Zakkaya Weekly No.151

Ryo Onishi 4/4/99  バックナンバー Homepage

雑貨屋のひとり言

  サマータイムに変わりましたね。約束の時間に遅れるといったトラブルはなかったですか?日本でもサマータイムを採用しようとしているみたいですが、本当にみんなが望むならいいですが、そうでなくて経済効果とかなんとかわけのわからない考えで安易にやるとあとで起こる問題のほうが大きいことだってあるわけですから、よーく考えてもらいたいものです。

 それにしても家にある時計の多さに驚きました。机の上、たんすの上、本箱の上、引出しの中、壁掛け時計、腕時計、それからビデオデッキ、ラジカセのディスプレイ等々……いつのまにこんなたくさんの時計を持つようになってしまったんだろうと思います。おまけにまずいことにそれぞれの時計の時刻が少しずつ違っていていったいどれが正確な時刻なのかわからない。ひどい場合は15分くらいの差があったりする。(おっと、これは我が家の問題です。)サマータイムが終わるまで時刻を変えることのない時計が一つや二つあるのではないでしょうか?(いや、これも我が家の問題です。)(R.O.)

男は黙って・・・

  東京の葛飾・柴又と日本各地(と海外)が舞台のご存知、映画 「男はつらいよ」 シリーズは、主演・渥美清さんが亡くなった為、第48作をもって惜しくも終了しました。

 渥美さんが演ずる「フーテンの寅こと、車寅次郎」 こそ、古き良き東京・下町の一つの象徴であり、もしかしたら 古き良き日本の心なのかも知れません。

 寅さんの発する日本語は決して「お上品」 ではありませんが、日本人の義理・人情の機微が見事に出ており、「寅さん映画」を観ていると日本人本来の心に触れたような気がしてきます。

 ノーベル文学賞作家の大江健三郎氏は、あるインタビューの席上「男はつらいよ」の日本語は非常に美しいと言ったそうです。(インターネットの情報を引用しただけなので、私自身が直接確認した訳ではありませんが)。

 言葉と文化は表裏一体なので、ああいう下町文化を懐かしむと、言葉も美しく聞こえてくるのでしょうか。

 一連の「寅さんシリーズ映画」 の山田洋次監督は何作目かの映画の中で、日本人の日本語観について、こんな風に寅さん他に言わせています。

**********************

(マドンナ):アメリカ人はお互いの気持ちを察し合う事が苦手って言うか、出来ないのね。 はっきり言葉に出して言わなければいけないの。

(とらやのおいちゃん):へえ〜。それは夫婦の間でもですか?

(マドンナ) :ええ。

(おいちゃん):ホー。

(とらやのおばちゃん):じゃあ、いい年をした夫婦が“アイ・ラブ・ユー”なんて言ってるんですか?

(マドンナ) :言いますよ。

(おばちゃん):ああ、恥ずかしい!

(マドンナ) :ねえ、おばさんは おじさんに言ったことないの? “愛してるわ”って。

(おばちゃん):そんな事を言うくらいだったら、死んだほうがましですよ。

(一 同) :ハハハ ・・・・(笑い)

(おいちゃん):愛しちゃあいないんですよ。

(おばちゃん):そりゃあ、こっちのセリフですよ。

―― いよいよ我らが寅さんの登場 ――

(寅 さ ん) :日本の男はそんなこと いわないよ。

(さくらの夫の博):じゃあ、なんて言うんです?

(寅 さ ん) :何も言わない・・。 目で言うよ。

(博 さ ん) :ヘエー

(寅 さ ん) :「おまえのこと・・・愛しているよ!」 ――― すると、向こうも目で答えるナ。―――「悪いけど、私、あんたのこと嫌い!」――― するとこっちも目で答えるナ。――― 「わかりました。・・・いつまでもお仕合わせに・・・」 ――― そのままくるっと背中を向けて黙って去るナ。・・・」 ――― それが日本の男のやり方よ!」

(おいちゃん):おまえは いつもそればっかりじゃあないか。

(寅 さ ん)  :どうしてそんな事を言うんだ! (と、おいちゃんに殴りかかろうとする)

(寅さんの妹、さくら):アアアー・・・ お兄ちゃん!!

