Zakkaya Weekly No.132

Ryo Onishi 11/22/98 Index Homepage

雑貨屋のひとり言

日本語テレビである落語家がこんなことを言っていました。人に会ったり、電話があったりしたとき、親しい友人の場合は「おーっ、○○さん」、これがお客さんや目上の方の場合は「あーっ、○○さん」という具合に「おーっ」と「あーっ」と使い分けているというのです。そう言われてみればそんな気がします。みなさんはいかがですか?こんど気をつけて聞いて見てください。もっともこれは男の人だけだと思いますが。(R.O.)

あまり 知られていないL.A. 観光スポット(38)

レーガン記念館(The Ronald Reagan Presidential Library & Museum)

アメリカ合衆国の第40代大統領であるロナルド・レーガン氏は生まれはイリノイ州ですが、彼は20才後半からハリウッドに移り、俳優の道を進み、後にカリフォルニア州知事を経て1981年に大統領にまで上り詰めた人です。

アメリカの大統領は法律にもとづき自分の歴史的資料を連邦政府に寄付し、保管されることになっており、そのための大統領図書館及び記念博物館が建設されています。レーガン氏の場合はベンチュラ・カウンティのSimi Valley に建設され、1991年11月にオープンしました。

広々としたSimi Valley の小高い丘の上にある建物は いかにも西部を愛したレーガン大統領らしく派手さのない落ち着いた雰囲気に満ちたものであり、周囲の景色とマッチしています。

一般公開のミュージアム(展示室)にはレーガン氏の生い立ちや、俳優・カリフォルニア州知事・、大統領の各時代にわたる写真や各種資料が展示され、レーガン時代のアメリカを学ぶことが出来ます。展示室の中には レーガン大統領時代のオーバル・ルーム(ホワイトハウス内の大統領執務室)の模写の部屋、東西冷戦終結に至る業績資料、レーガン大統領が狙撃された時のビデオなどをみることも出来ます。また ナンシー夫人の衣装類の展示も興味を引かれます。

裏庭には 打ち壊された「ベルリンの壁」の一部も展示されており、そこからの素晴らしい眺望とこの「ベルリンの壁」を比較しながら時の流れを考えるのもたまには良いかもしれません。

*開園時間: 10:00am 〜 5:00pm

( Thanksgiving day、X'mas day、New Year's dayは休み)

*入場料: $4(大人)、$2(シニア62才以上)、無料(子供)

行き方は次の通り(Torrance方面よりの場合)

(1)FWY#405を北へ。

(2)FWY#10を横切り通過し、更に北へ行き、FWY#101を西(Ventura方面)へ入る。

(3_FWY#101(西)へ入って約24マイル走り、FWY#23を北(Fillmore方面)へ進む。

(直前に 一般道路≪23≫“Westlake Blvd.”という出口があるが、間違えないようにすること)

(4)FWY#23を北へ約5マイル進み、Olsen Roadで降りる。

(5)Olsen Road出口でFWY#を降りたら Olsen Roadを右折。 約2マイル進み、Presidential Dr.を左折し、坂を1マイル登れば記念館の駐車場に着く。

(6)全行程 ;(Torrance方面からの場合)約60マイル、ドライブ約1時間30分。

河合将介 skawai@wakao.com

さくらの独り言”The best" と "Better"

"Best !"  "Do your best", "I do my best"等、或いは日本語で「ベストを尽くして、、」、「ベストの商品」、もしくは「頑張って」とはよく耳にする。元気印の力がでるようでもあるし、また逆に疲れてしまうようでもあるこの言葉、貴方はどう考える?

人の足音も響き渡るような静かな図書館で、いつもの様に勉強していたある日、エレベーターの方から”ズーーズー”という機械音と共に異様な臭いが段々近づいてくる。私は思わず『来た、、来た!』と顔を上げ、電動車椅子で近づいてくるチャックに微笑む。”やあ、チャック!”。するとすぐにまた足音が大きく感じるような静けさに戻る中、チャックは私に向かってそっと返してくる「はい、さくら!!!」互いにいつもの挨拶をし、近況を交わす。私はもちろん、問題車”NOVA”に関する苦情であり、アメリカ人顔負けの身振り手振りでオーバーにそして細かく、「如何にNOVAが私を悩ませているか」ということを語った。静かにうなずきながら聴いていたチャックは私が話し終るのを待ってこう言った、"Sakura, it is better than nothing."と。それから約1年、NOVAが私の元を離れるまでの間、NOVAは私にとって”なくてはならない足”となり、約2年間のつきあいの末、いい別れができた。チャックとは、私が留学生になりたての頃、週に1〜2度だけ図書館で会う友人だった。1981年、高校生だった彼は交通事故にあい、その後訓練によって回復したかすかに動く手首で作動する車椅子による生活を強いられる中、弁護士を目指し鉛筆を口で動かしながら勉学にいそしむ大学生だった。チャックは自分が交通事故にあって最初に目が覚めた時、瞳以外何も動かない、「生きている」こと以外何もないという中で自分が最初に考えたことは"It is better than nothing" だと話してくれ、その時から私たちの友情は確かな礎の上に築き上げられることになった。

