Zakkaya Weekly No.186

Ryo Onishi       12/6/99  バックナンバー HOME

雑貨屋のひとり言

まだテーブルも椅子もない状態ですが、とにかく日本での生活がスタートしました。買い物に行き、生活用品を揃えていると、新婚当時を思い出します。

今日はこの冬一番の冷え込みとなり、完全防備(といってもコートがないのでたくさん着こんでいるだけですが)で出勤。電車の窓から見えるなつかしい六甲の山々は白くなっていました。(R.O.)

マ ジ ッ ク の 効 用

  当地ロサンゼルス・カウンティのサウスベイ地区を中心に活躍する日本人ビジネスマンを対象に組織された非営利団体に「サウスベイ経営セミナー」というのがあります。ボランティア・メンバーで設立され、会員数は法人会員と個人会員を合わせて71、今月(99年12月)末で5年が経過します。

毎月1回、会員を対象にビジネス・セミナーを開催していますが、先月(99年11月)のセミナーは普段と趣を少々を変え、「マジック」がテーマでした。

年末のクリスマス、忘年会シーズンを控え、カラオケばかりが能じゃあない、ということで世界的に高名な日本人マジシャンを講師に招き、講演と実技研修の機会をもったわけです。

初歩的なマジックの実演と種明し、裏ばなしと説明はたいへん面白く、興味の尽きないものでしたが、同時にマジックの効用についての話には感動的ですらありました。

 私達は毎日のビジネスの世界においてコミュニケーションの重要さを痛いほど感じていますが、マジックは確かに国籍、業種、文化を超越した素晴らしいコミュニケーションの道具です。

 人間関係構築のための優れた手段になるという話を実際のエピソードを交えながらわかりやすく説明され納得するものがありました。

 マジックは人の錯覚、心理の乱れなどを巧みに利用し、不思議な世界を作り出しますが、マジックの何たるかを学びとり、前向きに捉えれば、それは私達のものの見方を広め、頭を柔軟にし、しかも相手を喜ばせるコミュニケーション技術でもあるわけで、これは営業トークを始め、ビジネスの道にも通ずる示唆の多いものである事がよく理解できます。

 その上、マジックを演じるためには常に頭と手と身体をフル回転させ、練習を重ねなければならず、ボケ防止には最適だと言えそうです。現に一部の身障者リハビリ・センターや高齢者ホームではマジックを治療やボケ防止の手段として利用されているのだそうです。

 経営セミナーでマジックをテーマに取り上げ、どんな意義があるのかと当初疑問をもった私は結果的に我が身の狭い料簡(りょうけん)に恥じ入るばかりでした。

 私にとって今回のセミナーはマジックの効用、奥行きの深さを知ることの出来た実り多い有意義なセミナーでした。その上、教わった幾つかのマジックは早速、有効に利用する事が出来るのでまさに「一石ニ鳥」の効果になったわけです。

 「一石ニ鳥」と言えば、講師の話の中にこんなのがありました。

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 マジックが「ものの見方を広め、頭を柔軟にする手段」として有効であり、これは特に日本人に対し必要だと思われる。詰め込み教育と受験戦争の弊害はいまだ日本人の頭を硬くし、柔軟な発想の芽をつぶしているからだ。

 例えば日本の大学受験や入社試験に良く出題される所謂「四字熟語」の正解はあらかじめ決められた古典熟語に限られており、柔軟性がなく、せっかくの受験生の創造的発想はほとんど尊重されていないと言えよう。

 「○肉○食」は「焼肉定食」でも「豚肉定食」でも四字熟語には違いないはずであろう(正解は「弱肉強食」)

 同様に「首○一○」は「首相一任」でも「首狩一族」でも良いのではないだろうか(正解は「首尾一貫」)

 尤も現実にこんな回答もあったそうだ。「一○ニ○」、「三○四○」、「五○六○」、「七○八○」に対して、「一勝ニ敗」、「三勝四敗」、「五勝六敗」、「七勝八敗」、そしてその後に続けて「すべて惜敗、誠に残念」と書いてあったとか。(正解は「一石ニ鳥」、「三寒四温」、「五臓六腑」、「七転八倒」)―― ここまで来るとどうかと思われるが、しかし見方を変えれば、「すべて惜敗、誠に残念」と注釈を付けるあたり、見事と言えるのかもしれない!!