(一 同) :ハハハハ(笑い)

***********************

今どきの 新人類や 平成族の皆さんには一見理解は出来ないかも知れませんが、日本人にはこんな側面もあるのです。

私は 「こんな側面」 が大好きなのですが、ここアメリカでは通用しずらい「側面」 でしょう。寅さんはアメリカ人でなく日本人として生まれてよかったね。アメリカ人の「とら」 は“タイガー・ウッズ”のほうがやっぱり似合うよ。

河合 将介 ( skawai@wakao.com

さくらの独り言  「じゃあ、またね」 

手紙の最後に、e-mailの最後に、電話の最後に、人と会った最後に、どうも私は「じゃあ、またね」と書いたり言ったりする癖がある。「又(いつか)」を安易に当てにした言葉でなく、信じ期待してのそれである。私は、「いつ死んでもいい生き方をしたい」と日々望みながら、同時に「必ずまみえる時がある、神の前で。」と信じている一人である。先日旅先で、友人をのせたエレベーターの、ドアが閉るその瞬間に私は言った「じゃあ、またね」。いつもより力が入っていた様な気がした。その後、誰とも話さず、一睡もしない朝を私は迎えた。

アメリカでは『人間、一生で避けられない物が二つある。死と税金。』という言い回しがよく使われる。これは米国の税金を皮肉って言われたことではあるが、誰もが避けることのできない「死」という事は、古今東西変わらぬ事実である。今現在、目の前に居るその人や自分が、振り返ったその瞬間、この世では『また』という機会がないかもしれない、、、それが私達の生なのだ。しかしもし『人間死んでしまえばおしまい』だったら、なんと私たちの生涯とは儚いものかと思う。ある人はこれを運命と呼び、またある人は定めと呼び、故に人は神や仏や伝説を信じたり守ったりして、より確かな時とものを求めるのだと思う。"I will see you later" の略で、私たちもよく使う "See you !"(じゃあ、またあとで)は『この世と神の国の二次元的意味を持つ』と聞いたことがある。私たちが使っている言葉の中には、案外「あの世とこの世」の合い言葉があるのかもしれない。

13歳で発病した友人は、1年9カ月の闘病生活の末、15歳にしてこの世を去った。白血病だった。当時20代半ばだった私は、殆ど毎日彼の病室へ行き、馬鹿な話も真剣な話もして過ごしたものだ。彼の所に行かない時は、両親がつきそいのため一人残される彼の妹、当時小学6年生とお留守番をして、またそこでも馬鹿な話も真剣な話もしたものだ。何かがベッドに触れただけでも身体中に激痛が走るという程、彼の病状が悪化し高熱を発していた時、私は話しかけることもできず、無言で彼の側に立っていた。ふと点滴を換えにきた看護婦さんに席をゆずりながら「すみません」と発した私のかすかな言葉を鋭く聞いた彼は「さくらさん?!、さくらさんだろ?どうして居るなら居るって言ってくれないんだよ?、『じゃあ、またね』って言わないで帰るつもりだったの?」と怒られたことがある。私はその迫力に負けて「ごめん」と口にはしたが、馬鹿な話も真剣な話も、いつものようにはできなかった。その時若くも13〜5歳の彼が「さくらさん、じゃあ、またね」と言い、私も「うん、またね」と言いながら病室で別れる、それは私たちの合い言葉だった。そしてそれはまた「先に行って待ってるね」という意味であり「うん、後で行くからね」という彼と私の信仰だった。彼の名は「全き愛」からとって「全(またき)」といい、その名のごとく人生の全き愛を、闘病生活を通して私に教えてくれた。彼がいなくなって15年、あれから私の口癖「じゃあ、またね」が始まったと記憶している。今から5年前、心筋梗塞で急死した父、6年間会わないままの別れとなった、、、その時も「じゃあ、またね、お父さん。」といっては帰国しないまま、このアメリカの空に昇る飛行機雲をみつめつつ、亡き父を見送った。私にとって「じゃあ、またね」は軽いが重い挨拶になっていた。