1988年夏、ハワイ経由にてさくら米国初上陸。テネシー州ナッシュビルにて700ドルで購入した車は1970年型 ”NOVA”といい、木に衝突しても傷一つできず、巨大な潜水艦を思わせるものだったが、問題も多かった。ラジオをはじめエアーコンディショナーやパワーステアリングは勿論無く、よく機関車の真似をしては煙りも吐き、雪の日にゴネては高速のど真ん中で動かなり、しまいには一酸化炭素が車内空気口を通って挨拶をしにでてきたりもし、私をいつも不機嫌にし、そのため私はいつも愚痴をこぼしていた。そして他の学生の車が非常に立派に見えて、なんとなく惨めで、恥ずかしかった。でもチャックの"It is better than nothing " 事件から、貧乏学生の乙女であった私が自分で車下にもぐり込んでオイル交換もし、油ぬき(各ねじからでる汚れた油をねじを緩めて出してしまう作業)もし、プラグを磨き、冬はエンジンに毛布を着せてやり、破れたシートも繕い、運転席に座ったら必ずダッシュボードを叩いて”頼むよ”と英語で話かけしたりもした。そして初めからつまづきだらけであったNOVAとのつき合いは、”足がなければ何もできない米国中西部での生活の基本”と「私を悩まされていた」といことと「私が悩ませている」という同じ現象における観点の違いを知る生きた知恵となった。

 自分にも他人にも、仕事にも部下にも、ある時は上司にでさえ、私はベストを求める。それが何か、怠慢ではないプロフェッショナル的気分にさせてくれて心地よく感じるからだ。でもどこか、時にぎくしゃくしてしまい、心地よい気分とは裏腹に息切れしてしまう。でも、ベターを求める時、もしくは今がベターだという観点にたってみる時、何かちょっとした余裕と発見、納得と期待が充満し、ある意味ではいい仕事ができたりいい関係が発展することがある。私たちの人生の中で、いったい私たちがベストを尽くせるモノは何なのか?どんなことなのか? それはいくつあるのか、なんてふと考えたりする。また、ある意味で『ベストとベターの選択調整ができることは、大人としての成熟度に関係があるかもしれない』と、くだらないことをつぶやくさくらの独り言である。成熟度の低いさくらはやっぱり”ベスト”なものを求めすぎてしまう、、、それが自分も人も疲れさせてしまう場合があると知りながら、、、ああ、愚かだなあ。

さくら

一口コラム:「日本語って何だろう その17」

『出 世 人 間 』

鰤(ブリ)という魚は、成長するにつれて呼称が変わるので、縁起が良いとされ、「出世魚」 と呼ばれます。手許の国語辞典によると、この魚は 関東では、ワカシ、イナダ(=ハマチ)、ワラサ、ブリ。 関西では、ワカナ、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリと呼ばれていると書いてありました。

そう言えば 私達人間の世界も 成長に従い呼び方が変わります。 例えば 乳幼児、幼児、少年・少女、青年、壮年、中年、熟年、中高年、実年、初老、老年といった具合に・・。でも この場合の変化は 単なる人間の成長過程を分類しただけで、呼称と言うより 区別・分類といったものであり、鰤の例とは少々違うように思います。人間の成長に伴う、こういう区別の仕方は 多分、万国共通ではないかと思います。

でも 日本と日本語の場合、家庭内で夫婦が互いに相手を呼ぶ時の “呼び方” も 時代と共に変化する事が多いのに気がつきます。

新婚時代から子供が産まれるまでは お互いの名前を呼んだり 「あなた」、「きみ」 だったりしたのが、子供が産まれたとたん、「あなた」が「お父さん」、「きみ」が「お母さん」 になり、孫が出来ると、「おじいさん」、「おばあさん」 と お互いを呼び合う夫婦をよく見掛けます。あの情熱の歌人、俵万智さんですら “妻のこと 「母さん」と呼ぶ ためらいのなきことなにかあたたかきこと”(歌集「サラダ記念日」)と詠んでいます。

日本以外の諸外国ではこんな場合、お互いをどう呼び合うのが普通なのか興味がある所ですが、少なくとも英語を話すアメリカ人の場合、孫には 自分達の事を 「おじいちゃん」、「おばあちゃん」(もちろん英語で) と呼ばせても、夫 または妻が 相手を こんな風に呼び合う事は、それほど多くはありません。

日本と日本語では どうしても個人よりも家 または家庭が中心になるので こんな事になるのではないでしょうか。

あなた ⇒ お父さん ⇒ おじいさん (きみ ⇒ お母さん ⇒ おばあさん) と呼び名が変化するのだから 日本人は 「出世人間」 なんですかね。 ――― 羅府の庄助さん ―――

編集後記

一ヶ月ぶりにクラブを握りました。右手首にまだ少し痛みがあるので注意しながらプレイしましたが、18ホールがとても長く感じました。スコアですか?回復にはしばらく時間がかかりそうです。というわけで雑貨屋の発行も日曜の夜遅くになってしまいました。

http://home.earthlink.net/~ronishi/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.132

雑貨屋店主 大西良衛 ronishi@earthlink.net