あまり 知られていないL.A. 観光スポット(193)

あまり知られていないLAの観光スポット案内

オレンジ郡農業・日系博物館
CSU(カリフォルニア州立大学) Fullerton校キャンパスの内に開設されている樹木園(The Fullerton Arboretum)についてはこのZakkya Weekly #307(2002年3月31日号)にて紹介しましたが、この樹木園の敷地の中に昨2006年3月にオレンジ郡農業・日系博物館(Orange County Agricultural And Nikkei Heritage Museum)が完成しました。

ここでは定期的にこの地域の日系人及び農業に関する各種展示会が開催されることになっています。

2007年2月10日から7月29日までの約6ヶ月間はカリフォルニア農業に大きく貢献した日系人たちの歴史に関する特別展示がされています。

 館内の案内パネルによると、19世紀末に米国本土への日本人労働者移民が正式に始まり、1900年の国勢調査ではオレンジ郡に日系人として3人(ヤマモト、マルヤマ姓)が定住していた記録が残っているとのことです。

その後1910年の同調査ではそれが611人、1920年には1491人(同郡人口の2.4%)、1930年には1613人(同1.4%)となってゆきます。

しかしこの間、日本人・日系人ともに排日移民制限、大恐慌など厳しい環境のもとに置かれ必ずしも順調な米国生活ではなかったようです。

そして1941年12月の日米開戦によって米国西海岸の日本人だけではなく、米国籍を持つ日系人までもが強制収容所へ送られ、オレンジ郡の日本人・日系人はゼロとなってしまいます。

展示品の中には、当時日系移民の人たちが実際に使った鋤や鍬などの農具をはじめ、写真、パスポート、戸籍謄本、地図、さらに実際に音声の再現された当時のラジオなどが「移民」、「家族」、「社会生活」、「コミュニティ」、日系組織」などに分類した展示がされています。
 
今回の展示は第二次大戦までの日本人移民に関する記録が中心になっていますが、次回以降はパイオニア・ファミリー、運輸、マーケッティング、地形、水の確保など、テーマを変えてカリフォルニアの農業史を振り返る内容になるそうです。

私たちの先人が多くの苦難に直面しながらも、カリフォルニア農業の発展にいかに貢献してきたかを知ることが出来ると同時に、日本人・日系人であったが故に味わった苦労について知る貴重な機会であり、この展示は必見です。

*************************
*住 所 : 1900 Associated Road, Fullerton, CA 92831
*開館日 : 土曜日、日曜日(だだし、主要祝日は休み)
*時 間 : 12:00(正午)〜 4:00PM
*入場料 : 無 料
*電 話 : (714) 278- 3407
*Web Site: http://arboretum.fullerton.edu/
 
行き方は次の通り(Torrance方面よりの場合)
(1)FWY#91を東へ。
(2)オレンジ・カウンティへ入り、FWY#57を北へ入り、約3マイル進み、Yorba Linda Blvd.出口でFWYを降りる。
(3)FWY を降りたらYorba Linda Blvd.を左折(西へ)。
(4)Yorba Linda Blvd.に入りすぐ(0.2マイル)のAssociated Roadを左折(南へ)したところが CSU(California State University), Fullertonキャンバスで、樹木園駐車場及び入り口もそこにある。
(5)全行程 ;(Torrance方面からの場合)約30マイル、ドライブ約40分。

河合将介( skawai@earthlink.net )