Zakkaya Weekly No.185

Ryo Onishi       12/4/99  バックナンバー HOME

雑貨屋のひとり言

ついに日本にやってきました。日本の冬はサウスベイから来た私達には寒いですね。帰国前のサンクスギビングホリデーをサウスベイでのんびりと思い出の場所でもまわろうと考えていたのですが、結局、引越しのあと片付けで終わってしまいました。とても疲れました。そんな中、ゲルマン善子さん宅にご招待いただき、サンクスギビングのディナーをご馳走になりました。とてもたのしい時間を過ごせ、良い思い出になりました。ありがとうございました。 (R.O.)

お や じ 狩 り

 強盗目的または“憂さ晴らし”が目的で若者達が年長者の男性を脅したり、襲ったりするのを「おやじ狩り」と言うのだそうです。この他にも男女のカップルに対する「カップル狩り」などと言うのもあるのだそうで、不快この上ない行為であり、また言葉です。

 この世の中を真剣に生きている多くの若者達の評価がこのような一握りの不良行為をはたらく若者達のせいで失墜するのは本当に残念なことです。

 先日、日本からの朝のテレビニュースを観ていたら、約1ヶ月前に発生したとんでもない「おやじ狩り」事件の続報を放映していました。

 被害者は37才の東京、足立区の歯科技工士で、16〜17才の少年3人に強盗目的の「おやじ狩り」の対象とされ、野球のバットで殴られ打撲、骨折に加えて左目失明という悲惨な事態になったのでした。歯科技工士と言えば、視力は命であり、その命の眼を片方、それも年端も行かない少年達の遊興費欲しさの凶行の犠牲になるとは、何ともやりきれない話です。

 被害者の歯科技工士に対するインタービューのあと、この被害者の母親もテレビのインタービューに“怒り”の答えをしていました。

 「被害者の親としては、加害者にウチの子と同じ苦しみを与えて、そしてその親にも私と同じ苦しみをわかってもらいたい・・。警察がなかったら、私は加害者であるその子の眼をくり抜いていたかも知れません・・」 ―― 悲惨な目にあった被害者の母親の心情が痛いほど伝わる言葉でした。

 ところが、テレビの画面でこの「被害者の母親」が次に続けた言葉に私はハッとしました。

 「でも今になって落ち着いて考えてみれば、こちらがやられた方で良かったかな。他人(ひと)さまにもし、ウチの子がやったとしたら私は生きてはいられないと思ったからね・・」

 このお母さんは、自分が死ぬのがいやだから被害者の母親でいる方が良いと言ったわけではなく、“他人に迷惑をかける位なら、迷惑をかけられる方を良い”と言いたかったようでした。

 第三者の立場ならともかく、被害者の母親という当事者の言葉だけに重みを感じます。

 以前私はこのZakkaya Weekly にこんなことを書いた事があります「この世のすべては録画済みのビデオテープを再生しているようなもので、その筋書きは初めから決まっており、だから偶然の出来事など入る余地は全くない『すべて必然』の世界なのです。(略)例えば私が生まれてから死ぬまでのすべての行動と出来事は自分の意志ではどうにもならない力に支配され、しかもその筋書きが初めから全部決まっている・・(略)極端な事を言えば 自分が何か犯罪に巻き込まれ 被害者になった時、これも『人生の筋書き』通りなのだからやむを得ない事であり、むしろ自分が加害者と言う『筋書き』でなかった事に感謝さえ出来る事にもなります。(略)」【Zakkaya Weekly No.101、102「荒唐無稽のはなし」】

 「おやじ狩り」被害者のこの母親は当初、加害者の少年達の眼をくり抜いてやりたいと怒り狂ったにも拘わらず、心の平静を取り戻したあとは「加害者」よりは「被害者」サイドであった事にむしろ感謝している様子であり、私にとって大きな感動でした。

 このお母さんは、私がただ観念的に捉えている人生観、価値観を現実の体験の中から実感された訳であり、たいへんな事だと思います。

 でも、できる事なら、こんな体験はしたくないですね。

河合 将介 (skawai@wakao.com

さくらの独り言 「待つがクリスマス」

 12月25日の4週前の日曜日からクリスマスまでの期間をアドベント(待降節)といい、文字通りキリストの降誕を待つ期間として使われる。昔キリスト教国と詠われたここアメリカでは、家族全員が集う感謝祭とほぼ同時に迎えるアドベントの初日に合わせ、室内外の装飾やカードの発送準備を始める。アドベントをどう過ごすかは夫々の家庭の教育方針、文化、そしてその時代や地域によってもかなり違う(雑貨屋 136 号「クリスマス徒然物語」参照)。しかしこのアドベントの期間に届けられるクリスマスカードを楽しみに待ち、久しく便りのなかった友人知人からの知らせに胸をときめかし楽しむのは、どの人にとっても共通のことである。友人からのカードを「心ときめかしながら待つ」、これはアドベントにふさわしい意味あることの一つだと思う。