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たかがマジック、とは言え極めれば結構奥深いものがあるようです。

河合 将介 (skawai@wakao.com

さくらの独り言 「待つがクリスマス-その2」

 この時期になると、何処にいても”時間をかけて、ゆっくりと、静かに”読む本がある。本といっても薄〜い薄〜い、それこそさっと読めば5分もかからないものだけど、ゆっくりと時間をかけてなるべく静かに読む。今年こそは原文を買って読もうと思いつつ、もう20年が過ぎた。「サンタクロースっているんでしょうか?」(諧成社出版・中村妙子訳・原本 "IS THERE A SANTA CLAUSE?" from THE NEW YORK SUN, Sept.21, 1897)。そしてまた今も「今年こそ原文を、、」とさくらの独り言、、、。

ここアメリカで「古典」の様に語られるこの実話は、1897年9月21日付けニューヨーク・サン新聞の「社説」にのったものである。当時サン新聞の記者だったフランシス・P・チャーチが、8歳のバージニア・オハロンから社に出された「サンタクロースって、いるんでしょうか?」という手紙への返事として書かれたものだ。この翻訳版の解説によると、チャーチ氏は「人間生活のあらゆる面について、深い洞察力と鋭い感受性を備えた人物だった」ようだ。また、成長し教職に就いたバージニアは1971年81歳で亡くなる迄、優れた教育者として活躍したらしい。

そんなチャーチ氏も、編集長から8才のこどもへの返事を社説に書いてみないかと言われた時、最初はちょっと不服だったらしい。しかし机に向かって書き上げた物、それが100年後の今も読まれているこの出会いを生んだのである。新聞記者の兄を持つ私は、いつかこの本を兄にプレゼントしようと思っている。元々社会部畑を歩いてきた(いる)兄は、2度経験した支局長や文化部生活を楽しめなかった様だ。しかしこどもの率直な質問に対して誠実に応えようとする記者魂は、事件を追うそれと全く同じ価値があることを、いつか知って欲しいと願うのである。

サンタクロースを『待つ』文化の中で育たなかった私が、サンタクロースを『待つ』様になったのは、私がちょうど二十歳の頃、この本を恋人からもらったことがきっかけだった。あの頃とにかく待たされることが多かった。寒がりの私は冬が大嫌いだったのに、『待つ』ことの中で冬が大好きになった。待っている間、冬の寒さが「生かされている」という愛を感じさせ加山雄三の台詞のごとく「ああ幸せだな〜」と独り呟いた。それは私がこの本で一番好きな箇所、「この世でいちばんたしかなこと、それは、こどもの目にもおとなの目にも、みえないものなのですから。」を信じていたからだ。今も凩の冬を歩く時、天に向かって顔をあげ深〜く息を吸う、そして心の中で想ってみる「今私は、たしかな人(もの)を待っているんだ」っと、みえないけれど、、、すると不思議に幸せな自分になる、、、待つがさくらのアドベント。

sakuratsubomi@earthlink.net

 

川 柳 & コ ン ト (東京・成近)

( 川 柳 )

幕下で廃めたと父のチャンコ鍋

大海を夢見て蛙池に古り

肩書きの元にプライドしがみつき

乾杯に義理で付き合う紙コップ

抱いてきた夢を縮小コピーする

( コ ン ト )

「バス事業統合」

発社オーライ   ー日野、いすず

「日光の社寺、世界遺産に」

かかわりのないことで  ー見ざる、聞かざる、言わざる

「松坂投手19才、年棒7000万円」

かかわりのないことで  −私

(東京・成近) E-mail kawaiai@mx2.ttcn.ne.jp       

マキちゃんの健康のお話 

−切れる前に..のお話し−

  最近の子供達ばかりか、大人までも、よく“切れる”風景を目にします。

我慢に我慢を重ねた上で、遂に..っというのであれば分からんでもないんですが、スーグ切れちゃう人が多くなっているのだそう。

これの原因の大半を占めているのが、食生活にある事、ご存知でしたかーッ?