我が家には日本人のすることなすことを真似るドジな宇宙人がいる。大体いつも成功したためしがない。例えば「私」と言っては人指し指で自分の胸を指すアメリカ方式に代わって鼻の頭を指す日本式。慌てるあまり自分の目を刺してしまい、その痛々しいこと。この宇宙人、私の口癖をも真似てドジる。「じゃあ、またね」を、「じゃまだあ!」、「じゃあ、たま〜」、「じゃ〜、あたま〜ね」、「じゃあ、たまよ!」、「じゃあ、またよ!」等である。この宇宙人、山の手の「ざあますご家族」とお上品なご夕食後の別れ際にこう申した。「ええ、では、おまた〜」。あれ以来宇宙人は意識的に「じゃあ!」でピリオドをうっている。でも日本人さくらは続ける、「じゃあ、またね。」、軽く、そして、重(想)く、、、。さくら 

マキちゃんの健康のお話 

「呼吸と脳みそ」    

  皆さんは、トイレに入っている時に思わぬアイディアを考え付いたり、階段なんかを昇っている途中で忘れ物を思い出したり、って事を経験した事はありませんか?

これって偶然ではなくて、実は、こういった動作をしている時こそ、脳が活発に働いている時なのだそうです。

その謎を解く鍵が、『脳脊髄液(のうせきずいえき)』なのです。 っということで、今回は『脳脊髄液』のお話し。

脳には、血液と『脳脊髄液』が循環しています。

血液は酸素を、『脳脊髄液』は栄養素を運んでいます。

つまり、脳の働きを活発にするには、この『脳脊髄液』の動きを活発にすれば良いのです。

『脳脊髄液』は、背骨の中にある脊髄を流れて、息を吸った時に脊髄中を上がり、息を吐くと下がる。っという動きをしています。 っということは、もし、この動きを意識的に盛んに出来たら、頭脳の活性化できるはず。

先に述べた、トイレや階段の昇り降りでのヒラメキも、実は『脳脊髄液』の流れを活発にする事を、無意識のうちに行った結果だったのですナー、これが。

トイレでイキむ呼吸は大きく吸って、長くはくの繰り返しで、この呼吸パターンが『脳脊髄液』を活発にうながす

“完全腹式呼吸”なのです。

簡単に、どうすれば良いかを説明します。

 朝起きたら、窓を開けて、外気を部屋の中に取り入れ、3分間の腹式呼吸を行います。この時、重要な事は、まず、息をはく事から始める事。

眠っている時は、小さな呼吸を繰り返している為、よどんだ空気が体の中に溜まっているのだそうで、それをまず、全て抜くために最初は息をはく事が大事なのです。

はいて、吸う。これを1set15秒ぐらいで、3分(12回)行います。ここで注意する事は、あくまで鼻だけで呼吸する事。口は閉じて。朝の刺激法はその日一日の脳の活性を決めるので、大切ですゾ!

そして、昼は食事前に行い、朝とは逆に息を吸う事から始めます。

これを最低2分間(8〜9回)行わなければ効果がありません。 夜寝る前にも昼と同様に2分間。出来るだけ、外気での呼吸が基本です。

 お酒に酔ってても、必ず実行。中途半端では、『脳脊髄液』の働きが鈍ります。

 最初は面倒でも、習慣になればシメたもの、熟睡できるようになり、ストレス解消にもなります。

一日3回にこだわらず、気が付く度、この完全腹式呼吸を行い、そして習慣化すれば、脳(特に前頭葉)の働きを活発にして、ひらめき人間となっていくのです。

後はヤッパリ姿勢が良くないと、『脳脊髄液』は流れ難いので、姿勢にも気を付けて。

今回の事で思い出しましたが、僕のお客さんで「ドクターに軟骨が擦り減って無くなっている。」と言われた方が何人もいらっしゃいましたが、ただ老化と共につぶれてしまっているだけで、擦り減って無くなるって事はありませんので、同じ事で悩んでらっしゃる方は心配なさらなくて結構ですヨーッ。

ゼンゼン話しは変りますが、2日前の昼は何を食べたか思い出せなかったらボケの始まりなんですってー!