「このクリスマスカードは世界中の人々に送られるのですよ。今年はさくらさんにも送りますから楽しみ待っていて下さい。」と、某会社社長Iさんからのe−mailが届いた。「このカード」の説明に添付されてきた写真のIさんとカードの作り主であるHickory Elementary School(LA) の子供達の笑顔がとても美しく、私は「待てない」程「待つ」という気持ちを実感させられた。毎年この会社は、このHickory

Elementary Schoolの児童に手作りのクリスマスカードを作ってもらい、その報酬として彼等のファンドレイジングに協力している。出来上がった子供達のアイディアこもるそのクリスマスカードは、彼等の手によって、彼等によるクリスマスキャロルと降誕劇とともにIさんの会社に配達される。カードの出前に御芝居がオマケという、なんとも洒落たデリバリー手法である。その後そのカードはIさんの会社からいよいよ全世界へ向けて発送される。この会社とこの児童達は " Our Business-Education Partner " と、互いに誇りをもって呼び合う。Iさんのアイディアが生んだ「関係の教育」の姿である。

「寄付」と「会員費」や「報酬」の違いを正しく理解していない在米日系企業は少なくない。代償を求めない「寄付」を正しく理解せず、「寄付」をしてやったのだと大きな顔をしてその代償を求める駐在員社長も少なくない。某チャリティーコンサートを企画担当した時のことである。ステージ裏に居た私は、「開幕前の当日券を買い求める人の列を掻き分け、米人係員の説明を理解できず憤慨し、大きな声を張り上げている某社長をどうにかして欲しい」と駆り出された。某社長の言い分は、「自分はこのコンサートの特別招待状を貰った某会社の社長で、この大学に寄付をしているにもかかわらず、来てみると席がないと言われた。カウンターの人がくれたこのチケットの席は満足のいかない席であるから、即刻特別席の手配をするか、副学長を出せ」というものだった。彼が貰ったといい、私に投げ出すように突き出されたその特別招待状には、「ご出欠については必ずお返事下さる様お願いします。」という一文がRSVPの後に明記されていた。彼はそれを知らず連絡もせず突然現れたという訳だ。しかもこの件を日本語で説明させられた私は「返事がなかったから席がないとは寄付をしている社長に対して非常に失礼なことである、私は某会社の社長だぞ」としまいには怒鳴られた。ピアノコンサートに全く関係のない「寄付」という行為の代償を求めるその社長の醜態は、今でもキャンパスの語り種である。このピアノコンサートは、私の友人でプロフェッショナルのピアニストとしてもトップクラスの練木夫妻が、地域と日米交友の為にと無償に近い形で友情演奏してくれたものだっただけに、 その社長の言動は企画者のみならず日米両国の関係者にとって大変残念に思われた出来事だった。

「労働(役割)と責任と報酬」について正しく学ぶことが自活と自立にとって不可欠であるという認識の強いアメリカ(家庭・学校)教育では、教会や学校及び団体等への寄付と、自分達の時間や労力を費やして得る「報酬」とを完全に区別し、それらを体験と学習を通して習得させる。よきアメリカの部分が生んだ米国の財産だ。米国文化と意味を正しく理解し、それを大切にした地域貢献を展開するI氏のアイディアとその実は、同じ「社長」というタイトル(役職)に就きながら前述の「寄付」を売る姿勢とは全く違う生き方を感じさせ、クリスマスを心待ちにさせてくれる。子供達の夢と想像力を載せ全世界へ送られるそのカードは、「喜びをもって待つ」という「アドベント」にとてもふさわしいことをも告げている。今、「全世界へ送られるそのひとつを待つ」さくらの心はドキドキ、ワクワクしている。「待つがクリスマス」、あなたは何を待つのやら?、、、さくら。

 Khr@earthlink.net

川 柳 & コ ン ト (東京・成近)

( 川 柳 )

便利さに慣れてますます重い尻

立ち聞きの耳に本音が突き刺さり

金積んで解決という未解決

割りきれぬ思いを足して二で割られ

出る杭がそっと被ったヘルメット

( コ ン ト )