という事で、今回は、『食生活と心理状態』のお話し。

チョット前まで、子供達のイジメ問題が頻繁に雑誌やテレビで取り上げられていましたが、最近は話題にならないくらいに普通の事になってしまっているという、恐ろしい状態になってますねぇ。

「一日一皿のホウレンソウ、ニンジンの様な色の濃い野菜を食べますか?」

「ラーメン、カップヌードルはよく食べますか?」等のアンケートを中学生男子615人、女子554人に行なった所、イジメについては、野菜、海草、牛乳などの摂取量が少なく、一方でインスタント食品や、ジュース類の摂取が多い事と、朝食は、その半数が撮っていなかったのだそう。

こうした食事は、鉄分やカリウムなどのミネラル類、ビタミン、タンパク質の摂取量不足との事。

現代の食生活は、カロリーは足りているのに、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの不足によって、“脳の栄養失調”状態なんですってー。

脳は、人間が必要とする全エネルギーの20%(!)を使い、脳神経細胞をつなぎ、受けた刺激を伝えるために、アミノ酸やミネラル、ビタミンなどが非常に重要なのだそう。

また、糖分を摂り過ぎると酸性に傾き、これを補正するために体内のカルシウムを使って、その結果、カルシウム不足になってしまっている子供も多いのです。

雑貨屋144号【あまーい話しにゃ罠がある。】でお話ししたように、糖分を摂り過ぎると、結果、いらいらしたり、暴力を振るっちゃう事になる訳です。

じゃぁ、どうすれば穏やか〜な性格になるのー?なんですがーッ、

DHAを多く摂るようにする。

「最近の若者(僕もそうですが..)はDHAを多く含む魚は食べなくなり、逆にDHAを追い出してしまうリノール酸が過剰気味になっていて、ストレス時の攻撃性を高め、若者をキレやすくさせる可能性があります。キレる原因をすべてDHAで説明することは出来ませんが、全体的に攻撃性が増すことで悪条件が重なって暴力行為に出るケースが増える事は十分考えられます。」っと、富山医科薬科大学の浜崎教授は述べておられます、ハイッ。

「子供達の食生活の悪化は、子供達の生活のリズムの狂いが基本にあるようです。塾や稽古事が増え、朝食を抜いたり、帰宅してカップ麺やオヤツを食べたりして塾へ出掛ける。終るとコンビニで駄菓子を買い、家に戻って夜食を摂るというパターンです。3度の食事というメリハリのある食生活は無くなり、1日じゅう間食のような状態になりがち。排便や睡眠のリズムが大きく狂っていることも問題です。」

っと、子供調査研究所の高山所長も、こう言っておられる、フムッ。

<いつ、どこで、だれが、なにを、どのように>は、食生活にも当てはまるそうで、

<いつ>は3度の規則正しい食事。

<どこで>は食べる場所。

<だれが>は年齢や体格など、個人差がある食べる本人。

<なにを>は食物の種類。

<なぜ>は食べる動機。

<どのように>は調理法。

このうちの、<どこで>は、上記には入っていない<だれと>とも関係していて、1人で車の中で食べるか、一家団欒で食卓を囲むのかによっても心理状態には深〜い関係があるのだそうです。

こうやって考えてみると、1人住まいのナガーイ僕はストレスがスゴイのかなぁ..誰です〜?、女房と食事するほうがストレス溜まるって言ってるヒトー!

makita@ginga.net

一口コラム

一口コラム:「コント、読み違い??」

(その20)都々逸(どどいつ)

 「虚万の富(巨万の富)」とか「軽意(敬意)を表す」などは、同音語(同音で意義の異なる単語)に属する訳ですが、昔から日本にある「都々逸(どどいつ)」にはこの発想をうまく利用したものが結構あるようです。同音語を使った表現は何も現代コンピュータ時代の特権でも何でもなかったようです。例えば、

 ♪ 信州信濃の新蕎麦(そば)よりも 私しゃあなたの傍(そば)が良い ♪

 ♪ わたしゃおまえに火事場の纏(まとい) 振られながらも熱くなる ♪

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 都々逸のほうが粋(いき)でいいですねエ。

 因みに国語辞典で「都々逸」とひいてみたら次のように説明してありました。

【都々逸・都々一:流行俗謡の一。雅言を用いず、主に男女相愛の情を口語をもって作り、普   通、七・七・七・五の四句を重ねる。(以下略)”― 岩波書店、広辞苑第2版 ― 】

―― 羅府の庄助さん ――

編集後記

電話がつながり、雑貨屋をオープンすることができました。まだテーブルも机もないので床にPCを置いて編集しています。でも発行できてホッとしています。読者のみなさんお便りをお待ちしています。

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Zakkaya Weekly No.186

雑貨屋 店主 大西良衛 ronishi@earthlink.net