ちなみに僕は大体いつも昼食は同じなので(これも結構悲しい..。)分かりますが、結構、「ウーンッ。」っとなってしまう方、多いのではないでしょうか?

まっ、前の晩、酔っ払っていくら払ったのか憶えていないよりは、ずーっとましでしょうけどね! 

一口コラム:「逆転発想もまた楽し」 (その16)

国際化とは自分の国と自分を知る事だ

日本も諸外国との関わり合いが益々強くなってきています。もはや日本は 一国平和主義を唱えても世界がそれを許しません。国際化の荒波にもまれているのです。

国際化とは何でしょう。 辞書に何と書いてあるか知りませんが、私達は普段、国際化というと、なんとなく「世界中が一つになり、みんなが価値観を共有して仲良く暮らす」 と言うイメージか、又は 「外国、特に先進諸国の文化・規範を知り、従うこと」 ぐらいに理解しがちです。

でもよく考えてみると、国があるから “国際” があるので、“国際” の原点はあくまで 国境線を持つ “国家” である訳です。だから “ボーダレス” と “国際” は当然違う筈です。 領土・国民・主権の 3つが揃った国家があって、それらの国家が相互に理解し合い、主権を尊重しながら バランスのとれた世界を形成するのが “国際化”ではないでしょうか。

相互理解の為には 先ずお互いが、自分が何者であるかはっきりさせなくてはなりません。 自己のI.D.(アイデンティティ) の確立です。その上で、初めて相手との相互理解を図ることが出来ます。だから私は国際化の第一歩は自分の国と自分自身の I.D.を知る事だと思っています。日本人が海外へ出かけたり、又 海外の情報を入手して 外国通になってもそれだけでは 国際化とは言わないでしょう。海外事情を知ることにより、先ず日本を知り、自分を知る・・。これなくして国際化はありえないと思います。

――― 羅府の庄助さん ―――

(その16の1)新入社員入社式

 日本は今年も入社式の季節になりました。日本からの新聞、テレビの報道によると、どこの会社の入社式でも受入れ側トップによる新入社員への訓示は、企業の業績低迷を反映して、ことのほか厳しい内容だったようです。

 それならいっそのこと、発想を逆転して、次のような入社式はいかがでしょうか。

即ち、入社式では先ず新入社員(または新入社員の代表)がその企業の経営のあり方について“訓示”をし、社長以下経営トップは、それに答えて新入社員の前で“決意表明”をするのです。

 こんな会社なら革新的で、時代の波に乗った企業に育つんではないでしょうか。

(その16の2)夏時間 (Daylight Saving Time)始まる

 今年も当地では夏時間(Daylight Saving Time)が始まります。しばらくは朝起きるのがつらい日々が続きます。

 今日私は2人の友人から別々にE-Mail を受信しました。1通はアメリカ人の友人からで、“・・from Sunday please enjoy one more hours daylight” とあり、もう1通は日本人からで、“なんで1時間も早く起きなければならないんだ” と書いてありました。

 同じ1時間でも、どう受けとめるかで違ってくるものです。

(実は、私は後者の意見に共感を覚えています)

  ――― 羅府の庄助さん ―――

編集後記

息子と娘が日本に帰り、またワイフと二人の生活にもどりました。久しぶりに約3週間も四人で同じ屋根の下で暮らしたので、いなくなると急にしずかになって、さみしいものです。やはり家族はいっしょに暮らすほうがいいですね。 

 雑貨屋のバックナンバーは下記でご覧いただけます。

http://home.earthlink.net/~ronishi/zwback.htm/

Zakkaya Weekly No.151

雑貨屋 店主 大西良衛 ronishi@earthlink.net