「標語」

悪いことするな、したなら隠せ  −神奈川県警

「1万9千円を回復」

今年の大納会の目標は19990円」  −東証株価

「中学校で授業」

支持率45・6% を四捨五入すると50%  ー"小渕"先生

(東京・成近) E-mail kawaiai@mx2.ttcn.ne.jp       

マキちゃんの健康のお話 −呼吸のお話し−

 前回、呼吸のお話しをチョットだけしましたが、今回はもっと呼吸のお話しをしたいと思いまーす。

皆さんは呼吸する事によって生きてますよねぇ、じゃあ、呼吸をし、酸素を取り込まなければどうなるのかー?..死にます。

そんな事わかってるという方、実は酸素欠乏が肩こりや頭痛の原因でもあるって事、ご存知?

我々は今や、文明が発達して、走るどころか歩く事も激減して、呼吸も浅くて済んでしまう生活になっています。

これは一種の酸欠状態なんですねぇ。

意識的に深呼吸を心がける事が大切です。

深呼吸は、ただ回数を増やせば良いのかというものではなく、問題はやり方。

じゃぁどうするの?って事になると、それは前回にお話ししたように、吸うより吐くほうに重点を置く。

吐く息を強く、長〜くします。

おへその下、いわゆる丹田に力が入り、そうなる事によって元気が湧いてきます。

悲しいときや泣いているときは、しゃくり上げちゃって、吸う呼吸ばかりに力が入りますねぇ、それじゃぁ丹田に力なんか入んない。

反対に笑ってる時は、吐き出す呼吸が強い。

笑う事が健康をもたらすっていうのも、精神面だけではないんですねーっ。

トップセールスマンは相手の呼吸に合わせるのがウマイ。

有能なセールスマンと、そうでない者の違いはそこだ、っとアメリカの某有名ディーラーが言っておりました、ハイッ。

普通、人間の心理として、自分より呼吸の長い者には威圧感を持ち、短い者には優越感を持つんだそう。

っという事はー、親分ズラをしたいんであれば、呼吸を長〜くすれば良いって事になーる。

深呼吸によって肺が伸縮し、当然、胸、背中、腹、腰など総計60からなるという、呼吸筋の運動にもなり、連鎖的に自律神経に影響を与えて、内臓の強化にも繋がるんですねー、これがっ。

呼吸を静かにすれば心が落ち着くし、気持ちの調整にもなります。

深呼吸のポイントは、鼻から吸って、30秒ぐらい止めて、口からゆっくり吐きます。

これを3回ほどすると、効果が大きいのだそうですよー。

お話しは変わりますが、長ーい間、サウスベイで活躍され、雑貨屋の店主として本職以上に(?)がんばってこられた大西さん、本当にお疲れ様でした。

日本でも、そのお人柄をフルに魅了してがんばって下さい。

そして、僕が遊びに行く事があっても大丈夫な様、美味しい居酒屋さんを見つけておいて下さいね。

(本当は、これが言いたかった..。)

makita@ginga.net

ご存知の方、下記までメールお待ちしております..。

一口コラム

コント、読み違い??

(その19)肥 を か け る

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「やはり男ばかりでは、どうも座り具合が悪いので、どなたか女性にも肥えをかけたいんですが誰が良いかご推薦願えませんか」

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 これは最近受信した、友人からのE-Mail の文面の一部です。普段からユーモアセンスの溢れる御仁だけに“女性にも肥(こえ)をかけたい”とは究極の(それとも『窮極』かナ?)冗句です。でも、まさか奥様に“肥(こえ)をかけたり”しないでしょうね。―― Mさん、こんな風に取り上げてゴメンナサイ。

【蛇足の注】:“肥(こえ)”の意味には「地味をよくし収穫をふやすために田や畑に入れる肥料」の他に、「ふん尿」という意味もありますのでご注意を・・。(三省堂、国語辞典、第2版)

―― 羅府の庄助さん ――

編集後記

日本では引越し準備でごちゃごちゃになった息子の部屋の中で雑貨屋を発行しています。でも日本から雑貨屋を発行できて喜んでいます。

185号の発行が遅れましたが、186号もすぐに発行しますので、お楽しみに。

雑貨屋のバックナンバーは下記でご覧いただけますのでどうぞ。

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Zakkaya Weekly No.185

雑貨屋 店主 大西良衛 ronishi@earthlink.net