常に保つ効果がある、となります。

また、肝臓でコレステロールを分解、排泄する胆汁酸の分泌を促す作用もあり、体内のコレステロールを減らすお手伝いまでしていまーす。

その他、『タウリン』は疲労の元となる乳酸の蓄積を抑えて、エネルギー源であるグリコーゲンの消費を節約するっていう働きまであります。

しかもーっ、『タウリン』には紫外線やゴミなんかによる眼の疲れを回復、視力低下を防いでくれるという効果まであるのです。

『タウリン』を摂れば身体の機能を高める事になり、抵抗力を向上させ、自然治癒力を高めることになるんですねぇー。

それでは、一日に必要な『タウリン』の量はというとーっ、520ミリグラム以上。

これは、貝でいえば、サザエ1個、ホタテ1個、ハマグリ3個、ムール貝8個、アサリ38個にあたります。

イカ、タコならばハマグリよりチョット、100グラムあたりの含有量が少ないくらいの目安。

『タウリン』は調理しても性質を失う事はありませんが、水に溶けやすいので、だし汁や味噌汁なんかにした場合は、残さず全部飲みましょう。

また、摂り過ぎても必要量以外は体外に排泄されるので心配いりませーん。

そういえば先日、日本から僕の家族が一同で遊びに来まして、シーフードレストランに連れていきましたが、貝料理はいっさい頼みませんでした。ここぞとばかりにロブスターとシュリンプカクテル、海老ばかり..。

シーフードレストランで貝といえば牡蠣になっちゃいます。

これを機会にハマグリなんかの貝類を見直しましょう!(これからシーズンだし)

..だけど、食中毒になっても未だに好きだというのは、何に関しても懲りない性格だからなのだろうか...。

makita@ginga.net

一口コラム

「コント、読み違い??」

(その37)事 故 主 張 

私の友人(日本人の男性 わざわざ“男性”と断るところが少々怪しいネ!)の話です。

公共の駐車場に駐車しておいた彼(彼女?)の車がハンドルを切りそこねたアメリカ人の車にぶつけられ、バンパーを傷つけられてしまいました。ぶつけてきた外人(ア、ちがった!、外人はこっちで、相手側は外人ではなく、アメリカ人でした)は、自分の不注意を棚に上げて、くどくど言い訳をし始め、自己主張をしたそうです。

 友人いわく、「あれは、“自己主張”ではなく“事故主張”とでも言うんでしょうね」 

―― 羅府の庄助さん ――

編集後記

ワイフが1ヶ月前にようやく運転免許証を書き換えました。私の場合は実技のテストは免除されましたが、ワイフはアメリカの免許しかなかったので実技がありました。サウスベイのゆったりとした運転環境に慣れていたので、右ハンドル、左側通行、狭いS字カーブとクランクを走らされ苦労したようです。

私たちは初心者マークではないものの、日本の道路では初心者同様です。狭い駐車場でバックで駐車するのがどうも苦手です。雑貨屋のバックナンバーは下記でご覧いただけますのでどうぞ。

http://home.earthlink.net/~ronishi/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.203

雑貨屋 店主 大西良衛 zakkaya@news.email.ne.jp